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エロトラップダンジョン絶対潰すマン

敗北聖騎士を攻略

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 ステファンはこの世の終わりという顔をした淫魔をただ無感動に眺めている。
 美食家が味覚を亡くすようなものだろうか。
 ステファンは今度こそ淫魔が己に興味を失い、ここで始末されるものと思い込んでいた。
 己を殺める相手が憎き淫魔であることは口惜しいが、最後まで清らかなまま殉ずる事ができる、死後己の魂は天上にある精霊国の門をくぐるだろう──そう夢想していた。
 だがその幻想も一人の諦めの悪い淫魔によって潰えようとしていた。
「そんな馬鹿な……間違ってる、ど、どこか不完全な……」
 淫魔は何故か自分が痛めつけられたような悲痛な面持ちでステファンの正面に立つと、性懲りもなく萎えた陰茎を扱いてみせる。
「無駄だ。何も感じぬ」
「完璧な魔法なんかこの世に無い。どこかに穴があるはずなんだ」
 淫魔はステファンの腹、脇腹、背中、脇の下を大きな手で擦っていく。
 淫魔の手は最初こそ皮膚の感触しか感じなかったものの、次第に自分を拒む薄っすらとした魔力のベールを感じ始めていた。
 ステファンの下半身は特に厚く、へそから上にいくほど薄くなっていくようだ。
「こんな立派な雄っぱいがあるのに全身不感だなんて、俺は認めないぞ」
「私は男だ。おっ、乳房など無い」
 まるで下品な言葉を覚えたての子供のように言い淀んでいるステファンをよそに、淫魔は日頃の鍛錬で分厚くなった大胸筋をむんずと両手で鷲掴みにした。
「ここも……ん?」
 指を動かして胸板を揉む淫魔の手が止まる。
 掌の中央に押し付けられた乳首は、何の魔力的抵抗感も与えてこなかった。
「この辺は、ノーガード?」
 淫魔は胸板から一旦手を離すと、人差し指と親指でステファンの乳首を軽く摘まんだ。
「また無駄なことを」
「無駄じゃないよ。ここ、全然守ってないんだね」
「何度も言わせるな。私は男だ。そのような所を触られても痛くも痒くも快楽もない」
「……」
 このニンゲンが何時から天精霊の信徒で禁慾をしていたのかは分からないが、見た目ほど性知識がないことが淫魔には嫌という程分かった。
 そしてそれは己の勝利を意味する、と淫魔ダインは考えた。
「とにかく、私が貴様らを悦ばすことは無い。迷宮破壊の代償はこの命を持って償おう。首でも何でも刎ねるといい」
 敗北しつつも勝利宣言をした憐れなニンゲンに、淫魔はとびきり優しい笑みを投げかける。
「そんな怖いことしないよ。そんなことより、君にイイことを教えてあげよう」
「何だ」
「ヒトは雄雌関係なく、訓練すれば乳首だけでも絶頂できるんだよ」
 淫魔の肉厚な指がステファンの乳首をきゅっと摘む。
「嘘をつくな。こんなもの、不快なだけだ」
 乳首を触られている感覚はそのまま有るのだろう。
 ステファンは居心地悪そうに淫魔を睨み上げている。
「最初は皆そうかもね。擽ったいだけで気持ちよくはないってヒトも多いよ。特に雄は」
「なら」
 淫魔の手が離れる。
「でも、ちゃんと手順を踏めば乳首だけでも、とっても気持ちよくなれるんだよ」
「有り得ぬ」
「じゃあ勝負しようか。今日一日、君が一度も気持ちよくならなかったら君の勝ち。鎧と一緒に地上へ返してあげるよ。でも、君が俺の手で乳首メスイキをキメちゃったら俺の勝ち。全部喋って貰うよ。ついでに俺の下僕にもなってもらうね」
 淫魔は可笑しそうに笑うとステファンの背後に回り、腹回りに腕を回して後ろから抱きつく。
 そして空いた腕でステファンの片胸をやわやわと揉みつつ、耳に口元を寄せて低く囁く。
「開放されてチンポバキバキになったら、もう聖騎士じゃなくなっちゃうね」
「耳が腐るな。私はお前の手淫などに決して屈しない!」
「あー……そういうのもっと聞きたいなぁ」
 ヒトが自らを戒め凛々しくあろうとすればするほど、墜ちたときの落差が激しく、それはなにより淫魔を喜ばせるモノであった。
 膨らみつつある肉棒を布越しに押し付けられたステファンは淫魔の足を踏んでやりたくなった。

「本当は時間をかけてしっかり躾けてあげたいんだけど、君に聞くこともあるし、急がせてもらうね」
「勝手にしろ」
 手首の拘束は解かれたステファンだったが、代わりに部屋の隅に置かれた寝台の上に腰掛ける淫魔の上に腰掛ける格好にされ、早くも後悔の念が押し寄せている。
 淫魔に背を預けることになるなど考えたこともなかった。
「やっぱり完全鎧フルアーマーを着こなすだけあって、いい身体してるねー」
 淫魔の両手は掬い上げるようにしてステファンの胸板を揉んでいる。
「嫌味な奴だ」
 自分の何倍も大きく筋肉質な淫魔の言葉にステファンは思わず悪態をつく。
「そんなつもりないよ。あ、もしかして遠回しに褒めてくれた? 嬉しいなぁ。身内はスラッとしたのが多くて肩身狭いんだよね」
「知るか」
「冷たいなぁ」
 力の入っていない胸筋は柔らかく、その膨らみに指を沈み込ませ、もちもちとした肌の弾力を楽しんでいた淫魔だったが、その手付きが大人しくなる。
 そして今度は乳首を挟むように両の中指と人差し指を這わせ、乳輪の辺りを触れるか触れないか分からぬほどの力加減で軽く擦ってきた。
「む……」
 擽ったく焦れったいその感覚にステファンは思わず唸る。
「あれ? もう感じた?」
「そんなわけあるか! あまりの気色悪さに口が反応しただけだ」
「ふーん」
 含み笑いの淫魔にステファンが苛立ちを募らせる。
 その間も淫魔の指はさわさわと羽のように乳輪を擦り続ける。
 さすさす、こすこす、と決して本丸を落とさない責めが始まる。
 乳首の根本に微かな振動が伝わるが、先程摘まれた時のような強い感覚には至らない。
 終わらない擽ったさはもどかしさとなり、ステファンはいっそ乳首を強く捻り上げられたほうがすっきりするとまで思い始めていた。
「あ、そうだ。ちょっとごめんね」
 淫魔はさも今思い付いたと言わんばかりの素っ頓狂な声を上げてステファンの体を寝台の上に降ろすと、取ってくるものがあると言い残して牢を後にした。
 一人残されたステファンは何をどうしていいかわからず、中断された責めについてぼんやりと考えを巡らせている。
 ──わざと生殺しのようなことをして、こちらが痺れを切らすのを待っているのか。ならいっそ……。
 ステファンは自分の乳首に手を伸ばしかける。
 いっそのこと自分で強い刺激を感じれば淫魔が後からどんな刺激を与えようとも耐えられるのではないか。
 そう考えたが、それてばまるで自ら進んで淫らな行為に手を染めているも同然ではないかと思い当たったステファンは小さく頭を振った。
──私は一体何を考えているんだ!
「あれ? チクニーしないの?」
「わっ!?」
 消えたはずの淫魔が音もなく牢の中に現れたことにステファンは腰を浮かす。
「ごめんごめん、驚かせようと思って羽虫に変身してたんだけど」 
「この、どこまでも底意地の悪い奴め」
 小さな羽虫とはいえ、鉄格子の間を抜けて牢の中に侵入するものを見落とすくらい乳首に意識を持っていかれていたことにステファンは初めて赤面した。
 あまりにも情けない。その思いが鉄仮面ステファンの顔を歪ませた。
 恥辱の念を覚え始めたステファンの様子に淫魔の心も熱を上げる。
 裸に剥かれ、悔しそうに見上げてくるニンゲンの有り様は淫魔を何より元気づけるものだった。
「ごめんね、これ取りに行ってたんだよ」
 淫魔はへらへらと笑いつつ、エプロンのポケットから棒状のナニかを取り出す。
 それは極細の毛がみっしり合わさった小さな絵刷毛であった。
「これ、バイコーンの鬣で作られた特注なんだ。ふわふわで気持ちいいよ」
 淫魔の指が刷毛の穂先を撫でる。
 恐ろしいまでに細かい毛は綿毛のようにさえ見えた。
 しかしバイコーンとは不純を司る二角獣の名だ。
 塗装の為だけに作られた訳では無さそうなモノを前にしてステファンの眉間にさらなる深い皺が刻まれた。
「そのような道具一つに音を上げると思うな」
「やってみないと分からないよ。さ、胸を張って。まさか勝負から降りる気じゃないよね?」
「当たり前だ」
「じゃあそこに立って、手は頭の後ろ。そうそう、いいね」
「くっ……」
 嫌でも全てを奪われ降伏させられていると格好から刷り込まれることにステファンは歯噛みした。
 急所も何も丸だしのまま、身体が弄ばれる時を待つ。
 そのことが何より悔しい。
 これを耐えれば勝負に勝つとしても、一生消えぬ恥辱の記憶として残るだろうとその時のステファンは考えていた。
「じゃ、君のして欲しかったこと、してあげるね」
「何を、うっ!」
 柔らかな先端が濃い肉色の頂をふわりと撫でる。
 ぴくりと肩を奮わせたステファンに、容赦無い追撃が入った。
「先っぽ触って欲しかったんだよね?」
「そのような……くうっ」
 刷毛の先端が乳頭を柔らかく掻いた。
 毛の一本一本がくにくにと敏感な突起を責立てる。
 そのまま身を捩って逃げたいような、さらに力を入れて擦ってほしいような、甘くむず痒い痺れがステファンの上体を動かす。
「乳首ごしごし気持ちいいね?」
「そんなわけないだろう……このような生温いものを続けていても無駄だ」
 啖呵を切るはいいものの、モゾモゾと落ち着き無く体を揺するステファンの様は淫魔にとって実に滑稽で愛おしい動きだった。
 防御の穴に淫魔と淫獣が執拗に触れたおかげで、ステファンの身体には催淫の毒が染み込みつつある。
「そっかぁ。もっと強くしてほしいんだね」
「ち、違う!」
 淫魔は刷毛をポケットに仕舞うと、先程使った媚薬の小瓶を手にし、その中身を親指、人差し指、中指に付けていく。
「ぬるぬるの方が好みだったかな?」
 淫魔は人差し指と親指をくっつけては離し、指と指の間に出来た粘液の橋をステファンに見せつける。
 淫魔が指を動かすたびにぬちゃぬちゃと水音が鳴った。
「何をしようと無駄だ」
 口ではそう言うものの、ステファンは自分が生唾を飲み込んでいることにさえ気がついていなかった。
 淫魔の指が刷毛で弄られていなかった方の乳首に触れる。
 既に硬く勃ち上がるように感度をあげた先端をぬめった指の先でくにくにと押される。
「んんっ……!」
 そして円を描くようにこねくり回され、ステファンは堪らず声をあげた。
「あれ? 何をしても無駄なんじゃなかったのかな?」
「んひぃっ!?」
 淫魔の指が敏感になった肉突起をぎゅぅっと摘む。
 苦痛を感じる一歩手前の力加減で、強く摘んだ乳首を引っ張りつつ、捻じるようにくりくりと弄くり回す。
「んぉっ、やめろっ!」
 ようやく訪れた強い刺激にステファンは身体が震え、どこか切なくなる感覚の波に呑まれかけていた。
「やめろ? もっとして欲しいくせに」
 淫魔は薄ら笑いを浮かべると、巨体を屈めてまだ粘液濡れ担っていない方の乳首に顔を寄せた。
「ま、待て、それは……それっ、あ゛っ……!」
 散々刷毛で焦らされていた乳首に淫魔の口が吸い付く。
 ぢゅぅぅっと下品な唾液の音を響かせながらステファンの勃起乳首がきつく吸い上げられる。
 生温かく滑った肉の穴に強く吸引され、ステファンは下肢をぶるぶると奮わせて身悶えた。
 そして淫魔は乳首に軽く歯を立て、舌の先端で乳首を根本からなめ回す。
 粘液濡れの指も忘れず、人差し指と親指ですり潰すような動きで肉の芽を苛めた。
「い゛っ……あぁっ!?」
 くりくり、こりこり、かりかり、ぬちょぬちょ、と多種多様な責め苦にステファンは上体を反らして快楽電流に身を任せた。
 頭の後ろをで手を組むことも忘れ、雄牛のような淫魔の角を握りしめ、喉仏を晒しながらがくがくと太腿を震わせる。
「……あれ? 乳首弄られたくらいでチンポ勃てちゃうんだぁ。おかしいなぁ、聖なる守りで何も感じないんじゃなかったのかなぁ?」
 口を離した淫魔は淫らな刺激にすっかり欲を思い出して天を向くステファンの肉棒を見下ろして嘲笑う。
「みっ見るなぁっ! そんな……この私がっ……申しわけありませ……」
 膨らんだ股間を隠しながら恥辱に涙を浮かべる聖騎士に淫魔の肉棒も熱を帯びてはち切れんばかりに膨らんでいた。
「とんだ雑魚乳首だったね。これだとケツマンコも雑魚いんだろうなぁ。俺が訓練してあげるね」
 ズボンを下ろし、ヒトの何倍も大きな血管波打つ巨根を露出させた淫魔がステファンの肩を掴む。
「ま、待て」
「大丈夫、大丈夫。さっきほぐしたじゃないか。もう待ち切れないよ」

 それから数十秒と経たないうちに、地下牢中に歓喜に喘ぐ獣じみたニンゲンの声が絶えず響き渡ることとなった。

 ✡

「あー……出た出た。こんなに出したの久しぶりだなぁ。最近アトリエに籠りっぱなしだったもんなぁ。君も満足したよね? ね?」
 寝台の上に腰掛けている全裸の淫魔が、脇で臀部を高く上げたまま突っ伏すステファンの尻肉をぱしんと軽くはたく。
「お゛っ……!」
 汗だくでぴくぴくと身体を震わせていたステファンの尻穴からぶびゅっ、と濃く粘ついたザーメンがひり出された。
 腹部にはショッキングピンクの淫紋が浮き上がっており、既にステファンの身体には聖なる魔力ベールはどこにも残っていなかった。

「おはよー。気分はどう? これからは禁欲なんて体に悪いことはやめて、チンポの思うまま生きていこうね。あ、でも君はもう俺のコキ穴奴隷だから自由はないんだけど。大丈夫大丈夫、ちゃんと面倒見るから。聞いてる?」
「……」
 連続絶頂の失神から回復したステファンは起きてから寝台の縁に腰掛けて下を向きっぱなしだ。
「まだ敗北を受け入れられないのかなぁ。そうだ、聞きたいことあったんだ。何で迷宮潰しなんかするのかな」
「……」
「なんで、迷宮、潰す、答えて」
 淫紋をなぞりつつ、淫魔が質問を投げかける。
「お゛ぉぉっ!? こたえ゛ましゅぅぅ! らからやめでいぐぅっっ!」
「弱っわ」
 どぴゅっとザーメンを噴き上げるステファンを見ながら淫魔は苦笑を浮かべた。

「潰したかったからです」
「は?」
「だから、潰したかったからです」
「どういう事? 黒幕は? 君に指示したニンゲンとか、精霊とかいるよね?」
「いません」
「ほんとに? 居ない?」
「んほぉぉっいませんんんっいませんから淫紋なでなでやめでぇぇっ!」
「分かったやめる。でも、何でそんなに潰したいの?」
「エロトラップダンジョンがこの世から消えれば世界がきれいになると思ったからです。精霊様もお喜びになるでしょう」
「それで、一人で?」
「はい。ゆくゆくは淫魔を全て灰にしてこの世を浄化するつもりでした。精霊様は私をお認めになり、きっとヒトから精霊へと昇華させてくれるでしょう。そして精霊となった私は全ての穢を浄化し、この世を一度白紙にして再構築し今度こそ穢のない世界──」
「分かった分かった分かった、もういいよ。一番ヤバいタイプじゃん、君。身体が雑魚で助かったぁ」

 これは後に分かることだが、もしステファンが堕ちなかった場合、ヒトにとっても魔物にとっても最強最悪の邪悪精霊になる未来もあったことを占術の得意なサキュバスが占っている。
 こうして淫魔ダインは邪悪精霊誕生阻止の第一人者として魔族教科書の一端に名を登場させることになるのだが、それはもう少し先の話であった。

 おわり
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