機械生命体に擬態した触手系人外に捕まってしまいました

青野イワシ

文字の大きさ
上 下
26 / 31

第二十五話 オーフェイス(中)

しおりを挟む
 胸部装甲内が蒸し風呂に思えるほど、身体の火照りが激しい。
 変態触手野郎におかしな汁を飲まされ、チンポを扱かれたあたりから難しいことが考えられなくなってきた。
 耳、首筋、脇の下、胸板、横腹、尻、太股、足首と弾力のある触手が俺の肌を柔く締め付けながら蠢く。
 こいつも興奮しているのか、触手はジェル状の粘液でたっぷりと濡れていた。
 ここはロボット兵器の操縦室ではなく、マーキナーの中身をぶち抜いた触手溜まりだ。
 殆ど明かりのない空間で赤黒い触手に全身を弄られている自分の姿を想像すると、より身体の熱が上がりそうだ。
 おかしいな。俺はこんな得体の知れない異星の怪物に欲情するような趣味は持ってなかった。
「緊張していますか? もしかして、初めてですか?」
 俺の鼓動を確認するように、太い触手が左胸の上を這う。
「触手となんか、誰だって初めてだろ……」
 いや、いた。
 大きくとらえれば先祖が、こいつらとヤったんだった。
「前例はあります。私もここを発つ前、ニンゲンの性交渉については沢山学びました。箱舟に乗った気持ちで、身をゆだねてください」
 だめだ。
 やっぱりこいつ、エロ方面の勉強しかしてない。
 俺が言葉の間違いを正してやろうと口を開きかけた、その時だった。
「うぁっ!?」
 脇の下にいた触手が柔らかい先端で俺の脇を掻き始める。
「やめろって……!」
 ぬちぬちと粘液がこすれる音をさせながら、骨のない指が薄い皮膚を遠慮なく擽ってきた。
「力を抜いてください。怖くないですからねー」
「ひ、お前、一回いきなりやった、くせに」
「何のことですか? あ、検査のことですか?」
「とぼけん、なぁっ!?」
 俺の追求を潰そうとしたのか、脇の下で蠢いていた触手が胸板へ伸びた。
 枝分かれした複数本の触手がドーム状になって、俺の乳首を覆う。
 そして粘液濡れの先端で乳首の根本をつまみ、下から上へひっぱるようにしてこねくり回してきた。
「くぅっ……」
 くにゅくにゅとからかうような動きで触手が肉の突起を好き放題にする。
 普段ならこんな風に感じたりしない。自分で弄る趣味もなかった。
 それなのに身体が跳ね、だらしなく口が開きそうになるのは、全部こいつのせいだ。
 こいつが俺にへんなもん盛るから、ちょっとしたことでへんな声が出るんだ……。
「ニンゲンは体の突起部分をごしごしされると、すぐのけ反っちゃうんですよね?」
「んなわけ……フィクションの見過ぎぃぃっ!?」
 乳首を苛める触手がきゅっと力強く引っ張ってきた。
 しかも、くりくり左右に軽くねじりながら、別の触手で乳頭を弾くように擦ってくる。
「あぁっ……!」
 思わず胸板を突き出すように背を反らしてしまった。
 背後にある壁のようになった触手に腕も脚も呑み込まれかけているから、体をひくつかせる程度の抵抗しかできない。
 これじゃあもっとしてほしいように勘違いされる。
 この薄暗いなかでも、スタイロベートだけは全部視えているようだ。
「ごしごし気持ちよかったんですね。こっちもしてあげますね」
「いい、それはいっ、あぁっ!」
 粘液濡れの肉蛇が勃ちあがっていた俺のチンポを隙間なく巻いていく。
 触手は人肌の温かさを持っていて、蕩ける肉壺にチンポを突っ込んだような感覚に陥った。
 それだけじゃない。
 触手は硬くなったチンポを程よく締め付けながら、上下に扱いてくる。
 生きた貫通オナホが、俺の意思を無視して責め立てる。
 チンポと触手肉が擦れあい、ぬちっ、ぬちっと水音を立てた。
「うう゛ぅっ……」
 拘束されたまま乳首を苛められ、チンポを扱かれ、ぐんぐんと竿に向かって熱いものがせり上がってくる。
 このままこいつにイかされるのか。
 変態触手の思うがままに出すのも悔しい。
 そう思って耐えていたのに、こいつは更に俺への責め手を増やしてきた。
「あれ? これ何ですか? 私の分泌液ではないですね」
「そんな、さわんなぁっ」
 触手の先端が亀頭の先端から滲み出る我慢汁をちょんちょんとつつく。
 よく見えないけど、触手とチンポの先には粘液と我慢汁が混ざったものが糸を引いて垂れ落ちているみたいだ。
「フタウラ君ー。これは何ですかー」
「んぉっ!?」
 ぱんぱんに膨れたチンポの先端は、もう誰にも触ってほしくないほど敏感だ。
 それを知っているのか、知らないのか、触手が鈴口の周りを円を描くように撫でてきた。
「答えてくれないんですか?」
「やめろってぇ……!」
 目の前が真っ白になるような、足腰が立たなくなるほどの強い快楽に襲われる。
 触手から逃げようと身体を揺すっても、チンポを前に突き出して腰を振っている動きにしかならない。
 触手に舐られ続けた乳首は硬く勃ちあがるようで、すっかり性感帯として仕立て上げられてしまった。
 どこもかしこも熱い。
 皮膚からは粘液を押し流すほどに、玉のような汗が噴き出す。汗が湯気のように立ち昇っているのを感じる。
 呼吸は犬のように荒く、触手が乳首とチンポを扱き上げるたび、口元がだらしなく開いてしまう。
 このまま一気にイかせてくれればいいのに、こいつは触手の動きをわざと遅くして、決して絶頂までは持って行かないようコントロールしてくる。
「も、もう、いいだろ?」
「はい?」
「おまえは、ただ繁殖、がヤりたいだけだろ……。さっさと、やればいい……」
 快楽の生殺し地獄から解放されたい。
 その一心で言っただけなのに、変態触手はわざわざ特大の溜め息を聞かせてきた。
「私は繫殖行為だけが目的ではなくて、パートナーとしてのスキンシップをですね」
「そういうのいいから……」
 一瞬だけ、俺の背後にいた無数の触手がびくんと揺れた。
 なんだ?
 そう思う前に、俺の耳穴にぺっとりと細い触手が入り込んできた。
「パートナーたるもの、お互いがお互いを盛り上げないといけないと思います。なので、こんな事したくないんですけど、仕方ないですね」
「あ……?」
 耳穴の入り口を湿った触手が塞ぐ。
ビリッとしますね」
その言葉の意味を理解する前に、俺の頭に雷が落ちた。
「いぎぃぃっ!?」
 目の前に閃光が迸る。
 これが現実なのか、幻なのか、分からない。
 何も考えられない。
 ただ、全ての指先がぴくぴくと震えていることだけは分かった。
「フタウラ君。君は私と何をするんでしたっけ」
「はんしょく……」
「私のことが大好きだからするんですよね?」
「ちが」
「違わないです」
「あ゛ぁっびりびりやめろぉ゛っっあ゛たまばかになるぅっっ!」
「痛みは無いのに。大袈裟ですね。再度聞きますが、これから大好きな私と何をするんでしたっけ」
「……」
「うーん、まあいいでしょう。ちゃんと覚えてくださいね──」

 つづく
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...