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第3章 厄災 大禍刻編
運命選択回収 お守りとシュシュを受け取る
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突然明美に貰った御守りが光り輝く。そして……ボンッと大きな音が響き、私の右腕に激痛がはしる。
「なにが………」
自分の右側の光景が目に飛び込み呆気にとられる。強く拳が握られ、手首に狐のシュシュのついた腕が宙を舞っている。
「あれ……って……私の……」
一秒にも満たない刹那の一瞬、私の意識が弾け飛んだ右腕に釘付けになった瞬間、目の前に田村さんが飛び込んで来る。次の瞬間腹部に尋常ではない衝撃がはしる。
「グフッ…………」
口や鼻から黒い液体が吹き出し、後方に吹き飛ばされ、地面を転がる。一瞬意識が飛びかけるも持ち直し、起き上がろうと四つん這いになった瞬間首に衝撃がはしり、首の後ろからつーとあたたかいものが伝う。
「クソッ……硬すぎる……刃が通らない……明美!綾香!皆を連れて離脱せよ!ここに居る戦力ではこの子には勝てない!!私がコイツを抑えれている間に逃げろ!!」
田村さんの呼び掛けに明美と綾香が皆を誘導し、扉の奥に走り階段を登っていくのを見送る。
「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"」
最早言葉にすらならない絶叫を上げつつ私は体を少しづつ持ち上げる。
「どんどん力が増している。このまま刃ごと私を押し返すつもりか!させん!」
刃に一段と力が入り、地面に突っ張っている左腕が地面にめり込む。
「斬れろぉぉぉぉぉぉ!!」
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」
ズブッ……田村さんの刃が少し斬り進む。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」
「あと少し!!」
私は四つん這いを崩し刃から逃れようとするも叶わずジリジリと首を刃が斬り進んで来る。私は逃れようと手探りで前方を探る。しかし、ここは儀式場この状況を打破できる物なんて置いていないはず……
コツン……
指先に何かが当たる。私は恐る恐る触れた物を見る。それは右腕……いまさっき弾け千切れた私の右腕……何かの衝撃でここまで飛ばされてきたのか……右腕の先……握りこみ拳を作ったはずの指先は別の形をしている。しかし暗くてよく見えない。
うぅぅぅ……
あぁぁぁ……
許さない……
周りから様々な声が聞こえ、血塗れの怨霊、鎧甲冑を着た怨霊、首の無い怨霊など様々な個体が囲っている。
「雑魚共まで湧いてきたか……」
田村さんがボソッと言葉をもらす。
ザシュ……
両足に激痛がはしる。恐らく脚の腱を斬られたのだろう足に力が入らない。
「そこで大人しく待ってなさい。」
私にそう言うと田村さんは片っ端から斬り伏せてゆく。そして最後の1匹、甲冑を着た怨霊の刀をギンッと弾いた際、火花が飛び散り、目の前の右腕を一瞬僅かに照らす。右手は狐の印を結んでいる。私は残った左手で狐を印をして見るが何も起こらない。
まさか……これは両手印なのか……私は今片腕しかない……絶望しながらも一縷の望みをかけて左腕を突き出し右手の印と左手の印を合わせる。
すると頭の中に唱えるべき言葉が浮かぶ。
「因果律の最果てで悠久の禍夢に囚われ哭くがよい……」
「まさか!!綾乃さんよせ!!」
田村さんが私に向かって走り出す。
陣地 「魂依狐 夢カ幻棘獄」
支部全域をドス黒く重い霊力が覆う
劇場版 千年夜行
「銀華と氷刃の猟奇譚」へ続く……
「なにが………」
自分の右側の光景が目に飛び込み呆気にとられる。強く拳が握られ、手首に狐のシュシュのついた腕が宙を舞っている。
「あれ……って……私の……」
一秒にも満たない刹那の一瞬、私の意識が弾け飛んだ右腕に釘付けになった瞬間、目の前に田村さんが飛び込んで来る。次の瞬間腹部に尋常ではない衝撃がはしる。
「グフッ…………」
口や鼻から黒い液体が吹き出し、後方に吹き飛ばされ、地面を転がる。一瞬意識が飛びかけるも持ち直し、起き上がろうと四つん這いになった瞬間首に衝撃がはしり、首の後ろからつーとあたたかいものが伝う。
「クソッ……硬すぎる……刃が通らない……明美!綾香!皆を連れて離脱せよ!ここに居る戦力ではこの子には勝てない!!私がコイツを抑えれている間に逃げろ!!」
田村さんの呼び掛けに明美と綾香が皆を誘導し、扉の奥に走り階段を登っていくのを見送る。
「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"」
最早言葉にすらならない絶叫を上げつつ私は体を少しづつ持ち上げる。
「どんどん力が増している。このまま刃ごと私を押し返すつもりか!させん!」
刃に一段と力が入り、地面に突っ張っている左腕が地面にめり込む。
「斬れろぉぉぉぉぉぉ!!」
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」
ズブッ……田村さんの刃が少し斬り進む。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」
「あと少し!!」
私は四つん這いを崩し刃から逃れようとするも叶わずジリジリと首を刃が斬り進んで来る。私は逃れようと手探りで前方を探る。しかし、ここは儀式場この状況を打破できる物なんて置いていないはず……
コツン……
指先に何かが当たる。私は恐る恐る触れた物を見る。それは右腕……いまさっき弾け千切れた私の右腕……何かの衝撃でここまで飛ばされてきたのか……右腕の先……握りこみ拳を作ったはずの指先は別の形をしている。しかし暗くてよく見えない。
うぅぅぅ……
あぁぁぁ……
許さない……
周りから様々な声が聞こえ、血塗れの怨霊、鎧甲冑を着た怨霊、首の無い怨霊など様々な個体が囲っている。
「雑魚共まで湧いてきたか……」
田村さんがボソッと言葉をもらす。
ザシュ……
両足に激痛がはしる。恐らく脚の腱を斬られたのだろう足に力が入らない。
「そこで大人しく待ってなさい。」
私にそう言うと田村さんは片っ端から斬り伏せてゆく。そして最後の1匹、甲冑を着た怨霊の刀をギンッと弾いた際、火花が飛び散り、目の前の右腕を一瞬僅かに照らす。右手は狐の印を結んでいる。私は残った左手で狐を印をして見るが何も起こらない。
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すると頭の中に唱えるべき言葉が浮かぶ。
「因果律の最果てで悠久の禍夢に囚われ哭くがよい……」
「まさか!!綾乃さんよせ!!」
田村さんが私に向かって走り出す。
陣地 「魂依狐 夢カ幻棘獄」
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