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第1章 参戦編
第24話 無職業?
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お、思ってたのと違う……。
「翔……よわ、あ、いや、そんなパラメータだったの?」
「今、弱いって言いかけただろ」
「あははー、ごめんごめん。予想と全然違ってたからさ」
おれの弱さもだが、二人の強さに驚きだ。
「……」
「華歩?」
<ステータス>をじっくり眺めている華歩に話しかける。何か気になることでもあったのだろうか。
「一応確認なのだけど、これ各パラメータはいくつから始まっているの?」
「え? HP100、MP10、あとは1だけど」
「1!?」
質問をした華歩は「やっぱり」という表情だが、夢里が信じられないという声を出した。
「なんだよ、みんな最初は1じゃないのか?」
「いいえ、違うわ。わたしは“魔導士”というのもあって、たしかMPは50、魔力は30から始まっているわ」
「え?」
「私も私も! “銃使い”だから筋力と運が高かったはず。どっちも最初から20だったかな」
「ええ?」
職業によってスタート値も違うのか? あの激弱<ステータス>は無職業だったからなのか?
それでも、正直戦闘で見ればはっきり言っておれの方が二人よりも強い。
<スキル>とはそれほど圧倒的なものなのか。まあ、おれのスタイルは移動から攻撃、防御まで全て<スキル>みたいなものだし、相当補正がかかってるだろうな。
「それならなおさら、おかしな点があるわ」
「そうだね」
二人はおれの<ステータス>を眺めたまま、違和感を感じている様子。
「かーくんの<ステータス>は伸びすぎよ」
「あ……」
そういえばそうだった。夢里にも言われていたんだ、レベルアップをしても伸びるのはよくて三項目ぐらいだと。
「能力パラメータは全部1からだったんでしょ? それが本当なら、華歩の言う通りあまりにも伸びすぎだよ。なんで言ってくれなかったんだよー」
「ごめん、タイミングが」
「それにこの職業が“???”ってのも気になるわ。無職業なら本来“なし”と表記されるはずなの。アビリティが???となっているのにも違和感がある」
「そうなの?」
おれは無職業じゃないのか? というかそれ、
「なんで華歩が知ってるんだ?」
「! ばっ、ばか! いじける誰かさんのために調べてあげてたんでしょ! もう、感謝しなさいよ」
急に華歩が慌てふためく。
華歩がおれのことを? 華歩はおれの前じゃ大好きなダンジョンの話もしないよう心掛けていたみたいだし、もしかして距離を遠ざけていたのはおれだけだったのか。
「まあ、いいわ。気になるけどこれ以上は調べようがない。各能力パラメータが1から始まるという点は無職業と同じだけど、君は明らかに無職業ではない。良かったじゃない」
素直に喜んで良いのだろうか。いずれおれの職業も判明するといいな。
「そうだね、今日はこの辺で解散にしよ!」
「うん、わたしもそれが良いと思うよ」
二人は<ステータス>を閉じて出る準備をする。
「あーあ、帰ったら勉強かあ」
「そうだね、そろそろ勉強もしっかりしないとだね」
嘆いた夢里の言葉で現実を思い出す。
そうか、おれたちは中学三年生なんだ。
「夢里は行きたい高校とかあるの?」
夢里に聞いてみた。彼女とダンジョン以外の話をするのは珍しいかも。
「そりゃあ決まってんじゃん。ねえ、華歩?」
「うん、わたしもだよ」
二人はおれの質問に当たり前だよみたいな顔をして、同時に答えた。
「「国立探索者学校」」
「ん? なんだっけ、それ」
聞いたことあるような、ないようなその名前に思わず聞き返してしまう。
「え、まじ?」
「かーくん、お願いだから冗談だと言ってよ」
この何気ない質問が、後におれに進路を真剣に考えさせるきっかけになった。
「翔……よわ、あ、いや、そんなパラメータだったの?」
「今、弱いって言いかけただろ」
「あははー、ごめんごめん。予想と全然違ってたからさ」
おれの弱さもだが、二人の強さに驚きだ。
「……」
「華歩?」
<ステータス>をじっくり眺めている華歩に話しかける。何か気になることでもあったのだろうか。
「一応確認なのだけど、これ各パラメータはいくつから始まっているの?」
「え? HP100、MP10、あとは1だけど」
「1!?」
質問をした華歩は「やっぱり」という表情だが、夢里が信じられないという声を出した。
「なんだよ、みんな最初は1じゃないのか?」
「いいえ、違うわ。わたしは“魔導士”というのもあって、たしかMPは50、魔力は30から始まっているわ」
「え?」
「私も私も! “銃使い”だから筋力と運が高かったはず。どっちも最初から20だったかな」
「ええ?」
職業によってスタート値も違うのか? あの激弱<ステータス>は無職業だったからなのか?
それでも、正直戦闘で見ればはっきり言っておれの方が二人よりも強い。
<スキル>とはそれほど圧倒的なものなのか。まあ、おれのスタイルは移動から攻撃、防御まで全て<スキル>みたいなものだし、相当補正がかかってるだろうな。
「それならなおさら、おかしな点があるわ」
「そうだね」
二人はおれの<ステータス>を眺めたまま、違和感を感じている様子。
「かーくんの<ステータス>は伸びすぎよ」
「あ……」
そういえばそうだった。夢里にも言われていたんだ、レベルアップをしても伸びるのはよくて三項目ぐらいだと。
「能力パラメータは全部1からだったんでしょ? それが本当なら、華歩の言う通りあまりにも伸びすぎだよ。なんで言ってくれなかったんだよー」
「ごめん、タイミングが」
「それにこの職業が“???”ってのも気になるわ。無職業なら本来“なし”と表記されるはずなの。アビリティが???となっているのにも違和感がある」
「そうなの?」
おれは無職業じゃないのか? というかそれ、
「なんで華歩が知ってるんだ?」
「! ばっ、ばか! いじける誰かさんのために調べてあげてたんでしょ! もう、感謝しなさいよ」
急に華歩が慌てふためく。
華歩がおれのことを? 華歩はおれの前じゃ大好きなダンジョンの話もしないよう心掛けていたみたいだし、もしかして距離を遠ざけていたのはおれだけだったのか。
「まあ、いいわ。気になるけどこれ以上は調べようがない。各能力パラメータが1から始まるという点は無職業と同じだけど、君は明らかに無職業ではない。良かったじゃない」
素直に喜んで良いのだろうか。いずれおれの職業も判明するといいな。
「そうだね、今日はこの辺で解散にしよ!」
「うん、わたしもそれが良いと思うよ」
二人は<ステータス>を閉じて出る準備をする。
「あーあ、帰ったら勉強かあ」
「そうだね、そろそろ勉強もしっかりしないとだね」
嘆いた夢里の言葉で現実を思い出す。
そうか、おれたちは中学三年生なんだ。
「夢里は行きたい高校とかあるの?」
夢里に聞いてみた。彼女とダンジョン以外の話をするのは珍しいかも。
「そりゃあ決まってんじゃん。ねえ、華歩?」
「うん、わたしもだよ」
二人はおれの質問に当たり前だよみたいな顔をして、同時に答えた。
「「国立探索者学校」」
「ん? なんだっけ、それ」
聞いたことあるような、ないようなその名前に思わず聞き返してしまう。
「え、まじ?」
「かーくん、お願いだから冗談だと言ってよ」
この何気ない質問が、後におれに進路を真剣に考えさせるきっかけになった。
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