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第45話 レリアの選択
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「一緒にいるあいつら、裏切りましょ!」
レリアの顔見知り──チェリーは、派手な格好をフリフリとさせながら提案する。
「ついでに街の物資もぜーんぶもらうの!」
さらには、今造っている街も狙っているという。
対して、レリアは一度口を閉じた。
「……」
二人は、何度か一緒に探索をした。
基本単独で探索することが多いレリアからすれば、チェリーは最も共にした探索者と言えるだろう。
しかし──
「お断りよ」
「……!」
レリアはキッパリと断る。
それが意外だったのか、チェリーは目を見開いた。
「レ、レリア!? 本気!?」
「ええ」
「ちょっと冗談やめてよ。あの手段を選ばないあなたが……今回のもカモでしょ?」
今まで余裕を保っていたチェリーの表情が乱れている。
よっぽど断れると思わなかったのだろう。
それでも、レリアは毅然とした態度を崩さない。
「……たしかにそんな時期もあったわ。でも、今はそうじゃないの」
「じゃあどうだって言うの!」
「ワタシはみんなに一番大切な人を守ってもらった。自分の命に代えても。そんな人達を裏切るのは嫌なの」
「……っ」
レリアの表情を見ていれば、それが本心であることは分かる。
だからこそ、チェリーは苦い顔を浮かばせた。
「……なによ」
「悪いわね。でも、ワタシはあいつらと行くわ」
話は終えたと言わんばかりに、レリアは背を向けた。
「あなたもあまり悪いことは考えないことね。やらない内は見逃してあげるから」
そう言い残すと、レリアは路地裏から姿を消す。
見逃してあげたのは、顔見知りの最後の情けだろう。
しかしチェリーは、レリアが去った後もその場に立ち尽くしていた。
「レリアぁっ……」
その表情は何を思うか──。
「うわっほーい!」
エアルがぽーんと雲の上で跳ねる。
その姿は昨日までとは違い、少しずつ雲の扱いが様になってきているように見える。
「さすがだ! 飲み込みが早いな!」
「あははっ! 楽しくて!」
これも、ガレアが教えてくれたからだろう。
エアル達が『クラウディア雲上』に付いて一日。
今日も探索をするため出掛けたところ、街の入口でガレアと会ったのだ。
すると、雲の扱いに長けるらしいガレアが、立ち回りを教えてくれることになった。
「わふ~!」
「ぼぉ~!」
「うむ! ペット達も問題ないな!」
エアル同様、身体能力が優れるラフィ。
そもそも浮いているフレイ。
どちらもこの環境に付いていけそうだ。
「問題はあちらか」
「きゃー!」
ガレアが振り返った先で、リザは頭から雲に突っ込んでいる。
彼女も決して下手ではないが、周りの成長がありえないばかりほど速いばかりに置いてかれている。
もう少し時間がかかりそうだ。
それから──
「む。君は大丈夫なのか」
「……ええ」
チラリと視線を向けられたレリアも、見事に跳ねてみせる。
元より華麗な動きをする探索者だ。
やはりこの手のことはセンスが良い。
「え、じゃあ私だけ……?」
「はっは、大丈夫だ。君も上手だ」
「嫌味にしか聞こえないわよ!」
そんなことがありながらも、エアル達はこの日の探索を終える。
──だが、事件は街に戻ってから起きた。
「「「……ッ!」」」
入口に入ってすぐ、エアル達は目を見開いた。
街の物資を集めた場所が襲われていたのだ。
「どうして!」
「魔物避けの魔法は使っていたはず!」
対魔物には魔法、対人にはガレアの仲間が警備にあたっていた。
造りかけにしても、それなりに万全だったはずだ。
そんな中で一人、
「……っ!」
何かが過ったレリアはその場を走り出した──。
レリアの顔見知り──チェリーは、派手な格好をフリフリとさせながら提案する。
「ついでに街の物資もぜーんぶもらうの!」
さらには、今造っている街も狙っているという。
対して、レリアは一度口を閉じた。
「……」
二人は、何度か一緒に探索をした。
基本単独で探索することが多いレリアからすれば、チェリーは最も共にした探索者と言えるだろう。
しかし──
「お断りよ」
「……!」
レリアはキッパリと断る。
それが意外だったのか、チェリーは目を見開いた。
「レ、レリア!? 本気!?」
「ええ」
「ちょっと冗談やめてよ。あの手段を選ばないあなたが……今回のもカモでしょ?」
今まで余裕を保っていたチェリーの表情が乱れている。
よっぽど断れると思わなかったのだろう。
それでも、レリアは毅然とした態度を崩さない。
「……たしかにそんな時期もあったわ。でも、今はそうじゃないの」
「じゃあどうだって言うの!」
「ワタシはみんなに一番大切な人を守ってもらった。自分の命に代えても。そんな人達を裏切るのは嫌なの」
「……っ」
レリアの表情を見ていれば、それが本心であることは分かる。
だからこそ、チェリーは苦い顔を浮かばせた。
「……なによ」
「悪いわね。でも、ワタシはあいつらと行くわ」
話は終えたと言わんばかりに、レリアは背を向けた。
「あなたもあまり悪いことは考えないことね。やらない内は見逃してあげるから」
そう言い残すと、レリアは路地裏から姿を消す。
見逃してあげたのは、顔見知りの最後の情けだろう。
しかしチェリーは、レリアが去った後もその場に立ち尽くしていた。
「レリアぁっ……」
その表情は何を思うか──。
「うわっほーい!」
エアルがぽーんと雲の上で跳ねる。
その姿は昨日までとは違い、少しずつ雲の扱いが様になってきているように見える。
「さすがだ! 飲み込みが早いな!」
「あははっ! 楽しくて!」
これも、ガレアが教えてくれたからだろう。
エアル達が『クラウディア雲上』に付いて一日。
今日も探索をするため出掛けたところ、街の入口でガレアと会ったのだ。
すると、雲の扱いに長けるらしいガレアが、立ち回りを教えてくれることになった。
「わふ~!」
「ぼぉ~!」
「うむ! ペット達も問題ないな!」
エアル同様、身体能力が優れるラフィ。
そもそも浮いているフレイ。
どちらもこの環境に付いていけそうだ。
「問題はあちらか」
「きゃー!」
ガレアが振り返った先で、リザは頭から雲に突っ込んでいる。
彼女も決して下手ではないが、周りの成長がありえないばかりほど速いばかりに置いてかれている。
もう少し時間がかかりそうだ。
それから──
「む。君は大丈夫なのか」
「……ええ」
チラリと視線を向けられたレリアも、見事に跳ねてみせる。
元より華麗な動きをする探索者だ。
やはりこの手のことはセンスが良い。
「え、じゃあ私だけ……?」
「はっは、大丈夫だ。君も上手だ」
「嫌味にしか聞こえないわよ!」
そんなことがありながらも、エアル達はこの日の探索を終える。
──だが、事件は街に戻ってから起きた。
「「「……ッ!」」」
入口に入ってすぐ、エアル達は目を見開いた。
街の物資を集めた場所が襲われていたのだ。
「どうして!」
「魔物避けの魔法は使っていたはず!」
対魔物には魔法、対人にはガレアの仲間が警備にあたっていた。
造りかけにしても、それなりに万全だったはずだ。
そんな中で一人、
「……っ!」
何かが過ったレリアはその場を走り出した──。
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