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第一章 ホシとペットと仲間と
第40話 自称アイドルの少女
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「ちょっとちょっとー! なんか面白そうなことやってんじゃない!」
フェニックスのいちごを暖房代わりにしていることを伝え、逆に暑い時はどうするのかと聞かれた──ちょうどその時。
やんちゃな声と共に、地下二階の扉を乱暴に開く音が聞こえた。
カメラも反応して入口方面を向く。
《なんだ!?》
《誰!?》
《新しい子!?》
そこに立っていたのは、一人の少女。
「あたしを置いて楽しむなんて、許さないわ!」
黒いカーディガンを羽織った、小学校高学年ぐらいの身長。
瞳と髪は澄んだブルーで、童顔も合わさって浮世離れした見た目だ。
姉さんの髪がツヤツヤって感じなら、この子の髪はサラサラって感じ。
その姿を確認してか、コメント欄が大いに沸く。
《ロリ!?》
《ロリきたあ!》
《誰だこのロリ!?》
《髪色すっげ》
《めっちゃ綺麗な水色!》
《光ってるやん!》
そんなコメントに彼女は一言。
「え。きしょ」
「おいおい、大切な視聴者だぞ。そんな言い方……って、あれ?」
急に放った辛辣な言葉。
だけど、反応は思っていたものと違った。
《助かる》
《口悪いロリ助かる》
《いきなりだなあw》
《子どもなら許せるw》
《悪口助かる》
《むしろご褒美》
「な、なんだこの流れ……」
中にはまともに『口悪くない?』と心配するコメントもあるけど、なぜか結構な数の視聴者が助かってしまっている。
俺にはあんまり理解ができなかった。
高校生の俺にはまだ早いのかな。
「おっと」
それはともかく。
今はこの状況を整理しなければ。
「とりあえず、帰ってきたんだな。おかえり」
「ええ! 今回も楽しかったわ!」
「それは何より。で、一応これは配信って言うんだけど──」
「知ってるわ! 遊びに行った先で見たもの!」
そう言うと、彼女は画角の中央に躍り出る。
そしてそのまま、ドヤ顔で自己紹介を始めた。
「あたしはこの家のアイドル『ブルーハワイ』よ!」
《ブルーハワイ!?》
《ブルーハワイちゃん!》
《すんごい名前w》
《見た目と合ってるけどw》
《ていうかアイドル!?》
「あ、アイドルはこいつが自称してるだけなんで気にしないでください」
「ちょっと! それを言うんじゃないわよ!」
「そんなん放置できるか」
《自称かよww》
《家主に認められてないじゃん笑》
《自分で言っちゃう感じねw》
《けどかわいいよ》
《今までどこにいたんだよー!》
《キャラ濃くて草》
色々とひどいけど、一応受け入れられたみたい。
そんな彼女に早速たくさんの質問が飛んでくる。
《ブルーハワイちゃんは何者?》
「ふふ~ん。仕方ないわね。そこまで気になるなら見せようかしらっ!」
ニンマリとした顔を浮かべたブルーハワイ。
自分のことを聞かれるのが嬉しいのかも。
「あたしはこれよっ!」
ブルーハワイは、羽織っていた黒カーディガンをバサっと後ろに放り投げる。
露わになった上半身は、涼しげな夏服。
ただ、下半身は不思議な光に包まれている。
「よーく見てなさい!」
カメラ目線でそう言うと、光は段々と薄くなっていき……
「じゃじゃーん!」
やがて綺麗な水色の鱗が出現した。
鱗は水分を帯びていて、彼女の体は地上からふんわりと浮いている。
ブルーハワイは再びカメラ目線で言い放つ。
「あたしは“セイレーン”よ!」
《うおおおお!》
《セイレーン!!》
《セイレーンきたあ!》
《ロリっ子口悪セイレーンはえぐいってww》
《とんでもない子きたなw》
《属性持ちすぎで草》
コメント欄は今日一の盛り上がりを見せる。
さらに、セイレーンの情報も上がってきた。
《セイレーンってSランク魔物やん!!》
《最強種の一角》
《海洋系魔物ではトップ層だぞ》
《この家、まじでどうなってんの!?》
そうしてブルーハワイは、カメラに人差し指を向けながら満足げに声を上げる。
「今日はあたしを覚えて帰るのね!」
フェニックスのいちごを暖房代わりにしていることを伝え、逆に暑い時はどうするのかと聞かれた──ちょうどその時。
やんちゃな声と共に、地下二階の扉を乱暴に開く音が聞こえた。
カメラも反応して入口方面を向く。
《なんだ!?》
《誰!?》
《新しい子!?》
そこに立っていたのは、一人の少女。
「あたしを置いて楽しむなんて、許さないわ!」
黒いカーディガンを羽織った、小学校高学年ぐらいの身長。
瞳と髪は澄んだブルーで、童顔も合わさって浮世離れした見た目だ。
姉さんの髪がツヤツヤって感じなら、この子の髪はサラサラって感じ。
その姿を確認してか、コメント欄が大いに沸く。
《ロリ!?》
《ロリきたあ!》
《誰だこのロリ!?》
《髪色すっげ》
《めっちゃ綺麗な水色!》
《光ってるやん!》
そんなコメントに彼女は一言。
「え。きしょ」
「おいおい、大切な視聴者だぞ。そんな言い方……って、あれ?」
急に放った辛辣な言葉。
だけど、反応は思っていたものと違った。
《助かる》
《口悪いロリ助かる》
《いきなりだなあw》
《子どもなら許せるw》
《悪口助かる》
《むしろご褒美》
「な、なんだこの流れ……」
中にはまともに『口悪くない?』と心配するコメントもあるけど、なぜか結構な数の視聴者が助かってしまっている。
俺にはあんまり理解ができなかった。
高校生の俺にはまだ早いのかな。
「おっと」
それはともかく。
今はこの状況を整理しなければ。
「とりあえず、帰ってきたんだな。おかえり」
「ええ! 今回も楽しかったわ!」
「それは何より。で、一応これは配信って言うんだけど──」
「知ってるわ! 遊びに行った先で見たもの!」
そう言うと、彼女は画角の中央に躍り出る。
そしてそのまま、ドヤ顔で自己紹介を始めた。
「あたしはこの家のアイドル『ブルーハワイ』よ!」
《ブルーハワイ!?》
《ブルーハワイちゃん!》
《すんごい名前w》
《見た目と合ってるけどw》
《ていうかアイドル!?》
「あ、アイドルはこいつが自称してるだけなんで気にしないでください」
「ちょっと! それを言うんじゃないわよ!」
「そんなん放置できるか」
《自称かよww》
《家主に認められてないじゃん笑》
《自分で言っちゃう感じねw》
《けどかわいいよ》
《今までどこにいたんだよー!》
《キャラ濃くて草》
色々とひどいけど、一応受け入れられたみたい。
そんな彼女に早速たくさんの質問が飛んでくる。
《ブルーハワイちゃんは何者?》
「ふふ~ん。仕方ないわね。そこまで気になるなら見せようかしらっ!」
ニンマリとした顔を浮かべたブルーハワイ。
自分のことを聞かれるのが嬉しいのかも。
「あたしはこれよっ!」
ブルーハワイは、羽織っていた黒カーディガンをバサっと後ろに放り投げる。
露わになった上半身は、涼しげな夏服。
ただ、下半身は不思議な光に包まれている。
「よーく見てなさい!」
カメラ目線でそう言うと、光は段々と薄くなっていき……
「じゃじゃーん!」
やがて綺麗な水色の鱗が出現した。
鱗は水分を帯びていて、彼女の体は地上からふんわりと浮いている。
ブルーハワイは再びカメラ目線で言い放つ。
「あたしは“セイレーン”よ!」
《うおおおお!》
《セイレーン!!》
《セイレーンきたあ!》
《ロリっ子口悪セイレーンはえぐいってww》
《とんでもない子きたなw》
《属性持ちすぎで草》
コメント欄は今日一の盛り上がりを見せる。
さらに、セイレーンの情報も上がってきた。
《セイレーンってSランク魔物やん!!》
《最強種の一角》
《海洋系魔物ではトップ層だぞ》
《この家、まじでどうなってんの!?》
そうしてブルーハワイは、カメラに人差し指を向けながら満足げに声を上げる。
「今日はあたしを覚えて帰るのね!」
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