33 / 78
第一章 ホシとペットと仲間と
第33話 正妻戦争
しおりを挟む
後日。
「なにこれ」
綺麗なテーブルクロスが敷かれたテーブルの上で、ホシは不思議そうな顔を浮かばせながらつぶやいた。
ここはホシの家、リビングだ。
《うおおおおお!!》
《きたああああ!!》
《盛り上がって来たぜ!!》
《企画から神だろ》
《だよなあ》
《正 妻 戦 争》
《ヒカリちゃんも呼べばなあ》
《ヒカリちゃんの復帰はまだでしょ》
《じゃあ何でホシ君は普通にいんのw》
《ホシ君いないと企画成立しないだろ》
配信は始まっており、すでに視聴者数は10万人を超える。
行っているのはホシのチャンネルだ。
「あの、お二人さん? 気合い入り過ぎでは?」
ホシは目の前の二人にそーっと尋ねた。
「当たり前じゃない!」
「当たり前でしょ!」
答えたのはエリカ、そしてナナミだ。
《めっちゃ気合い入ってるww》
《これは負けられない戦い》
《でもナナミンに勝機あるんか?》
《正直あんま見えない》
《敵が強大すぎる》
《でも未知数っちゃ未知数》
《ナナミンがんばれー!!》
《お姉さん応援してる!》
《エリママ~》
《ナナミちゃん!!》
二人の様子にコメント欄も大盛り上がり。
今日の配信タイトルからワクワクが隠せていないのだ。
ホシはふぅと一息つき、椅子に背中を預けた。
「まあいっか。美味しければ」
配信タイトルは『天の川ナナミVSエリカ 料理対決』。
ナナミが提案したのは、まさかのエリカとの直接対決だった。
「キュイ」
「ワフ」
審査員はホシ、めろん、わたあめ。
それぞれ出された料理で、どちらの方が美味しかったかを判定する。
だが、エリカとナナミの想いは一つ。
(ホシ君に選んでほしい!)
(ホシに選ばせてやる!)
二人は早速料理に取り掛かる。
しかし、コメント欄はいきなりの不穏。
《うわあ!》
《まじかあーーー》
《これは大人げねえ》
《勝負あったかもな》
《さすがに……》
《ナナミン;;》
その様子に、ナナミはチラッとエリカの行程を覗き見る。
(なに? って、あれは……!)
「ふんふふ~ん」
エリカは丸い赤身のものを作っている。
間違いない。
十八番の「エリカのハンバーグ」だ。
エリカは当然ナナミの視線にも気づいている。
(勝負あったかしら。待っててね、ホシ君♡)
すでに勝ちを確信しているようだ。
それでもナナミは手を止めない
(そんなの知ってたことだ!)
「わたしだって……!」
そうして、両者の料理が出揃った。
「わたしだって……!」
隣のエリカが、ホシの大好きなハンバーグを作っているのも分かりながら、ナナミは諦めずに料理に向かう。
そうして、両者の料理が出揃った。
「はい、ホシ君!」
先に皿を並べたのはエリカ。
やはり料理は「エリカのハンバーグ」のようだ。
庶民的料理からダンジョン産高級料理まで、ありとあらゆるものをこなす凄腕の料理人エリカの、十八番とも呼べる料理である。
《出たああああ》
《エリカのハンバーグ!!》
《ハンバーグの罪は重いよ》
《うまそおおお》
《食べてえ……》
《ずるいぞホシ君!》
すでに界隈でも伝説になりつつあるこの料理。
言わずもがな、「ハンバーグの罪は重いよ」というホシの名(迷)言から神格化されている料理だ。
ホシのSNSのDMには、毎日何百件も「通販してくれ」と届くほどである。
「熱いからゆっくりね♡」
「はいはい」
るんっとした笑顔を浮かべるエリカ。
ホシはテキトーにあしらいながらも、ハンバーグを口に運んだ。
「どうかな?」
「……お、美味しいよ」
「やったー!」
「ちょっ、離れてって!」
エリカの口角はぐいーんと上がり、いつものように抱き着く。
ホシにしか見せないであろう甘いお姉さんの表情だ。
《ホシ君照れてる》
《お姉ちゃんめっちゃ嬉しそうw》
《ずりいぞ!!》
《俺も抱き着かれてー!》
《これは……》
《さすがに勝負あったか?》
コメント欄でも決まったかのような雰囲気が流れる。
そんな中で、次はナナミの料理のお披露目だ。
「……っ」
きゅっと口に力が入りながら、ホシの前に料理を出す。
だが、エリカとは違い、ナナミは少し恥ずかしげだ。
「わ、私は……これ」
「おお~」
そうして、ナナミがテーブルに並べたのは──。
「なにこれ」
綺麗なテーブルクロスが敷かれたテーブルの上で、ホシは不思議そうな顔を浮かばせながらつぶやいた。
ここはホシの家、リビングだ。
《うおおおおお!!》
《きたああああ!!》
《盛り上がって来たぜ!!》
《企画から神だろ》
《だよなあ》
《正 妻 戦 争》
《ヒカリちゃんも呼べばなあ》
《ヒカリちゃんの復帰はまだでしょ》
《じゃあ何でホシ君は普通にいんのw》
《ホシ君いないと企画成立しないだろ》
配信は始まっており、すでに視聴者数は10万人を超える。
行っているのはホシのチャンネルだ。
「あの、お二人さん? 気合い入り過ぎでは?」
ホシは目の前の二人にそーっと尋ねた。
「当たり前じゃない!」
「当たり前でしょ!」
答えたのはエリカ、そしてナナミだ。
《めっちゃ気合い入ってるww》
《これは負けられない戦い》
《でもナナミンに勝機あるんか?》
《正直あんま見えない》
《敵が強大すぎる》
《でも未知数っちゃ未知数》
《ナナミンがんばれー!!》
《お姉さん応援してる!》
《エリママ~》
《ナナミちゃん!!》
二人の様子にコメント欄も大盛り上がり。
今日の配信タイトルからワクワクが隠せていないのだ。
ホシはふぅと一息つき、椅子に背中を預けた。
「まあいっか。美味しければ」
配信タイトルは『天の川ナナミVSエリカ 料理対決』。
ナナミが提案したのは、まさかのエリカとの直接対決だった。
「キュイ」
「ワフ」
審査員はホシ、めろん、わたあめ。
それぞれ出された料理で、どちらの方が美味しかったかを判定する。
だが、エリカとナナミの想いは一つ。
(ホシ君に選んでほしい!)
(ホシに選ばせてやる!)
二人は早速料理に取り掛かる。
しかし、コメント欄はいきなりの不穏。
《うわあ!》
《まじかあーーー》
《これは大人げねえ》
《勝負あったかもな》
《さすがに……》
《ナナミン;;》
その様子に、ナナミはチラッとエリカの行程を覗き見る。
(なに? って、あれは……!)
「ふんふふ~ん」
エリカは丸い赤身のものを作っている。
間違いない。
十八番の「エリカのハンバーグ」だ。
エリカは当然ナナミの視線にも気づいている。
(勝負あったかしら。待っててね、ホシ君♡)
すでに勝ちを確信しているようだ。
それでもナナミは手を止めない
(そんなの知ってたことだ!)
「わたしだって……!」
そうして、両者の料理が出揃った。
「わたしだって……!」
隣のエリカが、ホシの大好きなハンバーグを作っているのも分かりながら、ナナミは諦めずに料理に向かう。
そうして、両者の料理が出揃った。
「はい、ホシ君!」
先に皿を並べたのはエリカ。
やはり料理は「エリカのハンバーグ」のようだ。
庶民的料理からダンジョン産高級料理まで、ありとあらゆるものをこなす凄腕の料理人エリカの、十八番とも呼べる料理である。
《出たああああ》
《エリカのハンバーグ!!》
《ハンバーグの罪は重いよ》
《うまそおおお》
《食べてえ……》
《ずるいぞホシ君!》
すでに界隈でも伝説になりつつあるこの料理。
言わずもがな、「ハンバーグの罪は重いよ」というホシの名(迷)言から神格化されている料理だ。
ホシのSNSのDMには、毎日何百件も「通販してくれ」と届くほどである。
「熱いからゆっくりね♡」
「はいはい」
るんっとした笑顔を浮かべるエリカ。
ホシはテキトーにあしらいながらも、ハンバーグを口に運んだ。
「どうかな?」
「……お、美味しいよ」
「やったー!」
「ちょっ、離れてって!」
エリカの口角はぐいーんと上がり、いつものように抱き着く。
ホシにしか見せないであろう甘いお姉さんの表情だ。
《ホシ君照れてる》
《お姉ちゃんめっちゃ嬉しそうw》
《ずりいぞ!!》
《俺も抱き着かれてー!》
《これは……》
《さすがに勝負あったか?》
コメント欄でも決まったかのような雰囲気が流れる。
そんな中で、次はナナミの料理のお披露目だ。
「……っ」
きゅっと口に力が入りながら、ホシの前に料理を出す。
だが、エリカとは違い、ナナミは少し恥ずかしげだ。
「わ、私は……これ」
「おお~」
そうして、ナナミがテーブルに並べたのは──。
568
お気に入りに追加
1,422
あなたにおすすめの小説

姉(勇者)の威光を借りてニート生活を送るつもりだったのに、姉より強いのがバレて英雄になったんだが!?
果 一
ファンタジー
リクスには、最強の姉がいる。
王国最強と唄われる勇者で、英雄学校の生徒会長。
類い希なる才能と美貌を持つ姉の威光を笠に着て、リクスはとある野望を遂行していた。
『ビバ☆姉さんのスネをかじって生きよう計画!』
何を隠そうリクスは、引きこもりのタダ飯喰らいを人生の目標とする、極めて怠惰な少年だったのだ。
そんな弟に嫌気がさした姉エルザは、ある日リクスに告げる。
「私の通う英雄学校の編入試験、リクスちゃんの名前で登録しておいたからぁ」
その時を境に、リクスの人生は大きく変化する。
英雄学校で様々な事件に巻き込まれ、誰もが舌を巻くほどの強さが露わになって――?
これは、怠惰でろくでなしで、でもちょっぴり心優しい少年が、姉を越える英雄へと駆け上がっていく物語。
※本作はカクヨム・ノベルアップ+・ネオページでも公開しています。カクヨム・ノベルアップ+でのタイトルは『姉(勇者)の威光を借りてニート生活を送るつもりだったのに、姉より強いのがバレて英雄になったんだが!?~穀潰し生活のための奮闘が、なぜか賞賛される流れになった件~』となります。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう
果 一
ファンタジー
目立つことが大嫌いな男子高校生、篠村暁斗の通う学校には、アイドルがいる。
名前は芹なずな。学校一美人で現役アイドル、さらに有名ダンジョン配信者という勝ち組人生を送っている女の子だ。
日夜、ぼんやりと空を眺めるだけの暁斗とは縁のない存在。
ところが、ある日暁斗がダンジョンの下層でひっそりとモンスター狩りをしていると、SSクラスモンスターのワイバーンに襲われている小規模パーティに遭遇する。
この期に及んで「目立ちたくないから」と見捨てるわけにもいかず、暁斗は隠していた実力を解放して、ワイバーンを一撃粉砕してしまう。
しかし、近くに倒れていたアイドル配信者の芹なずなに目撃されていて――
しかも、その一部始終は生放送されていて――!?
《ワイバーン一撃で倒すとか異次元過ぎw》
《さっき見たらツイットーのトレンドに上がってた。これ、明日のネットニュースにも載るっしょ絶対》
SNSでバズりにバズり、さらには芹なずなにも正体がバレて!?
暁斗の陰キャ自由ライフは、瞬く間に崩壊する!
※本作は小説家になろう・カクヨムでも公開しています。両サイトでのタイトルは『目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう~バズりまくって陰キャ生活が無事終了したんだが~』となります。
※この作品はフィクションです。実在の人物•団体•事件•法律などとは一切関係ありません。あらかじめご了承ください。

ド田舎からやってきた少年、初めての大都会で無双する~今まで遊び場にしていたダンジョンは、攻略不可能の規格外ダンジョンだったみたい〜
むらくも航
ファンタジー
ド田舎の村で育った『エアル』は、この日旅立つ。
幼少の頃、おじいちゃんから聞いた話に憧れ、大都会で立派な『探索者』になりたいと思ったからだ。
そんなエアルがこれまでにしてきたことは、たった一つ。
故郷にあるダンジョンで体を動かしてきたことだ。
自然と共に生き、魔物たちとも触れ合ってきた。
だが、エアルは知らない。
ただの“遊び場”と化していたダンジョンは、攻略不可能のSSSランクであることを。
遊び相手たちは、全て最低でもAランクオーバーの凶暴な魔物たちであることを。
これは、故郷のダンジョンで力をつけすぎた少年エアルが、大都会で無自覚に無双し、羽ばたいていく物語──。

辻ダンジョン掃除が趣味の底辺社畜、迷惑配信者が汚したダンジョンを掃除していたらうっかり美少女アイドルの配信に映り込み神バズりしてしまう
なっくる
ファンタジー
ダンジョン攻略配信が定着した日本、迷惑配信者が世間を騒がせていた。主人公タクミはダンジョン配信視聴とダンジョン掃除が趣味の社畜。
だが美少女アイドルダンジョン配信者の生配信に映り込んだことで、彼の運命は大きく変わる。実はレアだったお掃除スキルと人間性をダンジョン庁に評価され、美少女アイドルと共にダンジョンのイメージキャラクターに抜擢される。自身を慕ってくれる美少女JKとの楽しい毎日。そして超進化したお掃除スキルで迷惑配信者を懲らしめたことで、彼女と共にダンジョン界屈指の人気者になっていく。
バラ色人生を送るタクミだが……迷惑配信者の背後に潜む陰謀がタクミたちに襲い掛かるのだった。
※他サイトでも掲載しています

【完結】小さなフェンリルを拾ったので、脱サラして配信者になります~強さも可愛さも無双するモフモフがバズりまくってます。目指せスローライフ!〜
むらくも航
ファンタジー
ブラック企業で働き、心身が疲労している『低目野やすひろ』。彼は苦痛の日々に、とにかく“癒し”を求めていた。
そんな時、やすひろは深夜の夜道で小犬のような魔物を見つける。これが求めていた癒しだと思った彼は、小犬を飼うことを決めたのだが、実は小犬の正体は伝説の魔物『フェンリル』だったらしい。
それをきっかけに、エリートの友達に誘われ配信者を始めるやすひろ。結果、強さでも無双、可愛さでも無双するフェンリルは瞬く間にバズっていき、やすひろはある決断をして……?
のんびりほのぼのとした現代スローライフです。
他サイトにも掲載中。

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~
芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。
駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。
だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。
彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。
経験値も金にもならないこのダンジョン。
しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。
――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

羨んでいたダンジョンはおれが勇者として救った異世界に酷似している~帰還した現代では無職業(ノージョブ)でも異世界で培った力で成り上がる~
むらくも航
ファンタジー
☆カクヨムにてでローファンタジー部門最高日間3位、週間4位を獲得!
【第1章完結】ダンジョン出現後、職業(ジョブ)持ちが名乗りを上げる中、無職業(ノージョブ)のおれはダンジョンを疎んでいた。しかし異世界転生を経て、帰還してみればダンジョンのあらゆるものが見たことのあるものだった。
現代では、まだそこまでダンジョン探索は進んでいないようだ。その中でおれは、異世界で誰も知らない事まで知っている。これなら無職業(ノージョブ)のおれもダンジョンに挑める。おれはダンジョンで成り上がる。
これは勇者として異世界を救った、元負け組天野 翔(あまの かける)が異世界で得た力で現代ダンジョンに挑む物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる