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第一章 ホシとペットと仲間と
第24話 “罪”
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「ど、どうして……」
仕留めたはずのスケルトンキングに、ヒカリは冷や汗を流す。
「──ヴオオオオオオオォォォ……!」
「なに、あれ……」
そして、目にしてしまったのだ。
スケルトンキングの胸あたりに「光る心臓」を。
つまり、この個体はイレギュラー。
『魔核持ち』だったのだ。
「ヴオオオオッ!!」
「くうぅっ!」
だが、世間には知られていない魔核の存在。
ヒカリも魔核の知識はなかった。
(急に強くなった……!?)
今のスケルトンキングは、めろん・わたあめでいう巨大化の状態。
通常時で互角だったヒカリに勝ち目はない。
「ヴオオオッ!」
「なっ!」
しかも、入口を扉を破壊されてしまった。
これでは地上へ戻ることはできない。
《ヒカリちゃん!》
《なんだよこれ!》
《勝ったんじゃねえのかよ!》
《逃げて!》
《後ろしかない!》
《ちょっとコメントしてくる!耐えててくれ!》
「でも、後ろは……」
「──ヴオオオオオオッ!!」
「くっ!」
(仕方ない……!)
ヒカリは後ろへ飛び込んだ。
しかしそこは──深層への入口。
「ハァ、ハァッ!」
「──ヴオオオォォォッ!」
「まだ追ってくるの……!」
深層へ入り、命からがらに逃げ惑うヒカリ。
《ヒカリちゃん!》
《どうにかならないのかよ!》
《こんな場所無理だろ!》
《誰か呼びに行ったんじゃねえのか!?》
《誰がこんなとこ来るんだよ!》
「……ッ!」
腹を抑え、足を挫きながらでは限界も近い。
思い返すのは配信をする理由だ。
(お母さん……)
ヒカリがここまで目立つことに拘るのは母。
彼女の母は幼い頃にいなくなる。
育ての親の元へ預けられたのだ。
その時は捨てられたのだと思った。
だけど、年数が経って自分の家が貧乏だったことに気づいた。
ヒカリは考え直した。
もしかしたら、惨めな思いをさせないために、わざと違う家へ置いて行ったのではないかと。
(届けなきゃ。私の今の姿を……!)
だから、今もどこかで見ているかもしれない母に向けて。
自分が頑張っていることを届けるため、彼女は常に一番でなくてはならない。
だが、
「ヴオオオォォォッ!」
「ヴォアアァァァッ!」
「ガアアアアアアッ!」
スケルトンキングに加え、周りにはさらなる深層の化け物たち。
「……ハァ、ハァ」
逃げ場はもう無い。
ヒカリの足は止まってしまった。
最後に思うのは母に向けての言葉。
(今までの活動が届いたらいいな)
そう心に思って目を閉じた。
「──ヴオオオォォォッ!」
大きく振りかぶったスケルトンキングの大剣。
それはヒカリに届く──ことはなかった。
──カァァンッ!
《!?》
《え?》
《何の音?》
《おい、うそだろ……》
《まじかよ》
《そんなことが》
すでに「残虐描写モード」をONにしていたカメラが、すーっと高画質に変わっていく。
「大丈夫?」
「……え?」
聞こえるはずのない人の声が聞こえ、ヒカリは目を開く。
視線の先にいたのは──
「彦根、ホシ……?」
ライバルの彦根ホシだった。
《うわああああああ!!》
《彦根ホシ!?》
《まじで!?》
《きたあああああ!》
《ありがとう!!》
《まじで泣いてる》
《本物かよ!!》
《お前しかいねえ!》
彼の登場にコメントがあふれかえる。
それを気にすることなく、ホシはヒカリに手を差し伸べた。
「立てる?」
「え、ええ……」
でも、おかしい。
彼は違う場所で配信を行っていたはず。
ヒカリはその疑問を拭いきれない。
けどそれ以上に、気になる事があった。
「ちょっと待ってて」
「……!?」
配信の時とは違った少し静かな雰囲気のホシ。
その声は怒っているようで、どこか悲しみも持っているかのようだ。
魔物たちを見上げたホシは口を開く。
「ハンバーグの罪は重いよ」
仕留めたはずのスケルトンキングに、ヒカリは冷や汗を流す。
「──ヴオオオオオオオォォォ……!」
「なに、あれ……」
そして、目にしてしまったのだ。
スケルトンキングの胸あたりに「光る心臓」を。
つまり、この個体はイレギュラー。
『魔核持ち』だったのだ。
「ヴオオオオッ!!」
「くうぅっ!」
だが、世間には知られていない魔核の存在。
ヒカリも魔核の知識はなかった。
(急に強くなった……!?)
今のスケルトンキングは、めろん・わたあめでいう巨大化の状態。
通常時で互角だったヒカリに勝ち目はない。
「ヴオオオッ!」
「なっ!」
しかも、入口を扉を破壊されてしまった。
これでは地上へ戻ることはできない。
《ヒカリちゃん!》
《なんだよこれ!》
《勝ったんじゃねえのかよ!》
《逃げて!》
《後ろしかない!》
《ちょっとコメントしてくる!耐えててくれ!》
「でも、後ろは……」
「──ヴオオオオオオッ!!」
「くっ!」
(仕方ない……!)
ヒカリは後ろへ飛び込んだ。
しかしそこは──深層への入口。
「ハァ、ハァッ!」
「──ヴオオオォォォッ!」
「まだ追ってくるの……!」
深層へ入り、命からがらに逃げ惑うヒカリ。
《ヒカリちゃん!》
《どうにかならないのかよ!》
《こんな場所無理だろ!》
《誰か呼びに行ったんじゃねえのか!?》
《誰がこんなとこ来るんだよ!》
「……ッ!」
腹を抑え、足を挫きながらでは限界も近い。
思い返すのは配信をする理由だ。
(お母さん……)
ヒカリがここまで目立つことに拘るのは母。
彼女の母は幼い頃にいなくなる。
育ての親の元へ預けられたのだ。
その時は捨てられたのだと思った。
だけど、年数が経って自分の家が貧乏だったことに気づいた。
ヒカリは考え直した。
もしかしたら、惨めな思いをさせないために、わざと違う家へ置いて行ったのではないかと。
(届けなきゃ。私の今の姿を……!)
だから、今もどこかで見ているかもしれない母に向けて。
自分が頑張っていることを届けるため、彼女は常に一番でなくてはならない。
だが、
「ヴオオオォォォッ!」
「ヴォアアァァァッ!」
「ガアアアアアアッ!」
スケルトンキングに加え、周りにはさらなる深層の化け物たち。
「……ハァ、ハァ」
逃げ場はもう無い。
ヒカリの足は止まってしまった。
最後に思うのは母に向けての言葉。
(今までの活動が届いたらいいな)
そう心に思って目を閉じた。
「──ヴオオオォォォッ!」
大きく振りかぶったスケルトンキングの大剣。
それはヒカリに届く──ことはなかった。
──カァァンッ!
《!?》
《え?》
《何の音?》
《おい、うそだろ……》
《まじかよ》
《そんなことが》
すでに「残虐描写モード」をONにしていたカメラが、すーっと高画質に変わっていく。
「大丈夫?」
「……え?」
聞こえるはずのない人の声が聞こえ、ヒカリは目を開く。
視線の先にいたのは──
「彦根、ホシ……?」
ライバルの彦根ホシだった。
《うわああああああ!!》
《彦根ホシ!?》
《まじで!?》
《きたあああああ!》
《ありがとう!!》
《まじで泣いてる》
《本物かよ!!》
《お前しかいねえ!》
彼の登場にコメントがあふれかえる。
それを気にすることなく、ホシはヒカリに手を差し伸べた。
「立てる?」
「え、ええ……」
でも、おかしい。
彼は違う場所で配信を行っていたはず。
ヒカリはその疑問を拭いきれない。
けどそれ以上に、気になる事があった。
「ちょっと待ってて」
「……!?」
配信の時とは違った少し静かな雰囲気のホシ。
その声は怒っているようで、どこか悲しみも持っているかのようだ。
魔物たちを見上げたホシは口を開く。
「ハンバーグの罪は重いよ」
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