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第一章 ホシとペットと仲間と
第18話 子犬のわたあめ
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「クォ~~~~~~~ン!!」
白い子犬──わたあめが遠吠えを上げた。
さらに、それに反応するように、わたあめの体はどんどんと大きく、どんどんと強靭になっていく。
そして、
「ウォ~~~~~~ン!」
どこからともなく、わたあめに雷が落ちる。
轟音と共に広がった衝撃は、ダンジョン全域に響き渡った。
「ウォフ」
すっかり鋭くなった目付き。
わたあめは王者の風格でワイバーンをじっと見つめる。
雷による電流はもふもふな毛並みを逆立たせ、バチバチっと体外で帯びる。
それはまるで雷そのものを纏っているかのよう。
これがわたあめの戦う時の姿だ。
《うおお!?》
《なんだ!?》
《大きくなった!!》
《かっけええ!》
《バチバチしてるぞ!》
《ていうか、これって……》
この変貌にコメント欄は一気に様子を変える。
今までは「かわいい」で溢れていたのが一気に「かっこいい」へ。
めろんが大きくなった時と同じだ。
「わたあめ。こっちを向いて」
「ウォフ」
わたあめがカメラに目を向ける。
そこでコメントがさらに加速した。
《この姿!》
《フェンリル!?》
《フェンリルだー!》
《やっぱそうじゃねえか!》
《まじかよ!》
《やっぱただの子犬じゃねじゃんwww》
《散歩感覚で伝説の魔物連れてくんなww》
「……え? フェ、フェンリル?」
だけど、俺はなんのことだかさっぱり。
この様子にもツッコミが入る。
《またこの流れw》
《前に見たな》
《フェンリルだって事を知らなかったんだよな》
何を期待しているかは分からないけど、俺は素直に聞いてみる。
「……あの、フェンリルってなんですか?」
《!?》
《そっちかーい!w》
《フェンリルそのものを知らなくて草》
《お前フェンリルだったのか、じゃないのね》
「クゥ~ン……」
「ごめんごめん、そんなつもりはないんだ」
《わたあめ泣いてるよ》
《自分の種族知られてないもんなw》
《かわいそう》
《伝説の種族だぞ?w》
「え、伝説の種族? わたあめが?」
《そうだよ!》
《Sランク魔物だぞ!》
《ドラゴンと並ぶ最強種》
《速さはフェンリルの方が上だと思う》
《力のドラゴン、速さのフェンリルって感じ》
《最強種の一角》
並んだ情報に俺は目を開かせた。
「へー! おめぇすっげなぁ!」
《おいw》
《孫〇空で草》
《サイ〇人なんなw》
「そういうことなら! いけ、フェンリル! フェンリルの君ならできる!」
《急に使うやんw》
《連呼で草》
《ポケ〇ンバトルすなw》
《新しい言葉知った小学生みたい》
「ウォフ!」
そうして、わたあめは手足にぐっと力を込める。
「ギャオオオオオオオ!!」
「ウォ~~~~~~ン!!」
ワイバーンとわたあめ、お互いに咆哮し合い、戦闘準備が整う。
いよいよ始まるみたいだ。
「ウゥゥ……」
どちらが先に仕掛けるか。
互いに様子を窺う中──わたあめが消えた。
「ウォッ!」
「──ギャオッ!?」
かと思えば、次の瞬間にはワイバーンが勢いよく地面に叩きつけられた。
代わりに、今までワイバーンがいた場所にはわたあめが姿を見せる。
《!?》
《は!?》
《どういうこと!?》
《何が起こった!?》
《なんにも見えなかったぞ!》
「おー。壁を蹴って背後を取ったか」
《え?》
《見えてんのかよw》
《何でお前は見えてんだw》
《ホシ君は目で追えてるんだ笑》
《全然追えんかった》
《カメラも追いついてないのに》
「ん?」
みんなは見えてなかったのか。
どうやらカメラが追いついてなかったらしい。
どこか故障したのかな……頑張れカメラ。
「ギャ、オオ……」
「ウォフ」
だけど、翼を広げて再度立ち上がろうとするワイバーン。
まだ完全には仕留めてなかったらしい。
《なんか同情しちゃう》
《ワイ君がんばれ》
《立てー! ワイバーン!》
「ちょっと、応援する方違いますよ!?」
そしてそれが、なぜかワイバーンを応援する流れに発展する。
《わたあめ頑張れー!》
《これは余裕か?》
《強すぎるな》
《めろんと同等……?》
《それぐらいかも》
《まじかよ最強やん》
まあ、大半の視聴者はわたあめを応援してくれているので、ワイバーンを応援するのも一種の芸なのかな。
そういうことにしておこう。
「ギャオォ……」
「ウォフゥ……」
そうして、なんとか起き上がるワイバーン。
わたあめはバチバチッと電流をほとばしらせながら、じっと様子をうかがう。
その様子に、俺はつぶやいた。
「次で決まりますね」
白い子犬──わたあめが遠吠えを上げた。
さらに、それに反応するように、わたあめの体はどんどんと大きく、どんどんと強靭になっていく。
そして、
「ウォ~~~~~~ン!」
どこからともなく、わたあめに雷が落ちる。
轟音と共に広がった衝撃は、ダンジョン全域に響き渡った。
「ウォフ」
すっかり鋭くなった目付き。
わたあめは王者の風格でワイバーンをじっと見つめる。
雷による電流はもふもふな毛並みを逆立たせ、バチバチっと体外で帯びる。
それはまるで雷そのものを纏っているかのよう。
これがわたあめの戦う時の姿だ。
《うおお!?》
《なんだ!?》
《大きくなった!!》
《かっけええ!》
《バチバチしてるぞ!》
《ていうか、これって……》
この変貌にコメント欄は一気に様子を変える。
今までは「かわいい」で溢れていたのが一気に「かっこいい」へ。
めろんが大きくなった時と同じだ。
「わたあめ。こっちを向いて」
「ウォフ」
わたあめがカメラに目を向ける。
そこでコメントがさらに加速した。
《この姿!》
《フェンリル!?》
《フェンリルだー!》
《やっぱそうじゃねえか!》
《まじかよ!》
《やっぱただの子犬じゃねじゃんwww》
《散歩感覚で伝説の魔物連れてくんなww》
「……え? フェ、フェンリル?」
だけど、俺はなんのことだかさっぱり。
この様子にもツッコミが入る。
《またこの流れw》
《前に見たな》
《フェンリルだって事を知らなかったんだよな》
何を期待しているかは分からないけど、俺は素直に聞いてみる。
「……あの、フェンリルってなんですか?」
《!?》
《そっちかーい!w》
《フェンリルそのものを知らなくて草》
《お前フェンリルだったのか、じゃないのね》
「クゥ~ン……」
「ごめんごめん、そんなつもりはないんだ」
《わたあめ泣いてるよ》
《自分の種族知られてないもんなw》
《かわいそう》
《伝説の種族だぞ?w》
「え、伝説の種族? わたあめが?」
《そうだよ!》
《Sランク魔物だぞ!》
《ドラゴンと並ぶ最強種》
《速さはフェンリルの方が上だと思う》
《力のドラゴン、速さのフェンリルって感じ》
《最強種の一角》
並んだ情報に俺は目を開かせた。
「へー! おめぇすっげなぁ!」
《おいw》
《孫〇空で草》
《サイ〇人なんなw》
「そういうことなら! いけ、フェンリル! フェンリルの君ならできる!」
《急に使うやんw》
《連呼で草》
《ポケ〇ンバトルすなw》
《新しい言葉知った小学生みたい》
「ウォフ!」
そうして、わたあめは手足にぐっと力を込める。
「ギャオオオオオオオ!!」
「ウォ~~~~~~ン!!」
ワイバーンとわたあめ、お互いに咆哮し合い、戦闘準備が整う。
いよいよ始まるみたいだ。
「ウゥゥ……」
どちらが先に仕掛けるか。
互いに様子を窺う中──わたあめが消えた。
「ウォッ!」
「──ギャオッ!?」
かと思えば、次の瞬間にはワイバーンが勢いよく地面に叩きつけられた。
代わりに、今までワイバーンがいた場所にはわたあめが姿を見せる。
《!?》
《は!?》
《どういうこと!?》
《何が起こった!?》
《なんにも見えなかったぞ!》
「おー。壁を蹴って背後を取ったか」
《え?》
《見えてんのかよw》
《何でお前は見えてんだw》
《ホシ君は目で追えてるんだ笑》
《全然追えんかった》
《カメラも追いついてないのに》
「ん?」
みんなは見えてなかったのか。
どうやらカメラが追いついてなかったらしい。
どこか故障したのかな……頑張れカメラ。
「ギャ、オオ……」
「ウォフ」
だけど、翼を広げて再度立ち上がろうとするワイバーン。
まだ完全には仕留めてなかったらしい。
《なんか同情しちゃう》
《ワイ君がんばれ》
《立てー! ワイバーン!》
「ちょっと、応援する方違いますよ!?」
そしてそれが、なぜかワイバーンを応援する流れに発展する。
《わたあめ頑張れー!》
《これは余裕か?》
《強すぎるな》
《めろんと同等……?》
《それぐらいかも》
《まじかよ最強やん》
まあ、大半の視聴者はわたあめを応援してくれているので、ワイバーンを応援するのも一種の芸なのかな。
そういうことにしておこう。
「ギャオォ……」
「ウォフゥ……」
そうして、なんとか起き上がるワイバーン。
わたあめはバチバチッと電流をほとばしらせながら、じっと様子をうかがう。
その様子に、俺はつぶやいた。
「次で決まりますね」
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