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第67話 それぞれの「長」
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フェンリルの里長と、インフィニティスライムの親玉。
ついに両者が向かい合った。
はじめに口を開いたのは、里長さん。
「すまなかった」
「里長さん……!」
里長さんはそう言いながら、頭を下げる。
「そ、そんな! 僕だってフェンリルさんと仲の良い種族たちを──」
「わしとて、思うところがないわけでない」
「……!」
スライムさんの言葉に割り込むよう、里長さんが言葉を続ける。
やはり思うところはあるようだ。
「実際、お主らインフィニティスライムと戦って散っていった者は我らと仲が良かった」
「うん……」
「じゃが、お主らは悪くない」
「え?」
里長さんは顔を上げる。
「お主らは種族を守った。ただそれだけのことじゃ」
「フェンリルさん……」
さらに、
「クォン!」
「ウォフ!」
「大丈夫じゃ」
里長さんは、護衛の声に振り返ることなく俺の横を通り過ぎていく。
インフィニティスライムの親玉、スライムさんに近寄った形だ。
「大変だったであろう。迷惑をかけたな」
「フェンリルさん……!」
「お主らは被害者じゃ。改めて非礼を詫びよう」
「そんな……!」
里長さんの言葉に、スライムさんの目元にぷっくらと浮かぶものが。
七色の体に浮かぶ透明な液体。
おそらく涙なんだろうな。
「僕の方こそ、ごめんなさい……!」
「素直に良い、と諦めることは出来ぬ。じゃが、お主らも辛かったであろう」
「うわーん!」
スライムさんは声を上げて泣いた。
『お前……すげえな』
「何がだよ」
それを眺めていた中、えりとから通信が入る。
褒められたみたいだ。
『お前にしかできないと思ってよ』
「さあな」
そう言いながら、ふと上を見上げた。
高い木々からの木漏れ日が、気持ち良く辺りを照らす。
そんな中で、里長さんとスライムさんはついに手を交わした。
「インフィニティスライムよ」
「フェンリルさん」
里長さんの前脚、スライムさんから伸びた触手。
幻想的な景色の中で二つが交わる。
それは、戦いが始まらないことを表していた。
「ワフ」
「ぽよ」
それを見たフクマロ、ぽよちゃんも横で手を重ねる。
「やすひろさん」
「うん」
それを見て、ふと不思議なことを考えてしまう。
俺がフクマロを拾ったあの日。
美月ちゃんがぽよちゃんを拾ったあの日。
もしかしたら、何らかの運命が働いていたのかもしれない。
それぞれの種を守るこの時のために。
「ムニャ」
「キュル」
「プク」
「ははっ」
それも、他のペット達もいてこそだけどな。
「クォン……」
「ウォフ……」
「ポヨ……」
「プヨ……」
だけど、それぞれの「長」以外はまだいがみ合う。
まあすぐに完全な仲直りとはいかないよな。
「みんな、聞いてくれ!」
だからこその、俺という間の立場なんだけどな。
「これを見て!」
俺がわっと広げて見せたのは『王種』野菜。
何かあった時の為に、たくさん持ってきて正解だったな。
かなりの量をせっせと運んでくれたペット達にも感謝しよう。
「クォン」
「ウォフ」
「ポヨ」
「プヨ」
俺の声に反応して、みんなの視線が集まった。
満を持して言葉にする。
古くから仲直りの方法は決まっているんだよね。
「みんなで食卓を囲もう!」
ついに両者が向かい合った。
はじめに口を開いたのは、里長さん。
「すまなかった」
「里長さん……!」
里長さんはそう言いながら、頭を下げる。
「そ、そんな! 僕だってフェンリルさんと仲の良い種族たちを──」
「わしとて、思うところがないわけでない」
「……!」
スライムさんの言葉に割り込むよう、里長さんが言葉を続ける。
やはり思うところはあるようだ。
「実際、お主らインフィニティスライムと戦って散っていった者は我らと仲が良かった」
「うん……」
「じゃが、お主らは悪くない」
「え?」
里長さんは顔を上げる。
「お主らは種族を守った。ただそれだけのことじゃ」
「フェンリルさん……」
さらに、
「クォン!」
「ウォフ!」
「大丈夫じゃ」
里長さんは、護衛の声に振り返ることなく俺の横を通り過ぎていく。
インフィニティスライムの親玉、スライムさんに近寄った形だ。
「大変だったであろう。迷惑をかけたな」
「フェンリルさん……!」
「お主らは被害者じゃ。改めて非礼を詫びよう」
「そんな……!」
里長さんの言葉に、スライムさんの目元にぷっくらと浮かぶものが。
七色の体に浮かぶ透明な液体。
おそらく涙なんだろうな。
「僕の方こそ、ごめんなさい……!」
「素直に良い、と諦めることは出来ぬ。じゃが、お主らも辛かったであろう」
「うわーん!」
スライムさんは声を上げて泣いた。
『お前……すげえな』
「何がだよ」
それを眺めていた中、えりとから通信が入る。
褒められたみたいだ。
『お前にしかできないと思ってよ』
「さあな」
そう言いながら、ふと上を見上げた。
高い木々からの木漏れ日が、気持ち良く辺りを照らす。
そんな中で、里長さんとスライムさんはついに手を交わした。
「インフィニティスライムよ」
「フェンリルさん」
里長さんの前脚、スライムさんから伸びた触手。
幻想的な景色の中で二つが交わる。
それは、戦いが始まらないことを表していた。
「ワフ」
「ぽよ」
それを見たフクマロ、ぽよちゃんも横で手を重ねる。
「やすひろさん」
「うん」
それを見て、ふと不思議なことを考えてしまう。
俺がフクマロを拾ったあの日。
美月ちゃんがぽよちゃんを拾ったあの日。
もしかしたら、何らかの運命が働いていたのかもしれない。
それぞれの種を守るこの時のために。
「ムニャ」
「キュル」
「プク」
「ははっ」
それも、他のペット達もいてこそだけどな。
「クォン……」
「ウォフ……」
「ポヨ……」
「プヨ……」
だけど、それぞれの「長」以外はまだいがみ合う。
まあすぐに完全な仲直りとはいかないよな。
「みんな、聞いてくれ!」
だからこその、俺という間の立場なんだけどな。
「これを見て!」
俺がわっと広げて見せたのは『王種』野菜。
何かあった時の為に、たくさん持ってきて正解だったな。
かなりの量をせっせと運んでくれたペット達にも感謝しよう。
「クォン」
「ウォフ」
「ポヨ」
「プヨ」
俺の声に反応して、みんなの視線が集まった。
満を持して言葉にする。
古くから仲直りの方法は決まっているんだよね。
「みんなで食卓を囲もう!」
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