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第48話 オーナーとペット達、それから
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平日の夕方。
「ふう~」
午後からの新たな案件についての会議を終えて、『世界樹温泉』に浸かる。
『世界樹温泉』とは、もちろん家の隣に生えている木の頂上の温泉のこと。
俺やペット、仲間たちとの独占浴場だ。
「あったまるう~」
仕事終わりのこれは“至福のひと時”。
心も体も安らぎ、落ち着かせることが出来る。
でも最近、ちょっと落ち着いていられない状況に陥ることも。
今がまさにその状況だ。
「あははっ! こらっ、ココアちゃんダメでしょ~」
「キュル!」
木の板の向こうから聞こえてくるのは、目銅佐オーナーと、彼女と戯れるペット達の声。
オーナーもすっかりここの常連さんである。
ほとんど毎日、いや一日に二回いる時すらあるぐらいだ。
そうしている内に、ペット達も目銅佐オーナーと一緒に温泉に浸かるのが好きになったみたいだ。
彼女も面倒見がいいしな。
「あ~ほら、タンポポちゃんも!」
「プクゥ」
だがそれにしても、一体何をしているというのか……。
いたずらっ子なココアとタンポポの声がよく聞こえてくるようだけど。
「やすひろさーん、休めてますかー?」
「え? ええ、もちろん!」
急に聞こえて来た声に慌てて返事をする。
ちなみに今のは嘘だ、まったく休めていない。
むしろ興奮……おっとこれ以上はいけない。
「それなら良かったです。って、きゃっ! も~モンブランちゃんまで~!」
「……」
モンブラン、お前もかい。
「ふぅ……」
ダメだ、これ以上は耳を塞いでおこう。
今はゆっくり体を休めなければ。
後で配信もやる予定だしな。
「って、なんだ」
再び落ち着こうとした時、立てかけていたスマホに通知が来たのに気づく。
相手はえりとか。
『今、ちょい時間あるか? 温泉なら早々に降りて来てくれると助かる。リビングで待ってるわ』
合鍵を渡してあるので、先に部屋で待ってるとのこと。
「ふーん」
なんだろう、こいつにしてはちょっと焦ってる気もする。
体も洗ったし、ペット達はオーナーに任せて降りるか。
すっかり懐いたし問題ないだろう。
「オーナー、先に上がりますね~」
「分かりましたー! って、ああ! フクマロちゃんも!」
「……」
ペット達、本当に変なことしてないだろうな。
髪を乾かした後、リビングへ。
「うーす」
「来たか、やすひろ。お休みのところ悪いな」
「いやいや全然」
顔を出すと、PCを光の速さで打っていたえりとが顔を上げた。
「それで、話って?」
「その前に。フクマロはまだ、めどさんと一緒か?」
「そうだけど」
「なら都合が良い」
「?」
フクマロがいなくて都合が良いとは。
「どういうこと?」
「そうだな」
えりとは一息つき、もう一度目を合わせて口を開く。
「結論から言うと、とあるダンジョンで複数のフェンリルの足跡が見つかった」
「……!」
「ふう~」
午後からの新たな案件についての会議を終えて、『世界樹温泉』に浸かる。
『世界樹温泉』とは、もちろん家の隣に生えている木の頂上の温泉のこと。
俺やペット、仲間たちとの独占浴場だ。
「あったまるう~」
仕事終わりのこれは“至福のひと時”。
心も体も安らぎ、落ち着かせることが出来る。
でも最近、ちょっと落ち着いていられない状況に陥ることも。
今がまさにその状況だ。
「あははっ! こらっ、ココアちゃんダメでしょ~」
「キュル!」
木の板の向こうから聞こえてくるのは、目銅佐オーナーと、彼女と戯れるペット達の声。
オーナーもすっかりここの常連さんである。
ほとんど毎日、いや一日に二回いる時すらあるぐらいだ。
そうしている内に、ペット達も目銅佐オーナーと一緒に温泉に浸かるのが好きになったみたいだ。
彼女も面倒見がいいしな。
「あ~ほら、タンポポちゃんも!」
「プクゥ」
だがそれにしても、一体何をしているというのか……。
いたずらっ子なココアとタンポポの声がよく聞こえてくるようだけど。
「やすひろさーん、休めてますかー?」
「え? ええ、もちろん!」
急に聞こえて来た声に慌てて返事をする。
ちなみに今のは嘘だ、まったく休めていない。
むしろ興奮……おっとこれ以上はいけない。
「それなら良かったです。って、きゃっ! も~モンブランちゃんまで~!」
「……」
モンブラン、お前もかい。
「ふぅ……」
ダメだ、これ以上は耳を塞いでおこう。
今はゆっくり体を休めなければ。
後で配信もやる予定だしな。
「って、なんだ」
再び落ち着こうとした時、立てかけていたスマホに通知が来たのに気づく。
相手はえりとか。
『今、ちょい時間あるか? 温泉なら早々に降りて来てくれると助かる。リビングで待ってるわ』
合鍵を渡してあるので、先に部屋で待ってるとのこと。
「ふーん」
なんだろう、こいつにしてはちょっと焦ってる気もする。
体も洗ったし、ペット達はオーナーに任せて降りるか。
すっかり懐いたし問題ないだろう。
「オーナー、先に上がりますね~」
「分かりましたー! って、ああ! フクマロちゃんも!」
「……」
ペット達、本当に変なことしてないだろうな。
髪を乾かした後、リビングへ。
「うーす」
「来たか、やすひろ。お休みのところ悪いな」
「いやいや全然」
顔を出すと、PCを光の速さで打っていたえりとが顔を上げた。
「それで、話って?」
「その前に。フクマロはまだ、めどさんと一緒か?」
「そうだけど」
「なら都合が良い」
「?」
フクマロがいなくて都合が良いとは。
「どういうこと?」
「そうだな」
えりとは一息つき、もう一度目を合わせて口を開く。
「結論から言うと、とあるダンジョンで複数のフェンリルの足跡が見つかった」
「……!」
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