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第3話 二人の出会いと別れ
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「まあっ! やっぱり『使用人の娘』だわね。汚らしい娘だわ~」
「おくさま、もうしわけございません……」
ミレイド伯爵邸で使用人の服を着た4歳の少女は、たどたどしい言葉遣いで返事をする。
彼女が「おくさま」と呼んでいる人物は、この家の伯爵夫人であった。
すると、伯爵夫人は少女に聞こえるようにわざとらしい口調で、隣の侍女に話しかける。
「あの小汚い女も、可哀そうよね~」
「そうですね、奥様~」
「だって、子どもと離れて過ごすんだもの」
「もう~! 奥様が離れ離れにしたんじゃないですか~!」
「あら、そうだったかしら?」
嫌味な態度でけたけたと笑いながら、懸命に床を拭く少女を蔑みながら言う。
雑巾を握り締める少女の小さな手は、かすかに震えて力が込められている。
「もうその辺で野垂れ死んでるかもしれないわね」
「まあっ!」
嘲け笑う声が少女の耳に入るが、彼女は唇を噛みしめて黙って我慢する。
伯爵夫人と侍女が去って一人になった後、彼女は服の袖で涙を拭った。
(おかあさま……あいたい……)
この少女は伯爵令嬢ではあったが、実の母親は伯爵夫人ではない。
母親はこの家のメイドの一人であり、彼女の美しさをミレイド伯爵に気に入られていた。
そうして生まれた子どもが、この少女──フィーネだった。
しかし、不貞の子を夫人が許すはずもなく、フィーネの母親はまもなく家を追い出される。
母親の顔も知らぬまま、フィーネはこの家で使用人以下の待遇で虐げられる日々を過ごしていた──。
掃除を終えて午後になっても、フィーネに休みはない。
「フィーネ!」
「はいっ!」
ミレイド伯爵夫人に呼び止められて、フィーネは頬を強く掴まれる。
頬の痛みに耐えながら、少女は夫人の言葉を聞く。
「あんた見た目だけはいいんだから、今日のご挨拶に同行して次期公爵様の気を引きなさい」
「じきこうしゃく……さま?」
「口答えするなっ!!」
「ひいっ!」
あまりの凄みに少女は、声をあげてしまう。
そんな様子も夫人は気に入らないと言った様子で舌打ちをした。
「その愛想のなさだけなんとかできないの!? あと、お客様の前では『お母様』だからね?」
「は、はい……」
夫人の手によって衣裳部屋に入れられたフィーネは、メイドの手によって貴族令嬢らしいドレスを着せられる。
少女は子どもゆえにもう眠気が来ており、うとうととしている。
そのたびにメイドにきつく髪を縛られて、無理矢理に起こされた。
そうして身支度を整えた少女は、ドレスに慣れないヒールの靴をはかされて部屋に通される。
部屋に入ると、そこにはすでにミレイド伯爵と伯爵夫人、そして客人であるエルツェ公爵と少年がいた。
「フィーネ、こっちに来なさい」
伯爵夫人に呼び寄せられて、フィーネはソファの隣に立った。
目の前には自分よりも少し年上の少年が座っている。
(きれいなかみ……ミルクティーみたい……)
フィーネの少年への第一印象はそれだった。
いつも伯爵夫人に言われて運んでいる紅茶のような色に思えた。
フィーネの視線を感じてか、少年は席を立ってフィーネのもとに挨拶にくる。
「君がフィーネかい?」
「はい……」
「僕は……そうだな。よかったらオズと呼んでほしい」
その優しい微笑みは純粋無垢なようで、でもどこか不思議な雰囲気を漂わせた少年だと少女は思った。
(なんだか、ふわふわしてるけどちょっとだけこわい?)
フィーネとオズはこうして出会った。
そんな二人の挨拶を見たミレイド伯爵夫人は、大袈裟なほど大きな声をあげる。
「まあっ! お似合いな二人ね~!」
「ええ、そうですな」
エルツェ公爵も夫人の言葉に深く頷いた。
その後、大人同士で仕事の話をするからと、フィーネとオズは隣の部屋で話をすることになった。
フィーネも言われたように隣の部屋に移動をしようとした時、伯爵夫人が少女の耳元で呟く。
「何がなんでも次期公爵様の心を掴みなさい。でなれば、あんたの夕飯はなしよ」
「……は、はい……」
伯爵夫人はそのまま扇で口元を隠して、ソファにもう一度座りなおした。
部屋を移動したフィーネとオズの間に沈黙の時間が流れる。
(どうしよう……なにか、なにかはなさないと……)
フィーネの頭は夫人への恐怖で支配されており、顔はどんどんこわばっていく。
オズはそんな少女の様子を読んだように、対面から隣に座りなおしてそっと話しかける。
「フィーネ……といったね。僕のこと、怖いかい?」
「い、いえっ! こわくないです!」
その言葉に安心したように、少年はふっと笑った。
(わあ……)
オズの柔らかく温かい雰囲気に、フィーネのこわばりは少しずつほぐされていく。
用意された紅茶を一緒に飲もうと誘ったオズは、フィーネの顔を優しい眼差しで眺める。
(おいしい……)
普段、冷たい水しか飲むことを許されないフィーネには新鮮で温かい味だった。
「紅茶は好きかい?」
その言葉にフィーネは戸惑ってしまう。
すると、オズは紅茶にミルクを注ぎ、カップを少女に差し出す。
「僕はミルクティーが好きなんだ。フィーネはどう?」
差し出されたカップを手に取ってじっと見つめる。
オズは飲んでごらんというように微笑んで促す。
フィーネはふうふうと冷まして、一口飲んだ。
「おいしいっ!」
フィーネの反応にオズも嬉しくなる。
「よかった。君が笑わないから心配したんだ」
「オズ様……」
「オズでいいよ」
少女は少年の言葉に甘えて、遠慮がちに名前を呼ぶ。
「……オズ……」
「うん。僕のことは、君のお兄さんだと思ってくれていいよ」
「おにいさま……」
そう言葉にした時、フィーネの心臓がドキッとした。
「君にはこれからも会いに来るよ。だから、少しずつでいい。君の好きなことや嫌いなこと、なんでも教えてほしい」
「……いいんですか?」
「たくさんお話しよう」
その数日後、二人は婚約者同士となった。
オズがフィーネを気に入ったという理由であり、彼は毎週末に彼女に会いに来るようになった。
徐々にフィーネもオズに心を許していき、二人の婚約者であり、そして兄妹のように仲良くなった。
しかし、ある転機がフィーネに訪れる。
「奥様っ! 男の子でございます!」
「まあ、嬉しいわ!!」
ミレイド伯爵家に、正当な後継ぎが生まれたのだ。
これを境にフィーネはますます虐げられて、そしてついに運命が変わる。
「あなたはもう用済みよ」
フィーネが気がつくと雪のしんしんと降る凍えるような寒さの中、外に裸足で出されていた。
「ここ、どこ?」
見たこともない風景が広がり、周りを見渡すと大きな鉄格子の門があった。
「あら、あなたは……」
フィーネはこの時、声をかけたシスターに拾われて教会で過ごすことになる。
そうして、オズと会うこともないまま時が経ってしまったのだ──。
◇◆◇
フィーネは馬車の中で再び涙を流して、目の前に座るミルクティー色の髪をした彼を見る。
記憶の中の少年がまさかこんなに立派な男性として現れるなんて、夢にも思わなかったフィーネは感情が高ぶってどうしていいかわからない。
「あの後、伯爵夫人に君は死んだと聞かされてね。絶望したよ」
「そうでしたか……」
「何かおかしいと思って調べていたんだ。そしたら教会に似た容姿の聖女がいると社交界で話しているのを聞いてね」
オズの大きな手が、フィーネの両手を包み込む。
「ようやく会えた。10年かかってしまったけど、もう一度僕と一緒にいてくれるかい?」
フィーネはその手を握り返して、久々の笑顔を見せて言う。
「はいっ!」
馬車は二人を乗せて、エルツェ公爵邸へと向かっていく──。
「おくさま、もうしわけございません……」
ミレイド伯爵邸で使用人の服を着た4歳の少女は、たどたどしい言葉遣いで返事をする。
彼女が「おくさま」と呼んでいる人物は、この家の伯爵夫人であった。
すると、伯爵夫人は少女に聞こえるようにわざとらしい口調で、隣の侍女に話しかける。
「あの小汚い女も、可哀そうよね~」
「そうですね、奥様~」
「だって、子どもと離れて過ごすんだもの」
「もう~! 奥様が離れ離れにしたんじゃないですか~!」
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嫌味な態度でけたけたと笑いながら、懸命に床を拭く少女を蔑みながら言う。
雑巾を握り締める少女の小さな手は、かすかに震えて力が込められている。
「もうその辺で野垂れ死んでるかもしれないわね」
「まあっ!」
嘲け笑う声が少女の耳に入るが、彼女は唇を噛みしめて黙って我慢する。
伯爵夫人と侍女が去って一人になった後、彼女は服の袖で涙を拭った。
(おかあさま……あいたい……)
この少女は伯爵令嬢ではあったが、実の母親は伯爵夫人ではない。
母親はこの家のメイドの一人であり、彼女の美しさをミレイド伯爵に気に入られていた。
そうして生まれた子どもが、この少女──フィーネだった。
しかし、不貞の子を夫人が許すはずもなく、フィーネの母親はまもなく家を追い出される。
母親の顔も知らぬまま、フィーネはこの家で使用人以下の待遇で虐げられる日々を過ごしていた──。
掃除を終えて午後になっても、フィーネに休みはない。
「フィーネ!」
「はいっ!」
ミレイド伯爵夫人に呼び止められて、フィーネは頬を強く掴まれる。
頬の痛みに耐えながら、少女は夫人の言葉を聞く。
「あんた見た目だけはいいんだから、今日のご挨拶に同行して次期公爵様の気を引きなさい」
「じきこうしゃく……さま?」
「口答えするなっ!!」
「ひいっ!」
あまりの凄みに少女は、声をあげてしまう。
そんな様子も夫人は気に入らないと言った様子で舌打ちをした。
「その愛想のなさだけなんとかできないの!? あと、お客様の前では『お母様』だからね?」
「は、はい……」
夫人の手によって衣裳部屋に入れられたフィーネは、メイドの手によって貴族令嬢らしいドレスを着せられる。
少女は子どもゆえにもう眠気が来ており、うとうととしている。
そのたびにメイドにきつく髪を縛られて、無理矢理に起こされた。
そうして身支度を整えた少女は、ドレスに慣れないヒールの靴をはかされて部屋に通される。
部屋に入ると、そこにはすでにミレイド伯爵と伯爵夫人、そして客人であるエルツェ公爵と少年がいた。
「フィーネ、こっちに来なさい」
伯爵夫人に呼び寄せられて、フィーネはソファの隣に立った。
目の前には自分よりも少し年上の少年が座っている。
(きれいなかみ……ミルクティーみたい……)
フィーネの少年への第一印象はそれだった。
いつも伯爵夫人に言われて運んでいる紅茶のような色に思えた。
フィーネの視線を感じてか、少年は席を立ってフィーネのもとに挨拶にくる。
「君がフィーネかい?」
「はい……」
「僕は……そうだな。よかったらオズと呼んでほしい」
その優しい微笑みは純粋無垢なようで、でもどこか不思議な雰囲気を漂わせた少年だと少女は思った。
(なんだか、ふわふわしてるけどちょっとだけこわい?)
フィーネとオズはこうして出会った。
そんな二人の挨拶を見たミレイド伯爵夫人は、大袈裟なほど大きな声をあげる。
「まあっ! お似合いな二人ね~!」
「ええ、そうですな」
エルツェ公爵も夫人の言葉に深く頷いた。
その後、大人同士で仕事の話をするからと、フィーネとオズは隣の部屋で話をすることになった。
フィーネも言われたように隣の部屋に移動をしようとした時、伯爵夫人が少女の耳元で呟く。
「何がなんでも次期公爵様の心を掴みなさい。でなれば、あんたの夕飯はなしよ」
「……は、はい……」
伯爵夫人はそのまま扇で口元を隠して、ソファにもう一度座りなおした。
部屋を移動したフィーネとオズの間に沈黙の時間が流れる。
(どうしよう……なにか、なにかはなさないと……)
フィーネの頭は夫人への恐怖で支配されており、顔はどんどんこわばっていく。
オズはそんな少女の様子を読んだように、対面から隣に座りなおしてそっと話しかける。
「フィーネ……といったね。僕のこと、怖いかい?」
「い、いえっ! こわくないです!」
その言葉に安心したように、少年はふっと笑った。
(わあ……)
オズの柔らかく温かい雰囲気に、フィーネのこわばりは少しずつほぐされていく。
用意された紅茶を一緒に飲もうと誘ったオズは、フィーネの顔を優しい眼差しで眺める。
(おいしい……)
普段、冷たい水しか飲むことを許されないフィーネには新鮮で温かい味だった。
「紅茶は好きかい?」
その言葉にフィーネは戸惑ってしまう。
すると、オズは紅茶にミルクを注ぎ、カップを少女に差し出す。
「僕はミルクティーが好きなんだ。フィーネはどう?」
差し出されたカップを手に取ってじっと見つめる。
オズは飲んでごらんというように微笑んで促す。
フィーネはふうふうと冷まして、一口飲んだ。
「おいしいっ!」
フィーネの反応にオズも嬉しくなる。
「よかった。君が笑わないから心配したんだ」
「オズ様……」
「オズでいいよ」
少女は少年の言葉に甘えて、遠慮がちに名前を呼ぶ。
「……オズ……」
「うん。僕のことは、君のお兄さんだと思ってくれていいよ」
「おにいさま……」
そう言葉にした時、フィーネの心臓がドキッとした。
「君にはこれからも会いに来るよ。だから、少しずつでいい。君の好きなことや嫌いなこと、なんでも教えてほしい」
「……いいんですか?」
「たくさんお話しよう」
その数日後、二人は婚約者同士となった。
オズがフィーネを気に入ったという理由であり、彼は毎週末に彼女に会いに来るようになった。
徐々にフィーネもオズに心を許していき、二人の婚約者であり、そして兄妹のように仲良くなった。
しかし、ある転機がフィーネに訪れる。
「奥様っ! 男の子でございます!」
「まあ、嬉しいわ!!」
ミレイド伯爵家に、正当な後継ぎが生まれたのだ。
これを境にフィーネはますます虐げられて、そしてついに運命が変わる。
「あなたはもう用済みよ」
フィーネが気がつくと雪のしんしんと降る凍えるような寒さの中、外に裸足で出されていた。
「ここ、どこ?」
見たこともない風景が広がり、周りを見渡すと大きな鉄格子の門があった。
「あら、あなたは……」
フィーネはこの時、声をかけたシスターに拾われて教会で過ごすことになる。
そうして、オズと会うこともないまま時が経ってしまったのだ──。
◇◆◇
フィーネは馬車の中で再び涙を流して、目の前に座るミルクティー色の髪をした彼を見る。
記憶の中の少年がまさかこんなに立派な男性として現れるなんて、夢にも思わなかったフィーネは感情が高ぶってどうしていいかわからない。
「あの後、伯爵夫人に君は死んだと聞かされてね。絶望したよ」
「そうでしたか……」
「何かおかしいと思って調べていたんだ。そしたら教会に似た容姿の聖女がいると社交界で話しているのを聞いてね」
オズの大きな手が、フィーネの両手を包み込む。
「ようやく会えた。10年かかってしまったけど、もう一度僕と一緒にいてくれるかい?」
フィーネはその手を握り返して、久々の笑顔を見せて言う。
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