呪われ令嬢、王妃になる

八重

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第5話 新しい生活の始まりの朝

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「ん……」

 シェリーがそっと目を開けると、横には見目麗しいジェラルドの身体があり、夜着が少しはだけて胸元が開いていた。

「──っ!!!!!」

 驚いて飛び起きると、そこは白いシーツの敷かれたベッドの上で二人はすぐ隣で眠っていたことが予想された。

(なんでジェラルド様が横に?! あ……昨日確かワインを窓辺で飲んでいたら酔って気分が良くなって、それで……)

 そんなことを考えていると、眠たげな眼を開けてジェラルドがシェリーを見つめる。

「おはよう、シェリー」
「お、おはようございますっ!!」

 思わず叫ぶように声を出してしまったシェリーは恥ずかしそうに俯くと、ジェラルドはくすっと笑って声をかける。

「よく眠れたかい?」
「あ、はい。あのー……つかぬことをお聞きしますが、私は昨夜どのようにこのベッドに……」
「ああ、ワインを二人で飲んでいたら君が眠そうにしていてね。そっと私が寝かせたんだ」
「はっ!!! 申し訳ございません!! 陛下の手をわずらせてしまい……っ!」

 シェリーの言葉を止めるようにジェラルドの人差し指が彼女の口元にあてられる。

「ダーメ。もう私のことは陛下と呼んでは。それにそんな恭しくしないでもっと気楽に接してほしい」
「わ、わかりました。ジェラルド様?」
「なんだい?」
「お腹が空きました」
「全く、君って子は素直で可愛いね」
「すみません……」

 二人はそろってベッドから出ると、着替えのために一度解散となった。



◇◆◇



「わあ! 朝食も美味しそうです~!」
「さ、召し上がれ」
「はいっ! いただきます」

 美味しそうにほおばるシェリーの横では給仕をするアリシアがたっており、なんだかにやにやとしながら彼女を見つめていた。
 その様子に気づいてシェリーはアリシアに尋ねた。

「アリシア、そんなに楽しそうにどうしたの?」

 すると、そっと耳打ちするようにアリシアはシェリーにこそこそっと話す。

「昨日はお楽しみでしたか?」
「え? ──っ!!! 違うの! その、昨日はジェラルド様とワインを楽しんでそのまま寝てしまって……」
「はいはい」
「もうっ! アリシアっ!!」

 そんな様子をにこにこと眺めながらスープを口に運ぶジェラルドだった──
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