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第一部
第9話 公爵様の秘密(1)
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レオンハルトの息子ではないか、という考えが思い浮かんだコルネリアは、どうしていいかわからずにその場に立ち尽くしてしまう。
これは自分が見てはいけなかったものなのだろうか、という思いや重婚や不倫、他の女性との子供、あるいは以前に結婚をしていた頃の子供、など様々な可能性がぶわっと頭の中に広がる。
(見てはいけないものを見た……?)
何度も何度もその考えが思い浮かんでしまい、珍しくコルネリアの思考が停止する。
じっとしたまま数十秒考え込んでしまったが、それは彼女自身の中の体内時計では何分にも感じた。
すると、先ほどまですやすやと眠っていた男の子がゆっくりと目を開いて、そして目をこする。
最初こそ寝起きのぼけーっとした様子だったが、目の前にいるコルネリアに気づくと、今度は目を大きく見開き声をあげる。
「コルネリアっ!」
「えっ?!」
しまったといった様子で男の子は自分の発言に戸惑うと、そのまま布団を被って隠れてしまう。
そのまま膠着状態が続いてしまい、また沈黙の時間が流れる。
(私の名前を知っている……?)
我に返った瞬間に先程男の子が自分の名前を呼んだことに気づいたコルネリアは、この男の子とどこかであったのだと認識して誰なのかを思考を巡らせる。
しかし、よくよく考えてみれば、最近はヴァイス公爵家でしか過ごしていないし、それ以前も地下牢にいたため誰にも会っていない。
それ以前の孤児院にいた頃は自分自身も2歳という小さい頃であったし、何より男の子はまだ産まれていないだろう。
そして沈黙が流れる中で、コルネリアは一つの仮説を立てた。
レオンハルトに似ている容姿、そして声、自分の名を知っていて呼んだこと……それらが合致する人物が頭の中に浮かんだ。
(でも、本当にそうなのでしょうか、だって……)
自分自身の考えが信じられずにコルネリアはためらってしまうが、とりあえずじっとしていても解決しないため自分の仮説をこの際ぶつけてみることにした。
「もしかして、レオンハルト様ですか……?」
その言葉にビクリと毛布が動いた。
あ、やはりそうなのかもしれない、とコルネリアは心の中で思い、毛布に近づいていく。
「あの、私が間違っていたら申し訳ないのですが、本当にそうなのでしょうか? レオンハルト様なのでしょうか?」
その答えを聞いた男の子はおもむろに毛布をめくって自らの顔を出すと、そのまま目を逸らしながら頷いた。
コルネリアは自分の仮説が当たったものの、どうしていいかわからずひとまずレオンハルトに尋ねる。
「どうしてそのようなお姿に……?」
「うん……話せば長くなるんだけど……聞いてくれるかい?」
コルネリアは大きく頷いた──
これは自分が見てはいけなかったものなのだろうか、という思いや重婚や不倫、他の女性との子供、あるいは以前に結婚をしていた頃の子供、など様々な可能性がぶわっと頭の中に広がる。
(見てはいけないものを見た……?)
何度も何度もその考えが思い浮かんでしまい、珍しくコルネリアの思考が停止する。
じっとしたまま数十秒考え込んでしまったが、それは彼女自身の中の体内時計では何分にも感じた。
すると、先ほどまですやすやと眠っていた男の子がゆっくりと目を開いて、そして目をこする。
最初こそ寝起きのぼけーっとした様子だったが、目の前にいるコルネリアに気づくと、今度は目を大きく見開き声をあげる。
「コルネリアっ!」
「えっ?!」
しまったといった様子で男の子は自分の発言に戸惑うと、そのまま布団を被って隠れてしまう。
そのまま膠着状態が続いてしまい、また沈黙の時間が流れる。
(私の名前を知っている……?)
我に返った瞬間に先程男の子が自分の名前を呼んだことに気づいたコルネリアは、この男の子とどこかであったのだと認識して誰なのかを思考を巡らせる。
しかし、よくよく考えてみれば、最近はヴァイス公爵家でしか過ごしていないし、それ以前も地下牢にいたため誰にも会っていない。
それ以前の孤児院にいた頃は自分自身も2歳という小さい頃であったし、何より男の子はまだ産まれていないだろう。
そして沈黙が流れる中で、コルネリアは一つの仮説を立てた。
レオンハルトに似ている容姿、そして声、自分の名を知っていて呼んだこと……それらが合致する人物が頭の中に浮かんだ。
(でも、本当にそうなのでしょうか、だって……)
自分自身の考えが信じられずにコルネリアはためらってしまうが、とりあえずじっとしていても解決しないため自分の仮説をこの際ぶつけてみることにした。
「もしかして、レオンハルト様ですか……?」
その言葉にビクリと毛布が動いた。
あ、やはりそうなのかもしれない、とコルネリアは心の中で思い、毛布に近づいていく。
「あの、私が間違っていたら申し訳ないのですが、本当にそうなのでしょうか? レオンハルト様なのでしょうか?」
その答えを聞いた男の子はおもむろに毛布をめくって自らの顔を出すと、そのまま目を逸らしながら頷いた。
コルネリアは自分の仮説が当たったものの、どうしていいかわからずひとまずレオンハルトに尋ねる。
「どうしてそのようなお姿に……?」
「うん……話せば長くなるんだけど……聞いてくれるかい?」
コルネリアは大きく頷いた──
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