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異変の裏ダンジョン

異変の裏ダンジョン 4

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 階段を上り、扉を開いた先には薄暗い部屋が広がっていた。所々にある松明が申し訳程度に部屋を照らす。

「ムツヤ、照明弾を使っても大丈夫か?」

「はい! 大丈夫でず!」

 その会話を聞いたユモトが照明弾を打ち上げる。

 そして、見えるのは巨大な影だ。

「牛の頭と人間の体。ミノタウロスか!!」

 アシノが言うと、皆は武器を構えた。体の大きさは自分たちの十倍はあろうかという所だ。

 大きな斧を持ち、地響きを立てながらこちらへと向かってくる。

 ムツヤは飛び出して懐に入り、腹を一発殴った。すると、その巨体が宙を舞い、地面に叩きつけられる。

 魔剣『ムゲンジゴク』を使い、倒れるミノタウロスの首をあっという間に刎ねた。

「終わりまじだ!」

「えっ? えっ? ボスってソイツだけ?」

 ルーは呆気あっけなく終わってしまった戦いにキョトンとしている。

「ミノタウロスは本来伝説の魔物だ。ムツヤが強すぎるだけだ」

 そう言ってアシノは歩き始め、ハッとした仲間達も後を追う。

 二十七階層へムツヤ達は辿たどり着く。

 魔物の数が少なくなり、その代わりに出てくる個々が強くなった為、仲間達の出る幕は殆ど無く、ムツヤが大暴れするだけで道が開けていった。

「私たちは楽で良いけど、ムツヤっち疲れないの?」

 ルーが少し心配そうに尋ねるも、ムツヤはあっけらかんとしている。

「俺は大丈夫でず!」

 二十九階層、次はボスが出てくる。ムツヤは龍を地の彼方へと蹴り飛ばしていた。

「次は三十階層だな、お前たち自分の身を守ることを考えろ」

 一同はそれぞれ返事をして、扉を抜ける。

 その先の光景にアシノ達は驚く。夕暮れ時の広い荒野に白い何かが列を成して待ち構えていた。

 人骨の魔物、スケルトンだ。数千体ほどのそれは、まるで軍隊のように旗を掲げ、弓兵、騎兵も居る。

 先頭で馬に乗るスケルトンが剣を掲げると、隊列が一斉にこちらに向かってきた。

「これまずくない!? まずくない!?」

 ルーは焦ってそんな事を言う。

「数が多すぎるな」

 アシノもこの光景を見て流石に冷や汗が出た。

 ムツヤは光魔法を使い、軍隊の列に光の刃を降らせる。隊列は滅茶苦茶になるが、スケルトン達はこちらに向かってくる。

 弓兵が矢を飛ばしてきたので、ユモトが貼った防御壁の後ろへと仲間達は隠れた。

「こりゃ本当に軍隊と戦うようなモンだな」

「冷静に言わないでよ!」

 ムツヤは斬り込んで弓兵達を次々にバラバラにしていった。粗方片付け終わると白兵戦の始まりだ。
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