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魔人
魔人 2
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アシノ達は衛兵に連れられて城の中へと入ると、立派な扉を抜けて玉座の間へと踏み入った。
勲章を授与するということもあり、ちょうど国のお偉いさん方も集まっている。
そんな中で、王が口を開いた。
「さて、勇者アシノよ。単刀直入に聞きたい。あの魔人は何者だ」
「私にも分かりません。ただ、イタガで戦ったということは事実です」
ふむ、と王は目を閉じる。
「そして、先程飛び上がったその者は何者だ?」
王はムツヤを見据えて言う。来たかとアシノ達は思った。
「かの者はムツヤ・バックカントリーと言います。極東の地の腕利きの冒険者で、訳あって私と旅をしておりました」
「そうか、まぁ今は深く詮索することはよそう。それよりも魔人の対策を早急に考えねばなるまい」
王は手を組んで少し身を前に乗り出す。そこに大臣のイグチが発言をした。
「やはり、各地に散らばる勇者たちを集めることが最優先かと」
「余もそう考えておる。勇者達を集め、魔人に対抗をするべきだと」
王が言うとイグチは小さく頷いて言う。
「それでは早速、勇者達に使いの者を送ります」
「頼んだ」
一礼してイグチは衛兵を見る。目だけで会話をすると衛兵は扉の外へと立ち去る。
「勇者アシノよ。お前には勇者達が集まるまでこの王都ツノミヤを守って欲しい」
「もちろんでございます。王」
アシノは敬礼をして言った。ルーが皆に真似するように耳打ちすると、ムツヤ達も習って敬礼をする。
ムツヤ達は急遽、城の一室を用意された。他の勇者が王都へ到達するまでの間城を守って欲しいとの事だ。
音の妨害魔法を張った後、鎧を脱いだアシノはドカッと椅子に座った。
「さてと、面倒なことになったな」
「軽く言ってくれるわね。魔人にムツヤっちの事に、問題は山積みよ」
ルーはベッドに仰向けに寝転がりながら言う。
「でも、他の勇者の方達が助けに来てくれるんですよね」
ユモトが言うとアシノは浮かない顔をした。
「まぁな」
「あまり気乗りしない感じですね」
察したモモが言うとアシノはため息をつく。
「他の勇者は色々とくせ者でな、あまり得意じゃないんだよ」
「勇者って変わり者が多いのよ。アシノを見れば分かるでしょ?」
アシノは無言でルーに向けてビンのフタを飛ばし、遠距離デコピンをお見舞いした。
「私達としては、ムツヤを自由に戦えるようにして魔人と戦うのが1番なんだが……」
「それをすると、王の目に止まり、裏の道具が戦争に利用される……と」
モモが思い出して言うと、アシノは「そうだ」と答える。
「どうにかムツヤさんの事を隠しながら魔人と戦うしかないんですね」
ユモトが言うとムツヤは自分に気合を入れた。
「わがりまじだ!! 俺がんばりまず!!」
「簡単に言ってくれるがなぁ……」
アシノはまた、ため息をつく。そして、気持ちを切り替えて言った。
「とにかく、今は何を考えていても仕方がない。王を守るために城から出られないしな」
勲章を授与するということもあり、ちょうど国のお偉いさん方も集まっている。
そんな中で、王が口を開いた。
「さて、勇者アシノよ。単刀直入に聞きたい。あの魔人は何者だ」
「私にも分かりません。ただ、イタガで戦ったということは事実です」
ふむ、と王は目を閉じる。
「そして、先程飛び上がったその者は何者だ?」
王はムツヤを見据えて言う。来たかとアシノ達は思った。
「かの者はムツヤ・バックカントリーと言います。極東の地の腕利きの冒険者で、訳あって私と旅をしておりました」
「そうか、まぁ今は深く詮索することはよそう。それよりも魔人の対策を早急に考えねばなるまい」
王は手を組んで少し身を前に乗り出す。そこに大臣のイグチが発言をした。
「やはり、各地に散らばる勇者たちを集めることが最優先かと」
「余もそう考えておる。勇者達を集め、魔人に対抗をするべきだと」
王が言うとイグチは小さく頷いて言う。
「それでは早速、勇者達に使いの者を送ります」
「頼んだ」
一礼してイグチは衛兵を見る。目だけで会話をすると衛兵は扉の外へと立ち去る。
「勇者アシノよ。お前には勇者達が集まるまでこの王都ツノミヤを守って欲しい」
「もちろんでございます。王」
アシノは敬礼をして言った。ルーが皆に真似するように耳打ちすると、ムツヤ達も習って敬礼をする。
ムツヤ達は急遽、城の一室を用意された。他の勇者が王都へ到達するまでの間城を守って欲しいとの事だ。
音の妨害魔法を張った後、鎧を脱いだアシノはドカッと椅子に座った。
「さてと、面倒なことになったな」
「軽く言ってくれるわね。魔人にムツヤっちの事に、問題は山積みよ」
ルーはベッドに仰向けに寝転がりながら言う。
「でも、他の勇者の方達が助けに来てくれるんですよね」
ユモトが言うとアシノは浮かない顔をした。
「まぁな」
「あまり気乗りしない感じですね」
察したモモが言うとアシノはため息をつく。
「他の勇者は色々とくせ者でな、あまり得意じゃないんだよ」
「勇者って変わり者が多いのよ。アシノを見れば分かるでしょ?」
アシノは無言でルーに向けてビンのフタを飛ばし、遠距離デコピンをお見舞いした。
「私達としては、ムツヤを自由に戦えるようにして魔人と戦うのが1番なんだが……」
「それをすると、王の目に止まり、裏の道具が戦争に利用される……と」
モモが思い出して言うと、アシノは「そうだ」と答える。
「どうにかムツヤさんの事を隠しながら魔人と戦うしかないんですね」
ユモトが言うとムツヤは自分に気合を入れた。
「わがりまじだ!! 俺がんばりまず!!」
「簡単に言ってくれるがなぁ……」
アシノはまた、ため息をつく。そして、気持ちを切り替えて言った。
「とにかく、今は何を考えていても仕方がない。王を守るために城から出られないしな」
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