68 / 574
ギルドマスター
ギルドマスター 6
しおりを挟む
「国王は国を強かった頃へと戻すことにお熱を上げている。そんな所に大量の強力な武器と薬が詰まったカバンを持ち込んだらどうなるかは分かるだろう?」
ムツヤは分かっているのか分かっていないのか知らないが、真剣な顔をしている。
「キエーウによる亜人の殺戮よりも、もっと大きな犠牲者が出るだろう」
「そ、そんな! そんなのはダメでずよ!!」
ムツヤは思わず立ち上がってそう言った。そんなムツヤをたしなめる様に1つ咳払いをしてトウヨウは言葉を出す。
「俺はだ、キエーウは確実にまたムツヤのカバンを狙うはずだと考えている」
「そりゃそうだろうな、これ以上裏の道具が流出しないようにするならカバンを燃やすなり切り刻んじまうなりって手もあるが」
「すみません、このカバンって何をしても壊れないんでずよ」
アシノの案、カバンの破壊はあっけなく廃案になってしまった。
これでカバンを壊してしまうという手は使えず、必ずどこかに保管をしなくてはならない事が決まる。
「カバンの一番安全な保管場所はムツヤが持ち続ける事だと俺は思う」
「確かに、カバンをエサにチラつかせりゃ裏の道具を持ってる奴等が襲ってきて探す手間も省けるってわけだ」
アシノが軽く笑いながら言うと、モモは身を乗り出して言葉を放つ。
「そんな、ムツヤ殿をエサになんてっ!」
「まー、ムツヤ大好きっ子のモモには少し聞こえが悪かったか」
アシノにそう言われるとモモは赤面はしたが、今回は否定の言葉が出なかった。くうーっと下を向いた後にアシノの方を見てハッキリと伝えた。
「えぇそうです、私にとってムツヤ殿は大切な方です。なのでムツヤ殿の身に何かがあったらっ!」
「まぁまぁ、落ち着きなよ」
紅茶を飲みながらアシノは横目でモモを見た。ハッとして各々の表情を見る。
ムツヤと何故かユモトまで少し顔を赤らめてモジモジとしており、それを見てモモは今更になって気恥ずかしさが襲ってきた。
「裏の道具の対処法はムツヤが1番良くわかっているはずだし、それに裏の道具と戦うなら同じ裏の道具があった方が良いはずだ。そのカバンと、先程の話で聞いたムツヤの腕前があればキエーウからカバンを守れるだろう」
トウヨウは落ち着いた声で言う。彼ほどの実力者になると体格や歩き方などで大体の実力が分かる。
ムツヤのそれは完成された見事なものだった、部屋に入ってきた一目で只者ではない事は感じ取っていた。
ムツヤは分かっているのか分かっていないのか知らないが、真剣な顔をしている。
「キエーウによる亜人の殺戮よりも、もっと大きな犠牲者が出るだろう」
「そ、そんな! そんなのはダメでずよ!!」
ムツヤは思わず立ち上がってそう言った。そんなムツヤをたしなめる様に1つ咳払いをしてトウヨウは言葉を出す。
「俺はだ、キエーウは確実にまたムツヤのカバンを狙うはずだと考えている」
「そりゃそうだろうな、これ以上裏の道具が流出しないようにするならカバンを燃やすなり切り刻んじまうなりって手もあるが」
「すみません、このカバンって何をしても壊れないんでずよ」
アシノの案、カバンの破壊はあっけなく廃案になってしまった。
これでカバンを壊してしまうという手は使えず、必ずどこかに保管をしなくてはならない事が決まる。
「カバンの一番安全な保管場所はムツヤが持ち続ける事だと俺は思う」
「確かに、カバンをエサにチラつかせりゃ裏の道具を持ってる奴等が襲ってきて探す手間も省けるってわけだ」
アシノが軽く笑いながら言うと、モモは身を乗り出して言葉を放つ。
「そんな、ムツヤ殿をエサになんてっ!」
「まー、ムツヤ大好きっ子のモモには少し聞こえが悪かったか」
アシノにそう言われるとモモは赤面はしたが、今回は否定の言葉が出なかった。くうーっと下を向いた後にアシノの方を見てハッキリと伝えた。
「えぇそうです、私にとってムツヤ殿は大切な方です。なのでムツヤ殿の身に何かがあったらっ!」
「まぁまぁ、落ち着きなよ」
紅茶を飲みながらアシノは横目でモモを見た。ハッとして各々の表情を見る。
ムツヤと何故かユモトまで少し顔を赤らめてモジモジとしており、それを見てモモは今更になって気恥ずかしさが襲ってきた。
「裏の道具の対処法はムツヤが1番良くわかっているはずだし、それに裏の道具と戦うなら同じ裏の道具があった方が良いはずだ。そのカバンと、先程の話で聞いたムツヤの腕前があればキエーウからカバンを守れるだろう」
トウヨウは落ち着いた声で言う。彼ほどの実力者になると体格や歩き方などで大体の実力が分かる。
ムツヤのそれは完成された見事なものだった、部屋に入ってきた一目で只者ではない事は感じ取っていた。
0
お気に入りに追加
75
あなたにおすすめの小説
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~
SHIN
ファンタジー
それは、ある少年の物語。
ある日、前世の記憶を取り戻した少年が大切な人と再会したり周りのチートぷりに感嘆したりするけど、実は少年の方が凄かった話し。
『僕の兄上はチート過ぎて人なのに魔王です。』
『そういうお前は、愛され過ぎてチートだよな。』
そんな感じ。
『悪役令嬢はもらい受けます』の彼らが織り成すファンタジー作品です。良かったら見ていってね。
隔週日曜日に更新予定。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~
飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。
彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。
独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。
この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。
※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる