別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

まっど↑きみはる

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聖女様

肉食べたい

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 仮設の食事台にマルクエン達は座らされた。

「それでは、お食事をお持ちします」

 しばらくして運ばれたのはパンと牛肉のステーキ。それと透き通る透明な地酒だ。

「あの、せっかくですが、私はお酒が飲めないので……」

 マルクエンだけはミルクに変えてもらった。

「それじゃ、イタダキマス!!!」

 マルクエンとマッサだけが食事の挨拶をし、ラミッタスフィンは無言のまま肉にナイフを入れる。

 スッと切れるあたり、上質な肉だなとスフィンは思い。口へ運ぶ。

「ほう、美味いな」

「ほんと、美味しいですねスフィン将軍」

 どれどれとマルクエンも一口食べる。

「むっ、美味い!!」

 スフィンは続けて地酒に手を出していた。水のような軽い口当たりに、喉へ流し込むと熱くカーッとした刺激が通る。

「良い酒だ」

 食事を堪能していると、大きな焚火を中心にドンドンと太鼓や笛の音が聞こえ始めた。

 村人は独特な振り付けの踊りを始め、マルクエン達はそれを眺める。

「お、踊るのか!! 俺も踊ってこよーっと!!」

 マッサは食事を終えると、焚火に向かって歩き始めた。

 その頃、焚火をぽつんと見つめる女性が居た。アザミヤだ。

 黒く長い髪に焚火の明かりがキラキラと反射している。

「アザミヤ!」

 男が彼女の名を呼ぶ。振り返ったアザミヤは一言彼の名を呼んだ。

「タカセ……」

 二人は見つめあい、気恥ずかしくも、気まずくもあった。

「お嬢さーん?」

 そんな雰囲気をぶち壊すのは酒が入ったマッサだ。

「お嬢さん、俺と一緒に踊ってくれませんか? シャルウィーダンス?」

「あ、あの……」

 マッサはアザミヤに近付き続ける。

 何だかもやもやした物を覚えながらも、村の恩人相手なのでタカセは何も言えない。

「さぁ、さぁ!!」

「やめろ馬鹿者!!」

 そんなマッサの頭をスフィンがスパーンと引っぱたく。

「ほげぇ!!」

「馬に蹴られてしまえ」

 マッサの手を引いて遠ざかるスフィン。

 タカセは意を決して言った。

「アザミヤ、俺と踊ってくれないか?」

「タカセ!!」

 屈託のない笑顔をアザミヤは作る。

「うん!!」
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