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聖女様
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「心地良いな」
スフィンは満足気な顔をし、目を閉じて湯を感じていた。
「えぇ、とても……」
ラミッタもそう返してふぅーっと息を吐く。
そんな、束の間の緩やかな時間を邪魔しようとする者が居た。
「よし、そろそろ良い頃合いかな?」
湯に浸かって体も温まり、マッサはそろそろ出るのかと思ったマルクエン。
「もう出ますか?」
「えぇ、そうしましょうか」
そう言ってザバッと湯から上がり、マッサは野風呂を隔てている竹壁へ歩き始めた。
「ま、マッサさん? 出口はあっち……」
「シー、静かにっす」
マッサは竹壁をくまなく見て回り、ガックリと肩を落とし小声で言う。
「女性陣がお風呂を上がるのを待つのは竹壁の前で待つのがベストですぜ!」
「な、何を……」
「その間……。竹壁の隙間に目を近づけるのはいけないことっすかねぇ!?」
「な、何を言っているんですか!?」
「だって、隣には美女!! これが覗かずにいられるかってんですぜ!!」
マルクエンは思わず呆れていた。
「ダメですよ、マッサさん」
「でもマルクエンさんは除いた事があるんでしょ?」
「い、いや、あれは事故で……」
「随分と騒がしいな」
隣から突然聞こえるスフィンの声に、マッサとマルクエンはドキリとし、固まる。
「あ、あー。スフィンさん?」
「貴様らのやろうとしている事など大体見当がつく。この竹を超えてみろ、命は無い」
「そ、そんなことねぇ、するわけないでしょうねぇ!? ねぇマルクエンさん!?」
「あっ、あぁ、えぇ!! まさかそんな事……」
男湯から聞こえる声に、ラミッタは赤い顔を湯船に沈めて『ド変態卑猥野郎』と呟いた。
先に湯から上がったマルクエンとマッサは女湯の二人を待つ。
村人から渡された地酒をマッサは飲み、マルクエンは牛乳を飲んでいた。
「待たせたな」
スフィンとラミッタが風呂から上がり、男どもの元へと歩く。
「命拾いしたな」
「し……、失礼ですね覗きの証拠は? 覗き? 命拾い? 何の事です?」
「私は何もそこまで言っていないのだが。まったく」
呆れるスフィン。そんな四人に村人から声が掛かる。
「皆様、宴の準備ができましたんで、ご案内しますべ」
「おぉ、かたじけない」
腹が減っていたマルクエンは笑顔でそう言いながら、村人の後を付いていく。
「ほ、ほら、宴ですって! 行きましょう!」
マッサも焦りながらマルクエンの後を追いかける。
「やれやれだな」
「男って奴はこれだから困りますね」
村の中心では大きな焚火。所々に小さなかがり火が設置されている。
「祭りの時にやる事なんですが、今日は勇者様が来たお祭りですべや」
「そんな、ここまでして頂かなくても……」
気が引けたマルクエンは照れくさそうに頭を掻いていた。
「何をおっしゃる! 勇者様が来ただけでもめでてぇのに、勇者様は村の恩人ですべ!!」
「随分と手厚い歓迎だな」
スフィンは腕を組みながらフンっと笑う。
スフィンは満足気な顔をし、目を閉じて湯を感じていた。
「えぇ、とても……」
ラミッタもそう返してふぅーっと息を吐く。
そんな、束の間の緩やかな時間を邪魔しようとする者が居た。
「よし、そろそろ良い頃合いかな?」
湯に浸かって体も温まり、マッサはそろそろ出るのかと思ったマルクエン。
「もう出ますか?」
「えぇ、そうしましょうか」
そう言ってザバッと湯から上がり、マッサは野風呂を隔てている竹壁へ歩き始めた。
「ま、マッサさん? 出口はあっち……」
「シー、静かにっす」
マッサは竹壁をくまなく見て回り、ガックリと肩を落とし小声で言う。
「女性陣がお風呂を上がるのを待つのは竹壁の前で待つのがベストですぜ!」
「な、何を……」
「その間……。竹壁の隙間に目を近づけるのはいけないことっすかねぇ!?」
「な、何を言っているんですか!?」
「だって、隣には美女!! これが覗かずにいられるかってんですぜ!!」
マルクエンは思わず呆れていた。
「ダメですよ、マッサさん」
「でもマルクエンさんは除いた事があるんでしょ?」
「い、いや、あれは事故で……」
「随分と騒がしいな」
隣から突然聞こえるスフィンの声に、マッサとマルクエンはドキリとし、固まる。
「あ、あー。スフィンさん?」
「貴様らのやろうとしている事など大体見当がつく。この竹を超えてみろ、命は無い」
「そ、そんなことねぇ、するわけないでしょうねぇ!? ねぇマルクエンさん!?」
「あっ、あぁ、えぇ!! まさかそんな事……」
男湯から聞こえる声に、ラミッタは赤い顔を湯船に沈めて『ド変態卑猥野郎』と呟いた。
先に湯から上がったマルクエンとマッサは女湯の二人を待つ。
村人から渡された地酒をマッサは飲み、マルクエンは牛乳を飲んでいた。
「待たせたな」
スフィンとラミッタが風呂から上がり、男どもの元へと歩く。
「命拾いしたな」
「し……、失礼ですね覗きの証拠は? 覗き? 命拾い? 何の事です?」
「私は何もそこまで言っていないのだが。まったく」
呆れるスフィン。そんな四人に村人から声が掛かる。
「皆様、宴の準備ができましたんで、ご案内しますべ」
「おぉ、かたじけない」
腹が減っていたマルクエンは笑顔でそう言いながら、村人の後を付いていく。
「ほ、ほら、宴ですって! 行きましょう!」
マッサも焦りながらマルクエンの後を追いかける。
「やれやれだな」
「男って奴はこれだから困りますね」
村の中心では大きな焚火。所々に小さなかがり火が設置されている。
「祭りの時にやる事なんですが、今日は勇者様が来たお祭りですべや」
「そんな、ここまでして頂かなくても……」
気が引けたマルクエンは照れくさそうに頭を掻いていた。
「何をおっしゃる! 勇者様が来ただけでもめでてぇのに、勇者様は村の恩人ですべ!!」
「随分と手厚い歓迎だな」
スフィンは腕を組みながらフンっと笑う。
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