201 / 241
スフィン
いざ、旅立ち!
しおりを挟む
「まぁいいや。旅の準備だ!! それに仲良くしましょうや!!」
マッサが笑いながら言い。皆を見た。
「それじゃ、俺はギルドで馬車の手配と、他に手続きを済ませてきますわー。皆さんは各自必要なものを買っておいて下さいな」
「必要なものか」
スフィンはうーんと考えてみる。
「小さな街ですが、旅人用に旅の道具の品揃えは良いのでね!」
「よし、分かった。行くぞラミッタ」
「え? あっ、えぇ、はい!」
いつも買い物はマルクエンと一緒だったので、一瞬ポカンとしたラミッタ。
「まさか、私よりもイーヌの騎士と買い物がしたいと?」
「め、滅相もありません!! こんなド変態卑猥野郎なんて知りません!」
しょんぼりマルクエンは余計にしょんぼりとしていた。
買い物も終わり、マルクエンとスフィン達はギルドの前に集まる。
「いやー、お待たせしました。それじゃ行きましょうか!」
扉を開けて出てきたマッサはニコニコ笑って言った。
マッサの後を付いて街を出る三人。
「そういや、マルクエン様とラミッタ様に聞きたかったんですが、試練の塔とはどんな場所だったんですかい?」
その質問に答える前に、かねてから思っていた事をマルクエンは告げた。
「そのー。様付けで呼ばなくても大丈夫ですよ。これから一緒に旅をするのですし」
「だけど、流石に呼び捨てって訳にもいかねーしなー。マルクエンさんとラミッタさんって呼ばせてもらうぜ!」
「そうですね、それで良いです」
勇者と距離が近くなった気がして、マッサも上機嫌だ。
「それで、試練の塔っすよ! どんな所なんですかい?」
「どんな所かと言っても……。本当に不思議な所でした。無限に続く階段に動く石像。塔の中なのに大自然が広がったりと」
「そうなんすか、やっぱ試練の塔ハンパねぇですねー」
そこで口を挟んだのは意外にもスフィンだった。
「信じられんな。それにマッサ、貴様やけに試練の塔とやらを知りたがるな」
「えぇまぁ。冒険者の憧れなんでね。俺も冒険者の端くれですから」
「端くれっていうか、ギルドマスターよね?」
ラミッタがツッコミを入れると、またハハハと笑い出した。
街の外には、マルクエン達が乗ってきた馬車と、手配されたもう一台の馬車が用意されている。
「それじゃ、試練の塔目指してレッツゴー!」
マルクエンが運転する馬車にはラミッタが、マッサの馬車にはスフィンが乗っていた。
馬の体力を考えて別々に乗ることにしたのだ。
ガラガラと馬車が引かれ、途中何回か休憩を挟むと、あたりは夕日で赤く染まっていく。
「それじゃ、野営の準備ですかね―」
手際よくテントを立てるマルクエンとラミッタ。
ラミッタは軍事訓練で慣れていたが、そういった事を配下に任せていたマルクエンもこちらの世界に来てすっかり慣れてしまっていた。
「料理は俺に任せて下さいな」
「私も手伝おう」
手持ち無沙汰なスフィンはマッサの元へと歩く。
「よし、それじゃ初めての共同作業といきましょうか」
「気持ち悪い事を言うな、気持ち悪い」
「そんな二回も言わなくても……」
マッサが笑いながら言い。皆を見た。
「それじゃ、俺はギルドで馬車の手配と、他に手続きを済ませてきますわー。皆さんは各自必要なものを買っておいて下さいな」
「必要なものか」
スフィンはうーんと考えてみる。
「小さな街ですが、旅人用に旅の道具の品揃えは良いのでね!」
「よし、分かった。行くぞラミッタ」
「え? あっ、えぇ、はい!」
いつも買い物はマルクエンと一緒だったので、一瞬ポカンとしたラミッタ。
「まさか、私よりもイーヌの騎士と買い物がしたいと?」
「め、滅相もありません!! こんなド変態卑猥野郎なんて知りません!」
しょんぼりマルクエンは余計にしょんぼりとしていた。
買い物も終わり、マルクエンとスフィン達はギルドの前に集まる。
「いやー、お待たせしました。それじゃ行きましょうか!」
扉を開けて出てきたマッサはニコニコ笑って言った。
マッサの後を付いて街を出る三人。
「そういや、マルクエン様とラミッタ様に聞きたかったんですが、試練の塔とはどんな場所だったんですかい?」
その質問に答える前に、かねてから思っていた事をマルクエンは告げた。
「そのー。様付けで呼ばなくても大丈夫ですよ。これから一緒に旅をするのですし」
「だけど、流石に呼び捨てって訳にもいかねーしなー。マルクエンさんとラミッタさんって呼ばせてもらうぜ!」
「そうですね、それで良いです」
勇者と距離が近くなった気がして、マッサも上機嫌だ。
「それで、試練の塔っすよ! どんな所なんですかい?」
「どんな所かと言っても……。本当に不思議な所でした。無限に続く階段に動く石像。塔の中なのに大自然が広がったりと」
「そうなんすか、やっぱ試練の塔ハンパねぇですねー」
そこで口を挟んだのは意外にもスフィンだった。
「信じられんな。それにマッサ、貴様やけに試練の塔とやらを知りたがるな」
「えぇまぁ。冒険者の憧れなんでね。俺も冒険者の端くれですから」
「端くれっていうか、ギルドマスターよね?」
ラミッタがツッコミを入れると、またハハハと笑い出した。
街の外には、マルクエン達が乗ってきた馬車と、手配されたもう一台の馬車が用意されている。
「それじゃ、試練の塔目指してレッツゴー!」
マルクエンが運転する馬車にはラミッタが、マッサの馬車にはスフィンが乗っていた。
馬の体力を考えて別々に乗ることにしたのだ。
ガラガラと馬車が引かれ、途中何回か休憩を挟むと、あたりは夕日で赤く染まっていく。
「それじゃ、野営の準備ですかね―」
手際よくテントを立てるマルクエンとラミッタ。
ラミッタは軍事訓練で慣れていたが、そういった事を配下に任せていたマルクエンもこちらの世界に来てすっかり慣れてしまっていた。
「料理は俺に任せて下さいな」
「私も手伝おう」
手持ち無沙汰なスフィンはマッサの元へと歩く。
「よし、それじゃ初めての共同作業といきましょうか」
「気持ち悪い事を言うな、気持ち悪い」
「そんな二回も言わなくても……」
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

聖女は聞いてしまった
夕景あき
ファンタジー
「道具に心は不要だ」
父である国王に、そう言われて育った聖女。
彼女の周囲には、彼女を心を持つ人間として扱う人は、ほとんどいなくなっていた。
聖女自身も、自分の心の動きを無視して、聖女という治癒道具になりきり何も考えず、言われた事をただやり、ただ生きているだけの日々を過ごしていた。
そんな日々が10年過ぎた後、勇者と賢者と魔法使いと共に聖女は魔王討伐の旅に出ることになる。
旅の中で心をとり戻し、勇者に恋をする聖女。
しかし、勇者の本音を聞いてしまった聖女は絶望するのだった·····。
ネガティブ思考系聖女の恋愛ストーリー!
※ハッピーエンドなので、安心してお読みください!

原産地が同じでも結果が違ったお話
よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。
視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。

【完結】拾ったおじさんが何やら普通ではありませんでした…
三園 七詩
ファンタジー
カノンは祖母と食堂を切り盛りする普通の女の子…そんなカノンがいつものように店を閉めようとすると…物音が…そこには倒れている人が…拾った人はおじさんだった…それもかなりのイケおじだった!
次の話(グレイ視点)にて完結になります。
お読みいただきありがとうございました。


聖女が降臨した日が、運命の分かれ目でした
猫乃真鶴
ファンタジー
女神に供物と祈りを捧げ、豊穣を願う祭事の最中、聖女が降臨した。
聖女とは女神の力が顕現した存在。居るだけで豊穣が約束されるのだとそう言われている。
思ってもみない奇跡に一同が驚愕する中、第一王子のロイドだけはただ一人、皆とは違った視線を聖女に向けていた。
彼の婚約者であるレイアだけがそれに気付いた。
それが良いことなのかどうなのか、レイアには分からない。
けれども、なにかが胸の内に燻っている。
聖女が降臨したその日、それが大きくなったのだった。
※このお話は、小説家になろう様にも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる