199 / 241
スフィン
酔っ払いスフィン
しおりを挟む
「ふにゃー、もう飲めない……」
ラミッタは酔ってふにゃふにゃになり、その隣でスフィンはグビグビワインを飲んでいた。
「何だ、だらしないぞラミッタ」
そんな事を言うも、スフィンも顔が真っ赤だ。
「まぁまぁ、お水でも飲んで」
マッサが言うも、ラミッタは泥酔し、眠ってしまった。
「えーっと、そろそろお開きですかねー」
「ラミッタは私が宿まで運んでおきますよ」
マルクエンは立ち上がり、いつぞやの日ぶりにラミッタをお姫様抱っこする。
そんな様子を訝しげにスフィンは見ていたが、何も口にすることは無かった。
「それじゃウチの宿まで行きましょうか」
スフィンは立ち上がるが、フラフラとしている。
「スフィンさん。肩でも貸しましょうか?」
「その必要はな……」
そこまで言いかけてスフィンはよろめく。思わずマッサは「おっと」と言いながら肩を掴んだ。
支えられながら千鳥足でスフィンは宿まで何とか歩く。夜空が優しく四人を照らしていた。
「それでは私はラミッタを運んでいきますので」
「うっす、頼みましたよマルクエン様!!」
「それじゃスフィンさん。お部屋まで行きますよー?」
マッサは酔いつぶれたスフィンを部屋まで運び、ベッドに寝かせた。
改めてまじまじと見ると、長いキラキラと輝く金髪に、大きな胸。それに美しい顔立ちと、美人だなとマッサは再認識する。
「それじゃ、いい夢を」
そう言って部屋を出ようとするマッサの腕をスフィンは掴む。
「なっ!?」
びっくりして声を上げるマッサにスフィンは潤んだ瞳で言う。
「私を一人にするな……」
「な、ななっ」
マッサは思わず胸がドキドキとし、普段の掴みどころの無さを消してしまう。
「ど、どうしたんですかいスフィンさん!?」
「私を一人にするな……。しないでくれ……」
ふぅーっと深呼吸をしてマッサは言う。
「わかりましたよ」
「マッサ。今夜は寝かせないぞ……」
「なっ!? それってどういう……」
何かを期待するマッサ。
「私に付き合え」
「わかりました。漢マッサ、据え膳食わぬは漢の恥。今日は……」
「そうか」
スフィンの柔らかい笑顔にマッサの口は思わず止まってしまう。
「よし、分かった。それじゃ早速始めるぞ!!」
「ちょ、ちょっと待ってください、シャワーを……」
「貴様に戦いとは何かを、軍人としての心得を教えてやる!!!」
「……は?」
マッサは間抜けな顔をしていただろう。
「まず第一に、貴様は軽口が多すぎる。軍人たるもの……」
「あ、あの、俺は軍人じゃないので……」
「軍人も冒険者も戦いに身を投じるものとして心得は同じだろう!!」
この後、スフィンの説教は夜が明ける頃まで続いた。
ラミッタは酔ってふにゃふにゃになり、その隣でスフィンはグビグビワインを飲んでいた。
「何だ、だらしないぞラミッタ」
そんな事を言うも、スフィンも顔が真っ赤だ。
「まぁまぁ、お水でも飲んで」
マッサが言うも、ラミッタは泥酔し、眠ってしまった。
「えーっと、そろそろお開きですかねー」
「ラミッタは私が宿まで運んでおきますよ」
マルクエンは立ち上がり、いつぞやの日ぶりにラミッタをお姫様抱っこする。
そんな様子を訝しげにスフィンは見ていたが、何も口にすることは無かった。
「それじゃウチの宿まで行きましょうか」
スフィンは立ち上がるが、フラフラとしている。
「スフィンさん。肩でも貸しましょうか?」
「その必要はな……」
そこまで言いかけてスフィンはよろめく。思わずマッサは「おっと」と言いながら肩を掴んだ。
支えられながら千鳥足でスフィンは宿まで何とか歩く。夜空が優しく四人を照らしていた。
「それでは私はラミッタを運んでいきますので」
「うっす、頼みましたよマルクエン様!!」
「それじゃスフィンさん。お部屋まで行きますよー?」
マッサは酔いつぶれたスフィンを部屋まで運び、ベッドに寝かせた。
改めてまじまじと見ると、長いキラキラと輝く金髪に、大きな胸。それに美しい顔立ちと、美人だなとマッサは再認識する。
「それじゃ、いい夢を」
そう言って部屋を出ようとするマッサの腕をスフィンは掴む。
「なっ!?」
びっくりして声を上げるマッサにスフィンは潤んだ瞳で言う。
「私を一人にするな……」
「な、ななっ」
マッサは思わず胸がドキドキとし、普段の掴みどころの無さを消してしまう。
「ど、どうしたんですかいスフィンさん!?」
「私を一人にするな……。しないでくれ……」
ふぅーっと深呼吸をしてマッサは言う。
「わかりましたよ」
「マッサ。今夜は寝かせないぞ……」
「なっ!? それってどういう……」
何かを期待するマッサ。
「私に付き合え」
「わかりました。漢マッサ、据え膳食わぬは漢の恥。今日は……」
「そうか」
スフィンの柔らかい笑顔にマッサの口は思わず止まってしまう。
「よし、分かった。それじゃ早速始めるぞ!!」
「ちょ、ちょっと待ってください、シャワーを……」
「貴様に戦いとは何かを、軍人としての心得を教えてやる!!!」
「……は?」
マッサは間抜けな顔をしていただろう。
「まず第一に、貴様は軽口が多すぎる。軍人たるもの……」
「あ、あの、俺は軍人じゃないので……」
「軍人も冒険者も戦いに身を投じるものとして心得は同じだろう!!」
この後、スフィンの説教は夜が明ける頃まで続いた。
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

聖女は聞いてしまった
夕景あき
ファンタジー
「道具に心は不要だ」
父である国王に、そう言われて育った聖女。
彼女の周囲には、彼女を心を持つ人間として扱う人は、ほとんどいなくなっていた。
聖女自身も、自分の心の動きを無視して、聖女という治癒道具になりきり何も考えず、言われた事をただやり、ただ生きているだけの日々を過ごしていた。
そんな日々が10年過ぎた後、勇者と賢者と魔法使いと共に聖女は魔王討伐の旅に出ることになる。
旅の中で心をとり戻し、勇者に恋をする聖女。
しかし、勇者の本音を聞いてしまった聖女は絶望するのだった·····。
ネガティブ思考系聖女の恋愛ストーリー!
※ハッピーエンドなので、安心してお読みください!

原産地が同じでも結果が違ったお話
よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。
視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。
ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり
柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、
たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。

【完結】拾ったおじさんが何やら普通ではありませんでした…
三園 七詩
ファンタジー
カノンは祖母と食堂を切り盛りする普通の女の子…そんなカノンがいつものように店を閉めようとすると…物音が…そこには倒れている人が…拾った人はおじさんだった…それもかなりのイケおじだった!
次の話(グレイ視点)にて完結になります。
お読みいただきありがとうございました。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる