189 / 232
スフィン
話し合い
しおりを挟む
「ラミッタ!! 何をしている!! 貴様も戦え!!」
マッサが飛び出してスフィンを捕まえようとする。
「落ち着いてくれよスフィンさん」
スフィンの腕を捕まえ、魔法で縛り上げようとするが。
「離せ!!」
雷の魔法を流されてしまう。
「あびゃー!!!」
感電し、マッサは地面に倒れた。
「これは、仕方がない!!」
マルクエンはスフィンまで一気に距離を詰める。
その圧倒的な速さにスフィンは驚いた。
マルクエンは足を蹴り、スフィンを転倒させる。
そして、転んだスフィンの首に向かって剣をかざし、動けないようにした。
「っく、殺すなら殺せ!!!」
力量の違いを見せつけられ、スフィンはマルクエンを睨みながら言う。
「殺しません。今の私達には戦う理由が無いのです」
「私にはある!! 貴様たちイーヌは我々の故郷を侵略し、破壊した!!」
「っつ……」
マルクエンは否定が出来ず、言葉に詰まる。
「私はイーヌの兵を皆殺す!!」
深い憎しみをその目に宿してスフィンは吐き捨てるように言った。
「スフィン将軍、イーヌを滅ぼすなら、尚更ここは一時休戦しないといけません」
「ラミッタ!! 貴様本当にラミッタなのか!? 何故イーヌの騎士と一緒に居る!?」
「スフィン将軍、あなたは戦場で勇敢なる最期を遂げました。そして私もです」
「何だと!?」
信じられないとばかりにスフィンは目を丸くする。
「スフィン将軍が亡くなった後、私もこの宿敵と戦って命を落としました」
マルクエンは気まずくて思わず視線を落とした。
「そして、この宿敵も恐らくは、戦いの傷が原因で」
「少し待ってくれ、理解が追いつかない」
「ここは、私達が居た世界とは別の世界です。信じられないかもしれませんが、信じて下さい」
スフィンの目から戦う意志が消えたことを感じたマルクエンは、剣を収める。
「本当に……何が起きているんだ!?」
「詳しいことは私にも分かりませんが、どうやら元の世界へ戻るには、この世界の魔王を倒す必要がある……。かもしれないのです」
「そんな話、信じられるか!!」
騒ぎを聞きつけた街の人たちが何だ何だとちらほら集まってきていた。
「とりあえずよ、将軍様。一回落ち着いてお話でもしてみないか?」
電撃を食らって伸びていたマッサが立ち上がり、スフィンに手を差し伸べた。
思わず手を取ると、引っ張られ、立ち上がる。
「いやはや、一時はどーなる事かと思いましたわ」
ミハルはふうっとため息を吐いて言った。
「とりあえず、仲直りって言ったら飯だな。ウチで何か食べましょうや、勇者様方もそれでいいですか?」
「え、えぇまぁ」
マルクエンはそう頷くが、マッサ以外の全員が気まずい。
道中会話もなく、マッサだけが楽しそうに実家のホテルまで歩いていった。
「ねーちゃん。勇者様連れてきたぜ」
「まーた適当言って……って」
マッサの後ろに居るマルクエンとラミッタを見てネーアは驚く。
マッサが飛び出してスフィンを捕まえようとする。
「落ち着いてくれよスフィンさん」
スフィンの腕を捕まえ、魔法で縛り上げようとするが。
「離せ!!」
雷の魔法を流されてしまう。
「あびゃー!!!」
感電し、マッサは地面に倒れた。
「これは、仕方がない!!」
マルクエンはスフィンまで一気に距離を詰める。
その圧倒的な速さにスフィンは驚いた。
マルクエンは足を蹴り、スフィンを転倒させる。
そして、転んだスフィンの首に向かって剣をかざし、動けないようにした。
「っく、殺すなら殺せ!!!」
力量の違いを見せつけられ、スフィンはマルクエンを睨みながら言う。
「殺しません。今の私達には戦う理由が無いのです」
「私にはある!! 貴様たちイーヌは我々の故郷を侵略し、破壊した!!」
「っつ……」
マルクエンは否定が出来ず、言葉に詰まる。
「私はイーヌの兵を皆殺す!!」
深い憎しみをその目に宿してスフィンは吐き捨てるように言った。
「スフィン将軍、イーヌを滅ぼすなら、尚更ここは一時休戦しないといけません」
「ラミッタ!! 貴様本当にラミッタなのか!? 何故イーヌの騎士と一緒に居る!?」
「スフィン将軍、あなたは戦場で勇敢なる最期を遂げました。そして私もです」
「何だと!?」
信じられないとばかりにスフィンは目を丸くする。
「スフィン将軍が亡くなった後、私もこの宿敵と戦って命を落としました」
マルクエンは気まずくて思わず視線を落とした。
「そして、この宿敵も恐らくは、戦いの傷が原因で」
「少し待ってくれ、理解が追いつかない」
「ここは、私達が居た世界とは別の世界です。信じられないかもしれませんが、信じて下さい」
スフィンの目から戦う意志が消えたことを感じたマルクエンは、剣を収める。
「本当に……何が起きているんだ!?」
「詳しいことは私にも分かりませんが、どうやら元の世界へ戻るには、この世界の魔王を倒す必要がある……。かもしれないのです」
「そんな話、信じられるか!!」
騒ぎを聞きつけた街の人たちが何だ何だとちらほら集まってきていた。
「とりあえずよ、将軍様。一回落ち着いてお話でもしてみないか?」
電撃を食らって伸びていたマッサが立ち上がり、スフィンに手を差し伸べた。
思わず手を取ると、引っ張られ、立ち上がる。
「いやはや、一時はどーなる事かと思いましたわ」
ミハルはふうっとため息を吐いて言った。
「とりあえず、仲直りって言ったら飯だな。ウチで何か食べましょうや、勇者様方もそれでいいですか?」
「え、えぇまぁ」
マルクエンはそう頷くが、マッサ以外の全員が気まずい。
道中会話もなく、マッサだけが楽しそうに実家のホテルまで歩いていった。
「ねーちゃん。勇者様連れてきたぜ」
「まーた適当言って……って」
マッサの後ろに居るマルクエンとラミッタを見てネーアは驚く。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
【12/29にて公開終了】愛するつもりなぞないんでしょうから
真朱
恋愛
この国の姫は公爵令息と婚約していたが、隣国との和睦のため、一転して隣国の王子の許へ嫁ぐことになった。余計ないざこざを防ぐべく、姫の元婚約者の公爵令息は王命でさくっと婚姻させられることになり、その相手として白羽の矢が立ったのは辺境伯家の二女・ディアナだった。「可憐な姫の後が、脳筋な辺境伯んとこの娘って、公爵令息かわいそうに…。これはあれでしょ?『お前を愛するつもりはない!』ってやつでしょ?」
期待も遠慮も捨ててる新妻ディアナと、好青年の仮面をひっ剥がされていく旦那様ラキルスの、『明日はどっちだ』な夫婦のお話。
※なんちゃって異世界です。なんでもあり、ご都合主義をご容赦ください。
※新婚夫婦のお話ですが色っぽさゼロです。Rは物騒な方です。
※ざまあのお話ではありません。軽い読み物とご理解いただけると幸いです。
※コミカライズにより12/29にて公開を終了させていただきます。
【完結】ツンな令嬢は婚約破棄され、幸せを掴む
さこの
恋愛
伯爵令嬢アイリーンは素直になれない性格だった。
姉は優しく美しく、周りから愛され、アイリーンはそんな姉を見て羨ましくも思いながらも愛されている姿を見て卑屈になる。
アイリーンには婚約者がいる。同じく伯爵家の嫡男フランク・アダムス
フランクは幼馴染で両親から言われるがままに婚約をした。
アイリーンはフランクに憧れていたが、素直になれない性格ゆえに、自分の気持ちを抑えていた。
そんなある日、友達の子爵令嬢エイプリル・デュエムにフランクを取られてしまう
エイプリルは美しい少女だった。
素直になれないアイリーンは自分を嫌い、家を出ようとする。
それを敏感に察知した兄に、叔母様の家に行くようにと言われる、自然豊かな辺境の地へと行くアイリーン…
我が家に子犬がやって来た!
ハチ助
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる