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修行
勇者になれ
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「なるほど」
二人の見事な連携力にヴィシソワは感心する。
「良いでしょう。認めます。今のあなた達が相手ですと、二人同時は少し厳しい」
「という事は?」
マルクエンが言うと、ヴィシソワは笑って答えた。
「少し甘めですが、合格です。今なら魔人と戦い、犬死にして終わることは無いでしょう」
剣を収めたマルクエンは右手をぎゅっと握って達成感を味わう。
ラミッタは腕を組んで片目を閉じ、ため息をついた。
「これで、一段落ね」
「本当はもっと鍛えたい所ですが、我々には時間が無いのです」
やっと明るい時間に外へ出られたマルクエンとラミッタ。
ヴィシソワが言うには、明日にでも国王から正式な勇者として認められ、旅に出ることになる。
「この城ともお別れか」
久しぶりに昼食を食堂で摂ることができ、しみじみとマルクエンは言う。
「えぇ、特訓は大変だったけど、それ以外の居心地は良かったわ」
特にやる事も無く、時間を持て余したので、二人はそれぞれの部屋へと戻って久しぶりの一人の時間を満喫することにした。
マルクエンは一人になり、ふと色んなことを思い返す。
今や隣にラミッタが居ることが当たり前になってしまっていたが、元々は敵同士だった。
鬼人のように言われていたが、感情豊かで戦い以外では普通の人間。女の子だ。
この世界で彼女の様々な顔をずっと見ていた。
もしも、元の世界に戻ったら……。また、戦うのだろうかと。
ラミッタを殺めたあの時を、また繰り返すのかと。
「宿敵ー」
そんな考えをしていた時、ドアがノックされ、出迎えるとラミッタが立っていた。
「何か辛気臭い顔しているわね」
「あ、あぁ、ちょっとな……」
「クッキー貰ってきたからお茶でも飲みましょ」
ついさっきまでの自分の暗い考えが吹き飛んでしまう感覚だった。
「あぁ、そうだな」
今この時だけは、こうして一緒に居たいと、そう思うマルクエン。
ヴィシソワに合格を言い渡され、これから正式に勇者となる二人。
玉座の間に近付くと、ゆっくりと重い扉が開く。
「改めて。お待ちしていた、異世界の勇者殿」
国王の他に、国のお偉方が十数人待っている。
王の下まで歩き、片膝をついて、かしずく二人。
そして、王が立ち上がり宣言する。
「マルクエン・クライス殿。ラミッタ・ピラ殿。今日この時をもってお二人をこの国の勇者として認める」
二人の見事な連携力にヴィシソワは感心する。
「良いでしょう。認めます。今のあなた達が相手ですと、二人同時は少し厳しい」
「という事は?」
マルクエンが言うと、ヴィシソワは笑って答えた。
「少し甘めですが、合格です。今なら魔人と戦い、犬死にして終わることは無いでしょう」
剣を収めたマルクエンは右手をぎゅっと握って達成感を味わう。
ラミッタは腕を組んで片目を閉じ、ため息をついた。
「これで、一段落ね」
「本当はもっと鍛えたい所ですが、我々には時間が無いのです」
やっと明るい時間に外へ出られたマルクエンとラミッタ。
ヴィシソワが言うには、明日にでも国王から正式な勇者として認められ、旅に出ることになる。
「この城ともお別れか」
久しぶりに昼食を食堂で摂ることができ、しみじみとマルクエンは言う。
「えぇ、特訓は大変だったけど、それ以外の居心地は良かったわ」
特にやる事も無く、時間を持て余したので、二人はそれぞれの部屋へと戻って久しぶりの一人の時間を満喫することにした。
マルクエンは一人になり、ふと色んなことを思い返す。
今や隣にラミッタが居ることが当たり前になってしまっていたが、元々は敵同士だった。
鬼人のように言われていたが、感情豊かで戦い以外では普通の人間。女の子だ。
この世界で彼女の様々な顔をずっと見ていた。
もしも、元の世界に戻ったら……。また、戦うのだろうかと。
ラミッタを殺めたあの時を、また繰り返すのかと。
「宿敵ー」
そんな考えをしていた時、ドアがノックされ、出迎えるとラミッタが立っていた。
「何か辛気臭い顔しているわね」
「あ、あぁ、ちょっとな……」
「クッキー貰ってきたからお茶でも飲みましょ」
ついさっきまでの自分の暗い考えが吹き飛んでしまう感覚だった。
「あぁ、そうだな」
今この時だけは、こうして一緒に居たいと、そう思うマルクエン。
ヴィシソワに合格を言い渡され、これから正式に勇者となる二人。
玉座の間に近付くと、ゆっくりと重い扉が開く。
「改めて。お待ちしていた、異世界の勇者殿」
国王の他に、国のお偉方が十数人待っている。
王の下まで歩き、片膝をついて、かしずく二人。
そして、王が立ち上がり宣言する。
「マルクエン・クライス殿。ラミッタ・ピラ殿。今日この時をもってお二人をこの国の勇者として認める」
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