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アムールトへ
乾杯しておこう
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「服、買っておいて良かったわね」
「あぁ、そうだな」
マルクエンはグレーのジャケットに白いワイシャツとループタイ。茶色のスラックス。
ラミッタは水色のワンピースを着ていた。
「さて、乾杯よ宿敵」
「あぁ、乾杯だ」
氷の入ったウィスキーのグラスと、マグカップに入れられたホットミルクが届き、二人は手に持ってカチンと軽くぶつける。
「はぁー、良いわね昼間から飲むお酒は」
ウィスキーを一口飲むと、焼けるような刺激が喉を通って胃まで流れてゆくのを感じた。
「あぁ」
マルクエンはホットミルクの優しい温度と甘さを味わう。
つまみのポテトフライをむしゃむしゃ食べながら会話をした。
「ねぇ、シヘンとケイ元気にしているかしら」
「シヘンさんとケイさんか」
二人と別れて一週間も経っていないというのに、何だか遠い昔のようだ。
「お二人なら大丈夫だろう。上手くやって行けているさ」
「そうだと良いんだけどね」
昔の思い出話に花を咲かせると、あっという間に時間が経っていた。
「そろそろ、いい頃合いね。私は部屋に戻って寝るわ」
眠たそうなラミッタがそんな事を言い、二人は会計を済ませて部屋に戻る。
「それじゃ、おやすみラミッタ」
「えぇ、夕食まで寝るわ」
マルクエンも部屋着に着替えて、ベッドに横になってボーっとしていたら、いつの間にか寝てしまっていた。
部屋の呼び出しベルが鳴り、マルクエンは目が覚める。
部屋の外にはマスカルが待っていた。
「マルクエンさん!! 魔人に襲われたと聞いた時には肝を冷やしましたよ」
「えぇ、ご心配をお掛けし、申し訳ない」
「お伝えしたい事がありますので、一緒に来ていただけますか?」
「はい」
マスカルに連れられ、マルクエンはホテルの小さな一室へと案内された。
そこでは、ゴーダとアレラ。ラミッタも既に待っていた。
皆が席に座ると、マスカルは話し始める。
「えーっと、何から話したものですかね」
うーんと目を閉じて考えた後に、また語りだす。
「とりあえず。こちらで決まったことからお伝えします。急ですが、明日、我々とともに国王陛下へ謁見して頂きます」
「国王陛下に……」
マルクエンは少し緊張をした。
「そして、国王陛下の前で、お二人の実力を披露して頂きます」
「つまり、誰かと戦うと?」
ラミッタが言うと、マスカルは頷く。
「ご明察です」
「もしかして、マスカルさんと……。ですか?」
マルクエンが尋ねるが、マスカルは首を横に振る。
「いいえ、私よりももっと適任の方が居ます。詳細はご説明できませんが」
ラミッタは、いまいち腑に落ちていなかったが、話は続く。
「あぁ、そうだな」
マルクエンはグレーのジャケットに白いワイシャツとループタイ。茶色のスラックス。
ラミッタは水色のワンピースを着ていた。
「さて、乾杯よ宿敵」
「あぁ、乾杯だ」
氷の入ったウィスキーのグラスと、マグカップに入れられたホットミルクが届き、二人は手に持ってカチンと軽くぶつける。
「はぁー、良いわね昼間から飲むお酒は」
ウィスキーを一口飲むと、焼けるような刺激が喉を通って胃まで流れてゆくのを感じた。
「あぁ」
マルクエンはホットミルクの優しい温度と甘さを味わう。
つまみのポテトフライをむしゃむしゃ食べながら会話をした。
「ねぇ、シヘンとケイ元気にしているかしら」
「シヘンさんとケイさんか」
二人と別れて一週間も経っていないというのに、何だか遠い昔のようだ。
「お二人なら大丈夫だろう。上手くやって行けているさ」
「そうだと良いんだけどね」
昔の思い出話に花を咲かせると、あっという間に時間が経っていた。
「そろそろ、いい頃合いね。私は部屋に戻って寝るわ」
眠たそうなラミッタがそんな事を言い、二人は会計を済ませて部屋に戻る。
「それじゃ、おやすみラミッタ」
「えぇ、夕食まで寝るわ」
マルクエンも部屋着に着替えて、ベッドに横になってボーっとしていたら、いつの間にか寝てしまっていた。
部屋の呼び出しベルが鳴り、マルクエンは目が覚める。
部屋の外にはマスカルが待っていた。
「マルクエンさん!! 魔人に襲われたと聞いた時には肝を冷やしましたよ」
「えぇ、ご心配をお掛けし、申し訳ない」
「お伝えしたい事がありますので、一緒に来ていただけますか?」
「はい」
マスカルに連れられ、マルクエンはホテルの小さな一室へと案内された。
そこでは、ゴーダとアレラ。ラミッタも既に待っていた。
皆が席に座ると、マスカルは話し始める。
「えーっと、何から話したものですかね」
うーんと目を閉じて考えた後に、また語りだす。
「とりあえず。こちらで決まったことからお伝えします。急ですが、明日、我々とともに国王陛下へ謁見して頂きます」
「国王陛下に……」
マルクエンは少し緊張をした。
「そして、国王陛下の前で、お二人の実力を披露して頂きます」
「つまり、誰かと戦うと?」
ラミッタが言うと、マスカルは頷く。
「ご明察です」
「もしかして、マスカルさんと……。ですか?」
マルクエンが尋ねるが、マスカルは首を横に振る。
「いいえ、私よりももっと適任の方が居ます。詳細はご説明できませんが」
ラミッタは、いまいち腑に落ちていなかったが、話は続く。
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