137 / 241
アムールトへ
斬撃
しおりを挟む
勢いを付けたことにより、倍ぐらいの速度で飛ぶことが出来たラミッタ。
火炎を打ち出しながら、それと同時にミネスへ突っ込む。
「追いかけっこでもしようか?」
敵はあえてラミッタの直線上を飛び続ける。
段々と速度が落ち、追いつけなくなるラミッタ。代わりに魔法を打ち出して追尾させた。
「そんなもの当たらないよー」
ミネスは舌を出してあっかんべーと挑発を続ける。
「ムカつくわね」
言葉ではそう言ったが、ラミッタは極めて冷静だ。
「ねー、空も飛べるんだし、魔王軍に入ってよ! 今なら三食昼寝付きで、住む場所もあるし、福利厚生バッチリだよ?」
「お断りするわ」
ラミッタは言葉と共に雷を放つ。
空では追いかけっこが始まっていたが、地上のマルクエンは次から次へと襲いかかってくる狼型の魔物と戦いを繰り広げていた。
「うおおおおお!!!!」
また一匹、脳天に突きをお見舞いして絶命させる。
「くそっ、きりが無いな……」
体力も気力もまだまだあったが、終わりの見えない戦いと上空のラミッタの身を案じて少し不安になるマルクエン。
その瞬間だった。マルクエンの体が青白く光る。
「これは……!!!」
塔で授かった力だ。身は軽くなり、力が漲ってきた。
背後から飛びかかる狼型の魔物を裏拳で殴る。軽く十メートルは吹き飛んだ。
「掛かってこい!!」
マルクエンは思い切り剣を振るう。その時起きた現象にマルクエンは言葉を失った。
刃の軌道をなぞるように、光が現れ、そのまま飛んでいく。
その光に触れた魔物は斬撃を食らったように切れてしまった。
光は貫通し、次々に直線上の魔物を斬り裂いていく。
「な、なんだこれは!?」
考えたいが、押し寄せる魔物の群れがそれを許さない。
もう一度ありったけの力を込めて剣を振ると。またも光の刃が飛び出した。
「これが試練の塔で授かった力とでも言うのか……」
マルクエンは自身を囲む魔物を見て、ふと思い付く。
「何かよく分からんが、くらえ!!!」
マルクエンは剣を横に持ってぐるりと一回転する。
光の刃が円状に広がり、一気に魔物を駆逐していく。
チラリとその様子を見ていたラミッタは驚いていた。
「何あれ!? あんな事出来るの宿敵は!?」
「よそ見しないでー。でもボクもビックリだよ!」
ミネスは腕を組んでうんうんと頷く。
そんなミネスを見上げて、マルクエンは光の刃を飛ばした。
「うわっ、あぶなっ!!」
ミネスはそれを避けるも、渋い顔をして言う。
「なんだか危なくなってきたなー。今日はここぐらいにしておくよ」
そのまま物凄い勢いで、遥か彼方まで飛んでいってしまった。
火炎を打ち出しながら、それと同時にミネスへ突っ込む。
「追いかけっこでもしようか?」
敵はあえてラミッタの直線上を飛び続ける。
段々と速度が落ち、追いつけなくなるラミッタ。代わりに魔法を打ち出して追尾させた。
「そんなもの当たらないよー」
ミネスは舌を出してあっかんべーと挑発を続ける。
「ムカつくわね」
言葉ではそう言ったが、ラミッタは極めて冷静だ。
「ねー、空も飛べるんだし、魔王軍に入ってよ! 今なら三食昼寝付きで、住む場所もあるし、福利厚生バッチリだよ?」
「お断りするわ」
ラミッタは言葉と共に雷を放つ。
空では追いかけっこが始まっていたが、地上のマルクエンは次から次へと襲いかかってくる狼型の魔物と戦いを繰り広げていた。
「うおおおおお!!!!」
また一匹、脳天に突きをお見舞いして絶命させる。
「くそっ、きりが無いな……」
体力も気力もまだまだあったが、終わりの見えない戦いと上空のラミッタの身を案じて少し不安になるマルクエン。
その瞬間だった。マルクエンの体が青白く光る。
「これは……!!!」
塔で授かった力だ。身は軽くなり、力が漲ってきた。
背後から飛びかかる狼型の魔物を裏拳で殴る。軽く十メートルは吹き飛んだ。
「掛かってこい!!」
マルクエンは思い切り剣を振るう。その時起きた現象にマルクエンは言葉を失った。
刃の軌道をなぞるように、光が現れ、そのまま飛んでいく。
その光に触れた魔物は斬撃を食らったように切れてしまった。
光は貫通し、次々に直線上の魔物を斬り裂いていく。
「な、なんだこれは!?」
考えたいが、押し寄せる魔物の群れがそれを許さない。
もう一度ありったけの力を込めて剣を振ると。またも光の刃が飛び出した。
「これが試練の塔で授かった力とでも言うのか……」
マルクエンは自身を囲む魔物を見て、ふと思い付く。
「何かよく分からんが、くらえ!!!」
マルクエンは剣を横に持ってぐるりと一回転する。
光の刃が円状に広がり、一気に魔物を駆逐していく。
チラリとその様子を見ていたラミッタは驚いていた。
「何あれ!? あんな事出来るの宿敵は!?」
「よそ見しないでー。でもボクもビックリだよ!」
ミネスは腕を組んでうんうんと頷く。
そんなミネスを見上げて、マルクエンは光の刃を飛ばした。
「うわっ、あぶなっ!!」
ミネスはそれを避けるも、渋い顔をして言う。
「なんだか危なくなってきたなー。今日はここぐらいにしておくよ」
そのまま物凄い勢いで、遥か彼方まで飛んでいってしまった。
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

聖女は聞いてしまった
夕景あき
ファンタジー
「道具に心は不要だ」
父である国王に、そう言われて育った聖女。
彼女の周囲には、彼女を心を持つ人間として扱う人は、ほとんどいなくなっていた。
聖女自身も、自分の心の動きを無視して、聖女という治癒道具になりきり何も考えず、言われた事をただやり、ただ生きているだけの日々を過ごしていた。
そんな日々が10年過ぎた後、勇者と賢者と魔法使いと共に聖女は魔王討伐の旅に出ることになる。
旅の中で心をとり戻し、勇者に恋をする聖女。
しかし、勇者の本音を聞いてしまった聖女は絶望するのだった·····。
ネガティブ思考系聖女の恋愛ストーリー!
※ハッピーエンドなので、安心してお読みください!

原産地が同じでも結果が違ったお話
よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。
視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。

【完結】拾ったおじさんが何やら普通ではありませんでした…
三園 七詩
ファンタジー
カノンは祖母と食堂を切り盛りする普通の女の子…そんなカノンがいつものように店を閉めようとすると…物音が…そこには倒れている人が…拾った人はおじさんだった…それもかなりのイケおじだった!
次の話(グレイ視点)にて完結になります。
お読みいただきありがとうございました。


聖女が降臨した日が、運命の分かれ目でした
猫乃真鶴
ファンタジー
女神に供物と祈りを捧げ、豊穣を願う祭事の最中、聖女が降臨した。
聖女とは女神の力が顕現した存在。居るだけで豊穣が約束されるのだとそう言われている。
思ってもみない奇跡に一同が驚愕する中、第一王子のロイドだけはただ一人、皆とは違った視線を聖女に向けていた。
彼の婚約者であるレイアだけがそれに気付いた。
それが良いことなのかどうなのか、レイアには分からない。
けれども、なにかが胸の内に燻っている。
聖女が降臨したその日、それが大きくなったのだった。
※このお話は、小説家になろう様にも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる