116 / 241
試練の塔
石像
しおりを挟む
だが、部屋の中は薄暗くよく見えない。
「行き止まりか?」
「いえ、さっきと同じく何か仕掛けがあるはずよ」
ラミッタが照明弾を打ち上げようとした、その瞬間。部屋の燭台へ一斉に火が灯る。
パァッと明るくなり、照らし出されたのは人形の石像だ。
そして、マルクエンは目を疑う。石像が台座から降りて、剣や槍を構えだした。
「戦えって事かしらね?」
ラミッタは剣を抜き、マルクエンも同じく両手で剣を握る。
「行くわよ!!」
「あぁ!!」
数十体居る石像が一斉に襲いかかってくる。
ラミッタは地面を踏みしめ、岩を飛ばす。1体へ直撃し、首がもげた。
その他数体にも岩は襲いかかり、手や足を粉々にする。
「はあああ!!!!」
マルクエンは大剣で石像をねじ伏せる。斬るというよりは砕くに近い。
遠くから弓兵がマルクエンを狙うので、石像の1体を掴み、盾にした。
「ラミッタ!! 頼む!!」
「任せなさい!!!」
ラミッタは岩と雷を飛ばして弓兵を倒す。
マルクエンは掴んでいた石像を蹴り飛ばし、顔を踏みつけ粉々にした。
そのまま剣で周りを取り囲んでいた像を薙ぎ払い、振り下ろされた槍の柄を手で受け止め、こちらに引っ張る。
よろめいた石像を剣で下から斬り上げ、砕く。
ラミッタも剣で武器を弾き、至近距離で雷を発射し、石像を倒していった。
あらかた倒し終えると、ラミッタが何かに気付く。
破壊した像の欠片が宙へ浮き、合体し始めた。
「何よアレ!!」
そのまま十倍はあろうかという大きさの1体の石像になりマルクエン達を見下ろす。
「デカいのが来たな」
「ちょっと時間稼いで」
「あぁ、分かった!!」
ラミッタは気を集中させて詠唱を始めた。マルクエンは巨像の足元にタックルを食らわせてみる。
グラリと、体勢を崩しそうになるが、仕返しとばかりに剣を振られる。
飛び退いて躱したマルクエンは、気を引くために付かず離れずで距離を取っていた。
「今よ!! 離れて!!」
ラミッタに言われ、全力疾走するマルクエン。
「弾け!!」
ピシッと巨像の片足が何かに弾かれ、転倒する。
すかさずラミッタは二撃目を入れた。
「凍てつけ!!!」
瞬時に巨像は氷漬けになり、自由を奪われ、仰向けに固定される。
くるりと方向転換したマルクエンは、高く飛び上がって巨像の額に大剣を突き立てた。
「ぐおおおおおお」
そんな音が響いて、体がサラサラと砂になっていく巨像。
それと同時に、壁も崩れ、階段が現れた。
「これで、終わったのか?」
「そうじゃない? 知らないけど」
マルクエンとラミッタは、上の階を目指して歩き始める。
「行き止まりか?」
「いえ、さっきと同じく何か仕掛けがあるはずよ」
ラミッタが照明弾を打ち上げようとした、その瞬間。部屋の燭台へ一斉に火が灯る。
パァッと明るくなり、照らし出されたのは人形の石像だ。
そして、マルクエンは目を疑う。石像が台座から降りて、剣や槍を構えだした。
「戦えって事かしらね?」
ラミッタは剣を抜き、マルクエンも同じく両手で剣を握る。
「行くわよ!!」
「あぁ!!」
数十体居る石像が一斉に襲いかかってくる。
ラミッタは地面を踏みしめ、岩を飛ばす。1体へ直撃し、首がもげた。
その他数体にも岩は襲いかかり、手や足を粉々にする。
「はあああ!!!!」
マルクエンは大剣で石像をねじ伏せる。斬るというよりは砕くに近い。
遠くから弓兵がマルクエンを狙うので、石像の1体を掴み、盾にした。
「ラミッタ!! 頼む!!」
「任せなさい!!!」
ラミッタは岩と雷を飛ばして弓兵を倒す。
マルクエンは掴んでいた石像を蹴り飛ばし、顔を踏みつけ粉々にした。
そのまま剣で周りを取り囲んでいた像を薙ぎ払い、振り下ろされた槍の柄を手で受け止め、こちらに引っ張る。
よろめいた石像を剣で下から斬り上げ、砕く。
ラミッタも剣で武器を弾き、至近距離で雷を発射し、石像を倒していった。
あらかた倒し終えると、ラミッタが何かに気付く。
破壊した像の欠片が宙へ浮き、合体し始めた。
「何よアレ!!」
そのまま十倍はあろうかという大きさの1体の石像になりマルクエン達を見下ろす。
「デカいのが来たな」
「ちょっと時間稼いで」
「あぁ、分かった!!」
ラミッタは気を集中させて詠唱を始めた。マルクエンは巨像の足元にタックルを食らわせてみる。
グラリと、体勢を崩しそうになるが、仕返しとばかりに剣を振られる。
飛び退いて躱したマルクエンは、気を引くために付かず離れずで距離を取っていた。
「今よ!! 離れて!!」
ラミッタに言われ、全力疾走するマルクエン。
「弾け!!」
ピシッと巨像の片足が何かに弾かれ、転倒する。
すかさずラミッタは二撃目を入れた。
「凍てつけ!!!」
瞬時に巨像は氷漬けになり、自由を奪われ、仰向けに固定される。
くるりと方向転換したマルクエンは、高く飛び上がって巨像の額に大剣を突き立てた。
「ぐおおおおおお」
そんな音が響いて、体がサラサラと砂になっていく巨像。
それと同時に、壁も崩れ、階段が現れた。
「これで、終わったのか?」
「そうじゃない? 知らないけど」
マルクエンとラミッタは、上の階を目指して歩き始める。
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

聖女は聞いてしまった
夕景あき
ファンタジー
「道具に心は不要だ」
父である国王に、そう言われて育った聖女。
彼女の周囲には、彼女を心を持つ人間として扱う人は、ほとんどいなくなっていた。
聖女自身も、自分の心の動きを無視して、聖女という治癒道具になりきり何も考えず、言われた事をただやり、ただ生きているだけの日々を過ごしていた。
そんな日々が10年過ぎた後、勇者と賢者と魔法使いと共に聖女は魔王討伐の旅に出ることになる。
旅の中で心をとり戻し、勇者に恋をする聖女。
しかし、勇者の本音を聞いてしまった聖女は絶望するのだった·····。
ネガティブ思考系聖女の恋愛ストーリー!
※ハッピーエンドなので、安心してお読みください!

原産地が同じでも結果が違ったお話
よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。
視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。

【完結】拾ったおじさんが何やら普通ではありませんでした…
三園 七詩
ファンタジー
カノンは祖母と食堂を切り盛りする普通の女の子…そんなカノンがいつものように店を閉めようとすると…物音が…そこには倒れている人が…拾った人はおじさんだった…それもかなりのイケおじだった!
次の話(グレイ視点)にて完結になります。
お読みいただきありがとうございました。


聖女が降臨した日が、運命の分かれ目でした
猫乃真鶴
ファンタジー
女神に供物と祈りを捧げ、豊穣を願う祭事の最中、聖女が降臨した。
聖女とは女神の力が顕現した存在。居るだけで豊穣が約束されるのだとそう言われている。
思ってもみない奇跡に一同が驚愕する中、第一王子のロイドだけはただ一人、皆とは違った視線を聖女に向けていた。
彼の婚約者であるレイアだけがそれに気付いた。
それが良いことなのかどうなのか、レイアには分からない。
けれども、なにかが胸の内に燻っている。
聖女が降臨したその日、それが大きくなったのだった。
※このお話は、小説家になろう様にも掲載しています

もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる