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ジャガの街
剥ぎ取り
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「いやまぁ、なんだ。竜が倒れたってならめでたいことだ!! 早速ギルドとウチの若い衆で鉱脈の竜を解体するぜ!!」
「そうね、ギルドにも報告しておかなくちゃね」
ラミッタの言葉にマルクエンも頷く。
「そうだな、行くか」
「俺も付いていくぜ!」
サツマも連れて、マルクエン達は冒険者ギルドへと向かう事となる。
ギルドの扉を開けると、相変わらず冒険者たちで賑わっていた。
受付嬢がマルクエン達を見ると、こちらへ駆け寄ってくる。
「皆さん達!? ど、どうしたんですか!? 何か竜でトラブルでも!?」
「いえ、倒し終えた所です」
「そうですか、倒し終え……。って倒し終えたあぁぁぁー!?」
その大声でギルド内の冒険者達が一斉にこちらを向く。
「こ、鉱脈の竜が倒れたのか!?」
「あぁ、そうだとも!!」
サツマがマルクエン達の代わりに言うと、ギルド内ではどよめきが広がった。
「騒がしいと思ったら、どうやら片付いたようですね」
冒険者ギルドのマスター、バレイが奥から出てくる。
「さっそく竜の回収クエストを出しましょう。特別手当付きで、ね」
ギルド内が「わあああ」っと盛り上がり、拍手喝采だった。
マルクエンやシヘン、ケイは照れ、ラミッタは片目を閉じてため息をつく。
急遽募集された竜の回収というクエストには、冒険者が殺到し、あっという間に回収隊が組めた。
マルクエン達も手を持て余していたので手伝うことになる。
「こいつが鉱脈の竜か……」
竜の亡骸を見てサツマがポツリと呟く。
「伝承通り、ガッチガチだな」
持っていた斧の背で頭の金属部を叩くと、カンカンと音が鳴った。
「いい武器は作れそうですか? サツマさん」
「おう、任せてくれ!!!」
鍛冶職人と冒険者達がせっせと竜の鱗を一枚一枚剥がしている。
マルクエンは力のいる場所を任され、ラミッタは先程の断頭台の魔法で竜を小分けにしていた。
「すげー魔法だ……」
魔法使いの冒険者は思わず見惚れ、そうでない者も作業の手を止めて見ている。
すっかり日が暮れると、残りの作業は明日に持ち越しとなる。
マルクエン達は竜との戦いよりも、解体作業の方に疲労を感じていた。
そして、ギルドの食堂では今日。特別メニューが振る舞われるとの事で夜だが賑わっている。
「お待たせ致しましたー。鉱脈の竜のステーキです!!」
運ばれてきたのはあの竜の肉だ。竜の肉は高級食材であり、食べると力を得られるとも言われている縁起物でもあった。
「これ、あの竜よね。本当に食べられるのかしら?」
香ばしい匂いを放っているが、ラミッタは怪訝そうな目で運ばれてきたそれを見る。
「そうね、ギルドにも報告しておかなくちゃね」
ラミッタの言葉にマルクエンも頷く。
「そうだな、行くか」
「俺も付いていくぜ!」
サツマも連れて、マルクエン達は冒険者ギルドへと向かう事となる。
ギルドの扉を開けると、相変わらず冒険者たちで賑わっていた。
受付嬢がマルクエン達を見ると、こちらへ駆け寄ってくる。
「皆さん達!? ど、どうしたんですか!? 何か竜でトラブルでも!?」
「いえ、倒し終えた所です」
「そうですか、倒し終え……。って倒し終えたあぁぁぁー!?」
その大声でギルド内の冒険者達が一斉にこちらを向く。
「こ、鉱脈の竜が倒れたのか!?」
「あぁ、そうだとも!!」
サツマがマルクエン達の代わりに言うと、ギルド内ではどよめきが広がった。
「騒がしいと思ったら、どうやら片付いたようですね」
冒険者ギルドのマスター、バレイが奥から出てくる。
「さっそく竜の回収クエストを出しましょう。特別手当付きで、ね」
ギルド内が「わあああ」っと盛り上がり、拍手喝采だった。
マルクエンやシヘン、ケイは照れ、ラミッタは片目を閉じてため息をつく。
急遽募集された竜の回収というクエストには、冒険者が殺到し、あっという間に回収隊が組めた。
マルクエン達も手を持て余していたので手伝うことになる。
「こいつが鉱脈の竜か……」
竜の亡骸を見てサツマがポツリと呟く。
「伝承通り、ガッチガチだな」
持っていた斧の背で頭の金属部を叩くと、カンカンと音が鳴った。
「いい武器は作れそうですか? サツマさん」
「おう、任せてくれ!!!」
鍛冶職人と冒険者達がせっせと竜の鱗を一枚一枚剥がしている。
マルクエンは力のいる場所を任され、ラミッタは先程の断頭台の魔法で竜を小分けにしていた。
「すげー魔法だ……」
魔法使いの冒険者は思わず見惚れ、そうでない者も作業の手を止めて見ている。
すっかり日が暮れると、残りの作業は明日に持ち越しとなる。
マルクエン達は竜との戦いよりも、解体作業の方に疲労を感じていた。
そして、ギルドの食堂では今日。特別メニューが振る舞われるとの事で夜だが賑わっている。
「お待たせ致しましたー。鉱脈の竜のステーキです!!」
運ばれてきたのはあの竜の肉だ。竜の肉は高級食材であり、食べると力を得られるとも言われている縁起物でもあった。
「これ、あの竜よね。本当に食べられるのかしら?」
香ばしい匂いを放っているが、ラミッタは怪訝そうな目で運ばれてきたそれを見る。
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