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異世界の日常

またも再会のシチ

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 次の日、四人は一つの部屋に集まり、ラミッタが話し始める。

「この街とは今日でおさらばね。魔王の情報が集まらないわ」

「そうだな、次の街へと向かうか」

 マルクエンは頷いて言う。

「シヘンさんの村から離れていってしまうが、大丈夫ですか?」

「えぇ、私は平気です!」

「それじゃ、早速出発するッスか?」

「そうね、今から出れば夕方前には次の街に着くことが出来るわ」

 四人は街を後にし、街道を歩き出した。

 道中の魔物はシヘンとケイの練習用に任せ、マルクエンとラミッタは見守ることに徹する。

「はい、この辺りで休憩ね」

「あー疲れたッスー」

 そんな事を言うケイを見て少し笑い、シヘンはお弁当を取り出した。

「作っておいたんです。食べて下さい」

「ありがとっ、それじゃ頂こうかしら」

「あぁ、シヘンさんありがとう」

 サンドイッチを掴んで皆で食べる。

「美味しいわシヘン」

「ありがとうございます!」

 ラミッタに言われてニコッと笑顔を返すシヘン。マルクエンも感想を言った。

「本当、美味しいです。毎日食べたいぐらいですよ」

「えっ、その、毎日……、ですか?」

 シヘンは思わず顔を赤らめて下を向く。ラミッタはマルクエンを不機嫌そうな顔で見た。

「何言ってんのよ、ド変態卑猥野郎」

「えっ、私は何かおかしい事でも言ったか?」

 昼食が終わり、やっと次の街が遠くに見えてきた。そんな時だ。マルクエン達の前に立ちふさがる影があった。

「私の下僕候補よ、今日こそ屈服させてあげるわ!!」

 白い肌に黒いドレスとゴスメイク。黒魔術師のシチ・ヘプターだった。ついでにちっこい手下も居た。

「お前は、シチ・ヘプター!!」

 マルクエンは名前を口に出して剣を引き抜いた。

「なっ、えっ、な、名前覚えていてくれたの!? じゃなくて、覚えていたのか、流石、下僕候補ね」

 少し嬉しそうなシチだったが、冷静さを取り繕う。

「あんた達、懲りないわね」

 ラミッタも剣を構えて呆れていた。

「あなたは魔剣士ね。今日こそ倒してあげる」

 シチは炎の魔法を数発打って寄越した。ラミッタは軽々とそれらを避けて地面を強く踏む。

 すると、シチの立つ地面が急に盛り上がり、壁が出来た。その壁に捉えられたシチと手下は身動きが取れなくなった。

「ふん、この程度……」

 魔力を送り込んで解除しようとするが、シチは驚く。魔力が壁をつたい、地面へと流れ出て行ってしまうのだ。
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