伎芸天 時を越えた微笑み

小笠原雅

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青空の下で

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24、青空の下で 

ショッピングセンターの一両側には華やかな色彩の季節の服が並んでいて、今週末に来るだろうアイドルの写真が通りの真ん中に設置されている。その間をすり抜けるように悠太は速足で歩いている。私はそれを追いかけるしかない。さっき買ったペットショップの前を通りすぎるとえれ エレベーターがあるそこでやっと悠太が足を止めてくれた。
「何をするの?」私は知っていながら聞き直した。
「また、とぼけたことを言うんだな、裸でちんちんするっていったでしょ」
 わたしは声がでない。
「ほんとはあの店でやってもらいたかったんだけど、ゆっくり楽しめそうにないからね」
 そう言ってエレベーターの階を示すランプを眺めてる。
 私は今でさえ透けているかもしれない白いブラウスの前に腕を当て周りを気にしながら立っているのに、悠太は平然とエレベーターを待っている。到着のベルの音が鳴ってドアが開くと初老の男性が下りてきた。私の体を舐めるような視線で眺めている。それに悠太も気が付いた。
「おやじさん、みてたよね。スケベな女だってそんな顔してたよ」
 そう話しながらエレベーターに乗り込み、満足げに屋上階のボタンを押した。
 上に昇る箱の中は広い、壁の一部が鏡になっている。其処に映るのは不釣り合いな中年女と若い精悍な男。悠太は笑顔で私を鏡に体を向けさせ、ボタンをしていないブラウスの前をはだけた。外向き胸の膨らみをそっと手を添えて突き出すように、鏡に見せつけるように掴みだした。何度も乗ったこの箱の中で、私はいったい何をしているのだろう。うとその恥ずかしい一面と触ってもらえてる喜びとでため息がでる。
 手から伝わる刺激に酔う暇もなくエレベーターは屋上階についた。悠太がドアに気を取られているうちに、私は衣服を整え降りる準備をした。悠太がエレベーターのドアの開くのに気を取れれてるうちにブラウスの合わせ目を閉じた。
 こんな非常識な事をしてるのに心は残念で仕方ない。
 ドアは開いたが乗り込む客はない様だ。目の前は自動ドアのガラスの向こうに夏の太陽に焼けた駐車場のアスファルトと車のボンネットが焼けてハレーションを起こしている。
 後ろから悠太がまた抱きしめて来た。押される様にエレベーターの箱から降りエレベーターホールに立った時、スカートがまくまくりあげられ下着を着けてない私の股間があらわになった。うっすらと目の前のガラスで出来た、自動ドアに私と雄太の姿が鏡のように写っていて、私はうっとりした瞳をして雄太にもたれかかっている。
 こんな場所でいやらしい姿をした女が自分だとわかるまで時間がかかった。それまではなんていやらしい女なんだろうと言う軽蔑の上で自分を見てていたのだ。
 エレベーターホールの向こうは夏の焼けた屋上階の駐車場が広がる、今日は停めている車の台数も少ないようだ。後ろから抱きかかえられるように箱から降りたその時。悠太は私のスカートをまくり私の股間の肉の合わせ目に指を添わせた。やさしく指を動かしながら。
「今日は人がいないね。ここで犬になってあそぼうか?」
 もう私はなんでもいいって気持ちになった。雄太がいいことは私にとっていいことなんだと思う。もっと感じたくて足を広げて触ってもらってる腕を抑えてみた。
「もうとろろだね、っていつもそうだよね」悠太の指が少し曲げながら肉ツボの中に入ってくるもう少しで、もう少しで高みに昇れると思ったら指を抜かれた。
「それじゃ。行こうか?」すたすたとまた悠太は歩き出した。
 離れたところに白いSUVが止まってる、エントリーボタンを押して私が持っている首輪とカバンを後部座席に乗せた
 車が止まってる場所はちょうど駐車場の角になっていて、エレベーターホールから見て死角になる。
「そうだな、着けてあげよう」悠太は楽しそうに首輪を取り出して、値札をはずいている。
「最初はこっちだな」首にちょうど食い込むぐらいの犬の首輪を取り上げて私の後ろに回りつけてくれた。冷たい皮の感触が心地いい。その時の気持ちはなんだろう「安心感」その人のものになった喜びみたいなものが私の胸に広がる。
「どうしたの?」顔を見られたくない。もうどうしようもなく気持ちいい。
「そしたら服を脱いで」
 私はスカートのホックを外し服が汚れるのも気にせず足下に落とした。ブラウスは悠太に脱がせて貰った彼は手慣れた風に折りたたんでくれた。
 私はそれさえももどかしい。
 早く抱きついて彼の胸の中に居たかったから。
 悠太はそれを察してくれたのか笑いながら小判型のチェンで出来たリードを首輪につなげてくれた。
 少し引っ張られただけで身体も動く。鎖を引っ張る腕も筋肉が盛り上がりカッコいいと思ってしまう。
「座れ!」悠太が言う。
 私はディズニーの映画に出て来る様な犬のキャラクターでもなったつもりでお行儀よく座った。
 でも頭の中はあのエレベーターホールの夜の様な事がしたい気持ちでいっぱいだった。
 抱き着きたいがそうさせては貰えない。舐めたい物がこの近くにあるのに
 だんだん焦って来る。
 誰が来るかもわからない場所なのだ。
 悠太は笑って
「お周り」「お手」と言う。
 「チンチン」はこうするんだと教えて貰った。
「お相撲さんの様に座って、そうそう。招き猫の様に手を可愛く上げて、もう片手は股間の真珠を自分でいじるんだよ」
「いいかい?チンチン!」
 私は車と屋上の壁間にしゃがみ込んでチンチンをした。
 もう溢れるぐらいに愛液が流れていて痒いぐらいになっている。
 悠太は白い車にもたれて、真剣な目でスマホで写真を撮っている。
 見て欲しい。見て欲しい。
 ほらここがこんなに濡れて、ビチャビチャと音が聞こえる。
 少しだけと思って初めたのに手が止まらない。
「犬になりたい。犬になりますから私だけを見て、ここを見て欲しいの。
 ああ、たまらない、ここを見て、見て!」
 私の目の中には青い空と、白い車と、悠太だけしか見えない。

 「うわー」
 の太い声を出す男がいた。
 さっきエレベーターですれ違った男だ。
 きっとつけて来て覗いていたのだ。
 知らない男に見られた衝撃が、私のおへその下に殴られた様な衝撃を感じた。きっと子宮が痙攣したのだろう。凄い感じた事のないオーガズムビクビクと腰が震えおしっこが勝ってに出て来て止まらない。
 どうしようも無くして私は気が遠くなってしまった。 

 
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