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首輪

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22、首輪

 悠太が席から立ち上がり、バイバイと右手を軽く上げて小さく手を振ったのをみて私はハッとした。
 怒らせてしまったのだ。このままではもう会えないかもしれないと言う恐怖が私を襲った。慌てて飲み物を片付けて悠太が怒った後を追いかけた。
 でもすがりつけない。
 まるで駄々をこねる犬が飼い主に置いていかれようとする時、その犬は逃げないが、近づくこともできず。自分の主張を、主人の足元にいかないと言うことで表現しようとする。
 今の私は全く同じだ。
 最近出来た郊外型のショッピングセンターは平日の昼間は人が少ない。
 悠太は爽やかで鍛えた身体つきが見て取れる好青年。
 その後に若作りした40女が後を追ってる。でも誰に見られようがどうでも良い。なんとか悠太の機嫌を直して貰ってあの笑顔でもう一度見つめて欲しい。
 2度ほど振り返って貰った。どうやら後ろにいるのは気づいているようだ。悠太は怒ったように早足でそして大きな歩幅で、ずんずんとショッピングモールの中を歩いていた。
 その先に何か見つけたのだろうか?立ち止まった。腰に手を当てて何か考える素振りを見せた。
 こちらに振り向いて私に手を差し出して来い来いと言う手振りを見せる。  
 私は許してもらえたのかと少し期待を持って、でも半分怯えながら悠太のもとに小走りで駆け寄った。
 追いついたと同時に私の肩に手を回してグッと抱き寄せてきた。私は少し怯えながら、持っていたカバンを胸に当てるようにして身をすくめてしまう。
 耳元に口を近づけ、何か伝えようとする。
 少し笑いながら。
 小さな声で悠太はびっくりする事を言った。
「いいか、あの店が見えるだろう?そうだ、そこのペットショップだ。
 あそこでお前の首に合う犬の首輪を買ってこい。」
 優しい声で、でも命令なのがハッキリとわかる男の低い声だ。
 「いいな!」そう言って目を見つめられるとゾクゾクとしてしまう。
「それとお前の今つけてるブラとパンツをトイレで脱いで戻ってくるんだ。いかわかったな」
 「俺はあのカフェテリアで、そうだあの席だ、あの店で座って待っている」
 「そーだなぁ時間は20分だぞ。あそこにある時計を見ろ。さっさと買って、さっさと下着を外して、ここに戻ってくるんだ。わかったな」
 今日は夏の暑い日、私はハイウェストの白のスカートに白いブラウス。黒の夏向きのカーディガンを羽織って来た。ブラを外してしまうと乳首まで透けてしまうんじゃないかと思うとすごく怖い気がした。子供の産んだ私の胸の突起は色が黒ずんで人に見てもらうようなものじゃない。若い女のような上を向いた可愛らしいものじゃない。黒ずんで突起の周りまで黒くなってしまっている。女だったら目敏く見られて軽蔑の視線が来るだろう。
 白いハイウエストのスカートも裏地があるとは言え、張り付いてしまうと透けてしまう。下着をつけてない変態の私を周りの女達はどう思うだろうと私は思った。
 私は声には出さないが、色んな不満を心で呟きながら悠太の顔を見ていた。
「首輪を買ってこいお前に似合うよ」と言われたことが心に染み込む。
 それをつけて雄太に引っ張ってもらって犬みたいに歩く。いや犬のようになれそう思うと、とろけてしまいそうな気持ちになった。
「それじゃあ俺が持ってるからな」と言うと私のお尻を強い力で、平手で叩いた。刺激がお腹の女の宮に届き私全体を突き上げる。
「ああ」っと声を出した。
 ごめんなさい。私はもうそれだけでいきそうになってしまう変態な女。
 心の中でつぶやきながら私はペットショップに向かった。

 ペットショップの店員さんは若くてかわいい女性だった。遠目で私を見て離れた所で商品を品出ししているようだった。
 悠太が言うお使いの内容はこのセリフを言う事だ。
「自分の首と同じサイズ、これぐらいの太さの首輪が欲しいんです」
 悠太は面白いんだろうか笑いながら、
 「首の太さを手で測って伝えるんだよ」イヤなんて言わない。立ち止まってくれたから彼が喜ぶならなんでもするしなんでもできる。
 心の中で何回も繰り返し復唱しながら、店員さんのほうに進んだ。
 私は自分の首の太さを手で輪っかを作って「これぐらいの大きさの首輪をください」と伝えた。
 不思議に驚いたような顔をせずに、何でもなさそうな顔をして店の首輪を吊り下げてる棚に案内してくれた。
 「こちらになります」と言ってその場から立ち去る時、意味がわかった様に頷き、軽蔑するような目で見て来た。私は自虐感に襲われた。
 犬の首輪を自分にはめて喜ぶ女、なんてことだろう。私はほんとに変態のクソ女なんだ。
 ペットショップのカウンター越しに雄太の姿が見えた雄太はカフェテリアの、白いテーブルの前に足を組んで座っている。スマホのゲームに夢中になって時間をつぶしている。
 進められた首輪で悠太が喜んでくれるかどうかわからない。少しでも見て欲しいと思ったけれど、雄太がこっちを振り向いてくれる事はなかった。
 会計を済まして私はトイレに向かった、悠太の言う通り下着を外すために。
 トイレの中の鏡を覗き込むと私は興奮して顔を真っ赤にしていた。欲情した牝犬、今はみんなに私をそう呼んで欲しい。
 私は今日のために白のレースでデザインされた下着を買って付けていた。 
 ホントなら矯正された私の体を悠太に見て欲しいと思ったのだが、今となってはそれはもうどうでもいい。悠太がそうしろと言うなら私はそうしてしまうんだ。
 キャミソールを脱いでブラを外した。私の崩れた胸の形を見て雄太はどう思うだろうか?
 私は簡単に下着を丸めてバックの中に押し込んだ。ガードルを脱いで下着に着いた愛液をテッシュに丸めて包んだ。スカートの裾を直してをブラウスのボタンを止め直した。
 個室から出て鏡の前でカーディガンは羽織る。崩れてしまった身体がダランとしてしまった気がする。
 ブラウスに透けてる私の肌の色。
 見られてしまう。でもそれが凄く興奮させる。指で股間の快感のスイッチを今すぐ触りたい。
 そう思った時年配の婦人が入ってきた。胸を隠すように押し出されたような雰囲気でトイレから出た。
 今日は人が少ないのが助かる。私のうちふとももに汁が流れるのを感じた
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