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寂しげな犬

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18、寂しげな犬

 俺は酔った若い女を持て余しながら行きつけの店のドアを開けた。
 40過ぎた位の女がカウンターバーの隅っこに座っていた。文子だった。
 凄い相性の良い女だったが、相手は既婚者だ。沼ってしまってはいけない俺はしばらく距離を置いていた。
 特にこの女のハマり方は普通じゃない。ここから眺めるこの女の印象とはかけ離れている。それが面白いのだが困ったものだ。
 会社と同僚と一緒だったので関係性が知られたくない俺は、空いているカウンターの真ん中の席に後輩と一緒に座った。
 文子を見た時の一瞬で何か感じたのか女の勘だろうか、後輩はその女をチラチラ見ながら嫉妬?警戒?なのかわからないが、酔ったフリしてさっきより大胆に俺の腕に抱き、胸を押し付け甘えてきた。奥に座る女に見せびらかすように。
 同じジムに行ってるだけあってこの若い女は、鍛えた身体で脂肪が少ない足を見せつける。深いスリットの入ったニットのタイトなワンピース、裾も気にせず何度も足を組み替えている。  
 綺麗だと思うが最近コンプライアンスとかわけのわからない言葉が頭の中に張り付いて手を出すことができない。それにさっきまで会社関係の飲み会でこの女は俺の事ばかりを見ていた。この店に連れてきたのは間違いだった。ついつい酒の勢いで連れてきてしまったのだが、まさかネットで知り合った身体の関係のある女とここで出会ってしまうなんて。
 文子はトイレに立ったようだ。そう思ったのに案外早く戻ってきて席に座ろうとした、その時目が合った。

 その女はまるでおいてけぼりにされた犬のようだった。
 澄んで遠くを見るようなさみしげな悲しげな。
 じっと体を固まらせて何かを言いたげな顔をしている。
 俺はサッと目を逸らせたがそんな印象が頭の中に残った。
 知り合いと思われたくない俺は後輩のほうに目を向けて、今彼女が俺に話しかけたことをもう一度聴き直したりして興味を示した。
「やだ、聞いてなかったんですか?」 後輩は両手で俺の体を押しながら背中側にある女の方に視線を投げた。
 文子は、はっと気づいたように自分の荷物を取りマスターにお金を支払って身を隠すように頭を下げて店から出て行った。
 なぜかみんなが無言になり静かな時間が流れた。
 マスターが文子の飲み物を片付けようとすると、トイレから帰った時に渡したおしぼりの下に彼女のスマホを見つけた。マスターが小さな声を上げて手に取って「お客さん!」と言うがもう彼女の姿は店にはない。
 彼女は今頃地下に潜るあの階段を登り始めているんだろう。
 無意識に俺はマスターからそのスマホを取って彼女に届けようと追いかけて店を飛び出した。
 階段を上り、駅のほうにしばらく走ったが彼女はいない。
 振り向いて店のほうに戻ろうかと思うと、遠くのほうに駅から離れた方向に女らしい人影が見えた。人通りの少ない方向に彼女はとうとうと歩いていた。急いで走った。
 やっと追いつきそうになると、足音に気が付いた文子は立ち止まり俺を驚いた顔をして見てる。
 彼女に追いつきスマホを差し出して手を伸ばした時、その差し出した腕の下に、頭を潜らせるようにしがみつかれた。ラグビーをやっていたせいか自然と体を回転させてかわそうとしたのだが、必死の形相に気がつき気を緩めてしまった。されるがままに大通り面した雑居ビルの中に押し込まれてた。
 夜の繁華街オートロックの無い雑居ビルの奥のエレベーターホール。
 壁まで押し込んでそのままの格好で、女は俺の股間に必死に顔を押し付けている。

 驚いた。誰が来るかわからない。
 薄暗く奥まった空間に安っぽい蛍光灯が一本だけ、やっと光っているような場所で、文子は何も言わずに、俺のズボンのベルトとチャックを緩め始めた。
 その時、目は先程の遊んでもらえない淋しげない犬の目のままだ。それを見てしまうと言葉が出ない。
 チャックをおろし少し汗ばんだトランクスを顔に押し付けて文子は匂いを嗅いでいる。ハァハァと荒い息を吐きトランクスに染み付いた汗を布地から吸うように口を付けて吸っている。
 「我慢出来ない」と呟いて、両手で勢い良くブリーフを引き下ろした。大切な物を扱うように、まだ硬くならないままのシンボルを引っ張り出し口の中に入れてしまった。
 もう一度文子と目があった。文子の目は大きく見開いて、顔を真っ赤にして鼻の穴を広げて、思いっきり発情メス丸出しで興奮している。
 硬くないシンボルを咥え、舌全体でしゃぶり舐め廻す。少し血がみなぎると右手を添えてしごき出している。嬉しそうに「うー」と声を出し、裏筋を舐め上げる。歯が強く当たった。
両手で押し返し平手打ちを頬に2発入れてやった。
 文子は泣いた、声を出さずに
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