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シングルモルトの香り
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7、シングルモルトの香り
悠太の笑顔が酔いに連れて顔が赤くなってくるのがわかる。それが少しおかしくて笑顔になった。ほんとに好きなんだなって思うほど話しが止まらない。
「スコットランドの緯度はね北海道より高い所にあるんですよ、実はこの風土こそがスコッチウイスキーを生み出したんですよ。」
手を高い所に置いて「ここが北海道だとするとここぐらいかなぁ」
少し首を傾げて「わかって貰える?」って聞いてくる。
「わかるわよしっかり聞いてますよ」
男は右手で後頭部を掻きむしりながら残念そうな声を出して、おつまみのチョコを口に含んでまた話し出した。
「シングルモルトの故郷の井戸水は、ウイスキーマンがウイスキーの仕込みに最適と言うんだけど、茶色い水になっていてね」
私の水割りのグラスをみて、
「もうちょっと濃い色、初めて見た時錆水かなって思うほど」
少し寄り目になっ信じられる?って聞くように顔を覗き込んで来るのが笑える。
日に焼けてるけど肌はきれい、目の奥にすーっと引き込まれそうな黒い色、真顔になったときのキリッとした顔は私の好み。
マスターが口を挿んだ。
「スコットランドの多くの川の水は褐色を帯びているし全部がそんな色をしてるんだよ」
私がマスターの方法振り向いて話を聞こうとすると、彼は私の両肩をがっしりと握って自分のほうに私の体を向けた、そしてマスターが良い終わる前に。
「地方でバーに行けばウイスキーの水割り用にカウンターに置いてあるジャグの水は茶色で、 最初はこんな水は口に入れて大丈夫かなと心配するほどなんですよ」
「地元の人は"ウイスキーを割るにはこれがベスト"と自慢げだったな」
でもね味わいが有るって言うのかな美味しかったんだよね」遠くを見てため息ついてる。
「それにしても、ホテルのバスタブに張ったお湯がウーロン茶のように真茶色だったのには驚いたね」
カウンターテーブル用に作られた、くるくる回る椅子の上に座っている私を彼が力強く自分のほうに振り向けた反動で、私は後ろにのけぞるように体勢を崩した。
悠太が慌てて抱き抱えて、倒れないように助けてくれた。
それを見たマスターが諦めた顔をした。まるで「お呼びでない」と言う風に。悠太は見て納得したようにしてまた話を始めた。
「冬は月の半分は雨なんだって夏は逆に雨が少ない。夏は日が長くて収穫前の大麦にとって実が太るには最適だし、あそこは海洋性の気候らしくて栽培された大麦は柔らかな麦芽に仕上がるんだって。モルトウイスキーの仕込みは、夏も気温が低く一年を通して温度差が低いやはり「酒は風土の産物」なんだね」
店のマスターもカウンターに両手を広げてどっしりと私達に付きっきりで、悠太の話しをその通りですと頷いて聞いている。
ラクビーで鍛えたんだろう太い首、ワイシャツからはみ出しそうな大胸筋。
触って見たいとばかり思いながら進められたウイスキー舐めながら眺めていた。
話しは聞いているけど、さっき軽く抱きしめられたときの動揺がまだ胸に残っている。
悠太がマスターに勧められた葉巻きに火をつける。煙が上がって目を細める横顔に女特有のスイッチを入れられた気がする。
「家近くだから寄っていきませんか?」
待ち合わせの時間が早かったので時間はまだ有る。悠太は私の肩を抱いて「スコットランドの写真が部屋に有る」と言った。
「カメラで撮った写真をプロジェクターで見て欲しい」って耳元で言われた。距離が近い、低い男の声に子宮が疼く。私はトイレに立ち下着のクロッチの汚れを確かめた。
僅かに滑りが出はじめる前だった。
私の女が口を開こうと熱くなり初めている。少し怖さが出てしまった。
この滑り台を滑り出していいものかと化粧を整えてトイレを出た時、悠太が立っていた。
太い腕、酒と葉巻きの香りが私を抱きしめた。
悠太の笑顔が酔いに連れて顔が赤くなってくるのがわかる。それが少しおかしくて笑顔になった。ほんとに好きなんだなって思うほど話しが止まらない。
「スコットランドの緯度はね北海道より高い所にあるんですよ、実はこの風土こそがスコッチウイスキーを生み出したんですよ。」
手を高い所に置いて「ここが北海道だとするとここぐらいかなぁ」
少し首を傾げて「わかって貰える?」って聞いてくる。
「わかるわよしっかり聞いてますよ」
男は右手で後頭部を掻きむしりながら残念そうな声を出して、おつまみのチョコを口に含んでまた話し出した。
「シングルモルトの故郷の井戸水は、ウイスキーマンがウイスキーの仕込みに最適と言うんだけど、茶色い水になっていてね」
私の水割りのグラスをみて、
「もうちょっと濃い色、初めて見た時錆水かなって思うほど」
少し寄り目になっ信じられる?って聞くように顔を覗き込んで来るのが笑える。
日に焼けてるけど肌はきれい、目の奥にすーっと引き込まれそうな黒い色、真顔になったときのキリッとした顔は私の好み。
マスターが口を挿んだ。
「スコットランドの多くの川の水は褐色を帯びているし全部がそんな色をしてるんだよ」
私がマスターの方法振り向いて話を聞こうとすると、彼は私の両肩をがっしりと握って自分のほうに私の体を向けた、そしてマスターが良い終わる前に。
「地方でバーに行けばウイスキーの水割り用にカウンターに置いてあるジャグの水は茶色で、 最初はこんな水は口に入れて大丈夫かなと心配するほどなんですよ」
「地元の人は"ウイスキーを割るにはこれがベスト"と自慢げだったな」
でもね味わいが有るって言うのかな美味しかったんだよね」遠くを見てため息ついてる。
「それにしても、ホテルのバスタブに張ったお湯がウーロン茶のように真茶色だったのには驚いたね」
カウンターテーブル用に作られた、くるくる回る椅子の上に座っている私を彼が力強く自分のほうに振り向けた反動で、私は後ろにのけぞるように体勢を崩した。
悠太が慌てて抱き抱えて、倒れないように助けてくれた。
それを見たマスターが諦めた顔をした。まるで「お呼びでない」と言う風に。悠太は見て納得したようにしてまた話を始めた。
「冬は月の半分は雨なんだって夏は逆に雨が少ない。夏は日が長くて収穫前の大麦にとって実が太るには最適だし、あそこは海洋性の気候らしくて栽培された大麦は柔らかな麦芽に仕上がるんだって。モルトウイスキーの仕込みは、夏も気温が低く一年を通して温度差が低いやはり「酒は風土の産物」なんだね」
店のマスターもカウンターに両手を広げてどっしりと私達に付きっきりで、悠太の話しをその通りですと頷いて聞いている。
ラクビーで鍛えたんだろう太い首、ワイシャツからはみ出しそうな大胸筋。
触って見たいとばかり思いながら進められたウイスキー舐めながら眺めていた。
話しは聞いているけど、さっき軽く抱きしめられたときの動揺がまだ胸に残っている。
悠太がマスターに勧められた葉巻きに火をつける。煙が上がって目を細める横顔に女特有のスイッチを入れられた気がする。
「家近くだから寄っていきませんか?」
待ち合わせの時間が早かったので時間はまだ有る。悠太は私の肩を抱いて「スコットランドの写真が部屋に有る」と言った。
「カメラで撮った写真をプロジェクターで見て欲しい」って耳元で言われた。距離が近い、低い男の声に子宮が疼く。私はトイレに立ち下着のクロッチの汚れを確かめた。
僅かに滑りが出はじめる前だった。
私の女が口を開こうと熱くなり初めている。少し怖さが出てしまった。
この滑り台を滑り出していいものかと化粧を整えてトイレを出た時、悠太が立っていた。
太い腕、酒と葉巻きの香りが私を抱きしめた。
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