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第25話 初体験
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なんとも気まずい……。
僕の部屋に入ってから、小一時間が過ぎようとしているのだが、散発的な会話を続けるばかりで、二人でモジモジとしていた。
膠着した状況に痺れを切らしたのか、小梢が先に行動をする。
「圭君……。その……、シャワーを浴びたいんだけど……」
「え、し、シャワーね。うん、そこ、トイレと一緒になっているとこ、えーと、そうだ! タオルがいるよね」
そうだ、菜美恵は最初にシャワーを浴びていた。
今の今まで忘れていたが、菜美恵と途中までは経験しているから、そこまでは出来るはずだ。
「着替えは、このカゴでも使ってよ」
僕は洗濯物を入れるカゴをユニットバスに置き、背中を向けた。
さすがに美少女の生着替えを見学するわけにはいかない。
背中越しに服を脱ぐ音が聞こえる。僕の心臓はその音を聞いているだけで爆発しそうになった。
ガチャガチャとユニットバスの扉が開いて閉まる音がして、やがてジャー、バシャバシャっと水がはじける音が部屋に響いた。
今、小梢がハダカになっている。僕の部屋で……。
小梢は、どんな下着を着けているのだろう? 脱衣カゴの中をのぞき見したい衝動を抑え、僕はユニットバスに背を向けて正座し、般若心経を唱えていた。
気を落ち着かせたいが、頭の中は邪念しか浮かんでこない。こういう時、仏門の教えも効果ないのだと妙に納得してしまった。
ガチャガチャ、ユニットバスの扉が開く音がし……、
「お待たせ」
と小梢が出てきた。
「圭君、どうして向こう向いてるの? 笑」
「いや、その、何だか恥ずかしくて……」
「こっち見ても大丈夫だよ」
僕は、恐る恐る振り向く。
と、小梢は服を着て立っている。
流石に素っ裸で出てくるわけはないかと、変な想像をしていた自分がおかしくなった。
「僕もシャワー浴びるよ」
「うん、え……と、電気消すね」
僕が浴室の前で服を脱ぎ始めると、小梢は照明を消した。
灯りは浴室から漏れる光だけになり、暗がりの奥で小梢が服を脱ぐのが見えた。
胸がドキドキして、パンクしそうだった。
熱いシャワーを浴びて気を落ち着かせるが、ドキドキは治まるどころか勢いを増すばかりだ。
浴室を出ると、暗くてよく分からないが小梢はベッドの中にいるようだった。
「真っ暗になるから、こっちの電気はつけたままで良い?」
「うん……」
「そういえば……、わたしたちって、まだキスもしてなかったね」
「そ、そうだったね」
陽菜とは何度もキスをしているが、小梢とはまだだったことに、今更ながら気づく。
「小梢……」
小梢が好きだ。
こんなにも人が愛おしいと感じるなんて……。
まるで二人以外の時間は止まっているかのように、僕たちだけがこの世界で動いているような感覚に陥る。
そして、僕は初めて女の子と結ばれた。
僕の部屋に入ってから、小一時間が過ぎようとしているのだが、散発的な会話を続けるばかりで、二人でモジモジとしていた。
膠着した状況に痺れを切らしたのか、小梢が先に行動をする。
「圭君……。その……、シャワーを浴びたいんだけど……」
「え、し、シャワーね。うん、そこ、トイレと一緒になっているとこ、えーと、そうだ! タオルがいるよね」
そうだ、菜美恵は最初にシャワーを浴びていた。
今の今まで忘れていたが、菜美恵と途中までは経験しているから、そこまでは出来るはずだ。
「着替えは、このカゴでも使ってよ」
僕は洗濯物を入れるカゴをユニットバスに置き、背中を向けた。
さすがに美少女の生着替えを見学するわけにはいかない。
背中越しに服を脱ぐ音が聞こえる。僕の心臓はその音を聞いているだけで爆発しそうになった。
ガチャガチャとユニットバスの扉が開いて閉まる音がして、やがてジャー、バシャバシャっと水がはじける音が部屋に響いた。
今、小梢がハダカになっている。僕の部屋で……。
小梢は、どんな下着を着けているのだろう? 脱衣カゴの中をのぞき見したい衝動を抑え、僕はユニットバスに背を向けて正座し、般若心経を唱えていた。
気を落ち着かせたいが、頭の中は邪念しか浮かんでこない。こういう時、仏門の教えも効果ないのだと妙に納得してしまった。
ガチャガチャ、ユニットバスの扉が開く音がし……、
「お待たせ」
と小梢が出てきた。
「圭君、どうして向こう向いてるの? 笑」
「いや、その、何だか恥ずかしくて……」
「こっち見ても大丈夫だよ」
僕は、恐る恐る振り向く。
と、小梢は服を着て立っている。
流石に素っ裸で出てくるわけはないかと、変な想像をしていた自分がおかしくなった。
「僕もシャワー浴びるよ」
「うん、え……と、電気消すね」
僕が浴室の前で服を脱ぎ始めると、小梢は照明を消した。
灯りは浴室から漏れる光だけになり、暗がりの奥で小梢が服を脱ぐのが見えた。
胸がドキドキして、パンクしそうだった。
熱いシャワーを浴びて気を落ち着かせるが、ドキドキは治まるどころか勢いを増すばかりだ。
浴室を出ると、暗くてよく分からないが小梢はベッドの中にいるようだった。
「真っ暗になるから、こっちの電気はつけたままで良い?」
「うん……」
「そういえば……、わたしたちって、まだキスもしてなかったね」
「そ、そうだったね」
陽菜とは何度もキスをしているが、小梢とはまだだったことに、今更ながら気づく。
「小梢……」
小梢が好きだ。
こんなにも人が愛おしいと感じるなんて……。
まるで二人以外の時間は止まっているかのように、僕たちだけがこの世界で動いているような感覚に陥る。
そして、僕は初めて女の子と結ばれた。
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