【本編完結】自由気ままな伯爵令嬢は、腹黒王子にやたらと攻められています

橋本彩里(Ayari)

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魔力検証

王子の教育的指導②

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「殿下、本当にそろそろ離れていただきたいのですが」
「んー。無理だな。それにオズワルドに負けていられないしな」

 精一杯の抵抗も、にやっと笑い熱っぽい声で却下される。しかも、負けられないとしてげ挙げた推しの名前は非常に恐ろしい。
 アンドリューはついでとばかりに繋いでいた私の左手を顔の前に持ってくると、手の甲へと形の良い唇を押し当てた。

 あまりに自然な動作で口づけをされ反応が遅れた私を見ると、ふっ、とアンドリューは笑みを浮かべる。
 碧色の瞳を私に定めたまま見せつけるかのようにちろりと舌を添わせ、そのままぺろりと手を舐められた。

「んっ」
「いい反応だな」

 思わず漏れた声さえも愛おしげに受け止め、王子は見せつけるかのように手を繋いだまま指先へと唇を這わせていく。
 舐めるというよりは愛撫のようなそれは、つつつっとなぞるように角度を変えてあらゆるところを舌先でなぞっていく。

「んんっ」

 思わず声が出たところは音を立てて強く吸われ、ときおり甘噛みされ、つぶさに反応も観察され、私は羞恥でどうにかなりそうだ。
 抵抗らしい抵抗もできず掴まれた手はされるがままで、私は涙目になった。

「殿下。やめてください」
「い・や・だ」

 楽しげに却下されて、眦にたまった涙も美味しそうに吸われていく。
 ただ口づけを受け舌で這わされているだけなのに、私の腰はぞくぞくとしたものが走り抜けていった。

 快感とも言えないそれに馴染みはなく、ぞわぞわともそわそわとも言いようのないものがずっと身体を巡っている。胸はずっときゅんきゅんと高鳴っているしで慣れないことばかり。
 さらにアンドリューの向こう側には木漏れ日と青空が映り、穏やかな外であることが言いようのない恥ずかしさを追加している。

「野菜たちもいるのですが」

 なにより、隊長からの圧も感じているんですけど?

 そう告げると、にっ、と口角を上げ今までにないくらい腹黒さを伴う実に爽やかすぎる笑顔を浮かべる王子様。
 嫌な予感しかしない。

「そうか」

 どちらとも取れる言葉はただの言葉だった。
 綺麗な弧を描いた唇がそのまま重ねられ、舌をねっとりと絡められる。唇ですっぽり覆われ、淫らな舌に扱れるとじんわりと涙がこぼれる。

「ふっ、んんぁっ」
「かわい、ティア」

 息苦しさもあるけれど快感も拾い始めていて、漏れる声は当初よりは艶が含まれる。
 可愛いと言われると、きゅんって嬉しく高鳴る己の心臓。
 それに気づくとさらに熱がこもり、アンドリューの舌の動きにますます敏感に反応してしまう。

「んんんっ、やぁ」

 自分から発せられている思った以上の甘えた声がやたらと耳につき、限界が近づいてきた。
 それを隊長たちに見られながら聞かれていると思うと、今すぐ穴を掘って隠れてしまいたいくらい恥ずかしかった。

 すでに見られた後だとしても、改めて見られるのとはわけが違う。
 アンドリューから顔を背けようとしても、あっさりと追いつかれさらに深まる口づけに翻弄される。

 まるで見せつけるかのようにくちゅりと音をさせるアンドリューの舌を、私は本気で噛んでみようかと考えるほど逃げたくなった。
 それを察したのか、ちゅるりと舌を吸い上げるように舐められて名残惜しげに離される。

「はぁっ……」
「……ふっ」

 ようやく解放された安堵と息切れとで荒い息を吐き出す私に対し、アンドリューは余裕の吐息。
 宥めるように私の額にキスを落とすと、満足気に微笑みをこぼした。さらに木々の合間から光が漏れ入り、きらきらと王子の周囲を照らす。

「だから、遠慮していたらキリがないだろう? 王都に戻り正式に婚約者となったらこんなものでは済まないわけだし、野菜たちもティアの横には俺がいるって認識しておいたほうがいい」

 俺様ぁ~! 発言内容が容赦ないです。
 こちらは王子とともに歩むことを視野に入れだしたばかり。
 なのに、王子はさらにその向こうを見据えているようで、その見据えた先にエロが含まれていないとは言えないのがアンドリュー。

 まさかと目を見張ると、するりと腰の辺りを撫でられる。
 ものすごく意味深に腰を撫でられることなんて当然初めてで、私は慌てた。

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