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3-Love doesn't stop-
80高塚くんの愛はとっても重いらしい②
しおりを挟む「当たり前だよ。どれだけ体格違うと思ってるの。怒って髪を切ってやろうって脅す男にあっさりと自分から切ったから、その場の全員が冷静になったけど。逆上するやつだっているし」
「…………」
勇敢と無謀は違う。莉乃の場合は無謀だっただけだと理解している。その時は勝手に体が動いただけで、後のことなんか考えていなかった。
だから、助けてくれてありがとうという老夫婦の言葉だけは素直に受け取ったけれど、人に褒めらえるようなことをしたつもりはなかった。
周囲には髪を切ったのも気分転換だと誤魔化したくらい、少し後ろめたくもあった出来事。
お腹に回っている高塚くんの腕に力が入り、締め付けられる。終わったことなのに不安がるその腕をそっと撫でた。
わずかに強張っていた力は抜け、莉乃の頭上にキスを落とすと高塚くんは話を続けた。その間も、ぐっと抜け出せないよう力は込められたままだったので、ちゃんとここにいるよと莉乃は撫で続けた。
「そのあと、何事もなかったように老夫婦と離れていくものだから。俺らはなすすべもないっていうか、しらけて喧嘩どころではなくなったしあの日は何事もなく終わった」
「そうなんだ? 少しだけ気にはしていたんだよね。髪は切っちゃったけど、そのおかげというのも変だけど、山里さん、そのときの老夫婦と縁ができたから。今のバイト先でもあるし良かったかなって。あのときに千歳くんとも出会ってたんだね」
莉乃がそう告げるとぐっと体重をかけられ、いかにも逃しはしないとばかりに抑え込まれた。戸惑って見上げると、きゅっと眉間に皺を寄せた高塚くんに見下ろされる。
「金曜日のバイトってそのときの?」
「うん。おじいさんが安静にしている間にバイト入るようになって、動けるようになった今も週一でってことで通ってる。そんなに忙しくないし私いなくてもいいとは思うのだけど、居心地がいいし、試験期間中とかは休めるし、ご好意で働かせてもらってるよ」
どこでどんな縁ができるかわからないものだ。一つのいいご縁に恵まれたと思っていたが、その時に高塚くんとも出会っていたとは思いもしなかった。
だから、髪に触れるときとかたまに痛ましげだったんだと思うと、今までの言動とかも腑に落ちた。
「りの。もう危ないことはしないで」
「うん。あのときはたまたまというか、衝動的というか。普段はそんなことはしないから」
「だといいけど」
ふっ、と息を吐いた高塚くんが莉乃の顎を取り、綺麗な顔を近づけてくる。
何をされるかわかって、莉乃もすっと目を閉じた。
ふにゃりと唇が柔らかなもので押され、すぐに離れていく。
軽い口づけが続き、体勢を入れ替えた高塚くんに倒されて上からのしかかられる。
「んんっ」
すぐに激しく深いキスに変わり、ただ身を任せるしかなくなる。高塚くんの手が優しくなだめるように身体のラインを撫で、這い回り莉乃の腰あたりを怪しげに撫で回す。
「千歳くんっ」
「んんっ。ちょっとだけ。もうちょっとりのを感じたい」
にっ、と爽やかに微笑んだ高塚くんの瞳の奥は情欲で濡れていて、揺れる熱い瞳から自分にはっきりとぶつけられる欲。
熱い唇はやがて莉乃の喉元へと移り、そしてそこでこちらをじっと見上げてくる。
どこまでいいの? いい? と訴えてくる。
目の前の人は確実に男の人で。
莉乃が好きで好きでたまらないらしい。心も身体も、すべて早くよこせとばかりの熱に当てられる。
「りの、好き。愛してる」
だから、もっと、もっと、と求めてくる。
甘くとろけた愛の言葉とともに、少しでも触れていたいと撫で回す指。
「ち、とせくん」
「最後まではまだしない。でも、りのにたくさん触れていたい。りのを感じたい」
二人っきりになると、ぶわっと莉乃へと向けらえるそれが顕著で、莉乃も年頃の男の人と部屋に二人きりになることの可能性だってわかっていてやってきた。
最後までしないのならと、求められたら応えたいという気持ちが、不安より上まってくる。
莉乃は小さく小さく頷いた。
途端、滴るような色気とともに口づけが落とされ、「愛してる」と囁かれ、くらくらと逆上せる。
自分が一体どんな顔をしているのか想像もしたくないくらい、顔が赤くて、そして緩んでいるのだろうと思うと恥ずかしくなった。
「りのに触れられるのは俺だけ。それをわからせたいし、感じたい」
そう言いながら、シャツのボタンを二つ取り、ブラジャーの極のところに吸いつかれる。
「んんっ……」
「俺のりの。ほら、俺のってマークがついた。俺だけがつけられる。ああ、りのだ。やわらかい」
満足そうな声と、最後はちょっとエッチな発言にくらりとしているところで、再び唇にキスをしてから、舌で柔らかな輪郭をなぞる。
はむはむ、と食べるように動かしていたが、
「ああー、りのを食べたい」
と、実際そんなことを言われ、ふ、と冗談とも本気ともつかない吐息をつくと、ぎゅうっと抱きしめてきて胸のあたりに顔をグリグリと押し付けて、ようやく落ち着くところを見つけたのかそこで止まった。
その行動が動物が落ち着くポジションを探しているようで可愛くもあり、そして胸っていうところが男の人だなって思うところもあり、莉乃は小さく口の端を緩めた。
「千歳くん」
「りの。もう、離さない」
莉乃が感じていたように、高塚くんの愛はとっても重いらしい。
でも、今はその重さ込みで高塚くんで、莉乃にとっては心地よく好きな人。
-end
あとがき
高塚くんの愛が莉乃に通じたところで完結です。
二人の日常に、出会いの詳しい話や、高塚くんの交友関係や実態だとか、もう少し書きたかったのですが、これ以上はR18になります。お付き合い始まったので暴走しか見えませんのでひとまずここで。
この先は進むごとに愛が重くイチャコラ増え、千歳サイドとかさらに愛に重さが増し増しで楽しそうです。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました( *・ω・)*_ _)ペコリ
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(執筆期間:2022/05/03〜05/24)
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2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
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○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
(pixiv)https://www.pixiv.net/users/2362274
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完結おめでとうございます🎉
完結待ったかいがあった(*´ω`*)
面白かった(*´꒳`*)
高塚くんの愛が重かったわ〜(*´-`)
R18でもそうじゃなくてもいいので番外編か続編書いて欲しいです(((o(*゚▽゚*)o)))♡
まだまだ読み足りない(*´Д`*)
その後の話しとかはR18じゃないと高塚くんの愛の重さ的に無理そう(笑)
あ、ありがとうございます♪(/ω\*)
いかに楽しく重い愛を伝えるかがテーマでしたので、まだ読みたいと言っていただけてすごく嬉しいです⤴︎⤴︎
続き書くならR18じゃないと千歳が納得しないwwので、そちらの思いも浄化させてあげないとなとは思ってます笑
蜂さん、こちらにもお付き合いいただきありがとうございます(*´▽`*)❀
最後までお付き合いいただき、たくさんの文章とともに感想も本当にありがとうございます(੭ु ›ω‹ )੭ु⁾⁾♡❀.
すれ違いの末、あのように落ち着きました⤴︎
千歳の重愛をR18で伝えてみたいとは思いますが、現在執筆のものが落ち着いてからになるかなとは。
ご要望いただけすごくすごく嬉しいです‼︎
書くならR18をしっかり効かせたものにしたいと思いますので、その時はまたお付き合いいただけたら幸いです♪