27 / 54
【6】聖女 服を買う
1
しおりを挟む
「まっ、それはそれとしてなんか食い行かない? 今日はオレがおごるし」
ジェイドが「今日はもう上がりなんだー」と笑う。
「何か買う物あるなら、町も案内するけど」
「え、助かる!」
何一つ持ってないからなぁ。
これから暮らしを立てていくのに必要な物は色々ある。
特に――……、
「服! お洋服が欲しいです!」
「……時代遅れって言われたからですか?」
ぬいぐるみの半眼の視線を感じる。
ぐぬぬ……。
「そうですぅ! どうせわたしのファッションは時代遅れですぅ!」
「え? そう? オレは良いと思うけどなぁ。クラシカルな雰囲気で」
「ジェイドぉ、君は良い人だな!」
「あ、でもごめんね。タイプではない。」
「全然良い人じゃない!」
わたしのツッコミにけらけら笑うジェイド。
その後ろから赤毛がひょっこり覗いたかと思うと、
「話しは聞いたわ!」
モルガナさんが顔を覗かせた。
「服屋に行くのねルチルちゃん! 私も一緒に行きます!」
眼がキラキラしてる。めっちゃ楽しそう。
「会長……あんたは仕事――……、」
「ジェイド! 私は今日、昼休憩を取ってないのよ!」
「はあ…………はあ?」
「それに連日サビ残してるのは何のためだと思ってるの!」
「…………」
「可愛い女の子とのおデートのチャンスを逃さないためでしょ!」
「おでーとって……」
ジェイドが頭を押さえて呻いた。
ジェイドが「今日はもう上がりなんだー」と笑う。
「何か買う物あるなら、町も案内するけど」
「え、助かる!」
何一つ持ってないからなぁ。
これから暮らしを立てていくのに必要な物は色々ある。
特に――……、
「服! お洋服が欲しいです!」
「……時代遅れって言われたからですか?」
ぬいぐるみの半眼の視線を感じる。
ぐぬぬ……。
「そうですぅ! どうせわたしのファッションは時代遅れですぅ!」
「え? そう? オレは良いと思うけどなぁ。クラシカルな雰囲気で」
「ジェイドぉ、君は良い人だな!」
「あ、でもごめんね。タイプではない。」
「全然良い人じゃない!」
わたしのツッコミにけらけら笑うジェイド。
その後ろから赤毛がひょっこり覗いたかと思うと、
「話しは聞いたわ!」
モルガナさんが顔を覗かせた。
「服屋に行くのねルチルちゃん! 私も一緒に行きます!」
眼がキラキラしてる。めっちゃ楽しそう。
「会長……あんたは仕事――……、」
「ジェイド! 私は今日、昼休憩を取ってないのよ!」
「はあ…………はあ?」
「それに連日サビ残してるのは何のためだと思ってるの!」
「…………」
「可愛い女の子とのおデートのチャンスを逃さないためでしょ!」
「おでーとって……」
ジェイドが頭を押さえて呻いた。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。


王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です

裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
交換された花嫁
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉さんなんだから我慢なさい」
お姉さんなんだから…お姉さんなんだから…
我儘で自由奔放な妹の所為で昔からそればかり言われ続けてきた。ずっと我慢してきたが。公爵令嬢のヒロインは16歳になり婚約者が妹と共に出来きたが…まさかの展開が。
「お姉様の婚約者頂戴」
妹がヒロインの婚約者を寝取ってしまい、終いには頂戴と言う始末。両親に話すが…。
「お姉さんなのだから、交換して上げなさい」
流石に婚約者を交換するのは…不味いのでは…。
結局ヒロインは妹の要求通りに婚約者を交換した。
そしてヒロインは仕方無しに嫁いで行くが、夫である第2王子にはどうやら想い人がいるらしく…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる