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一章
頭大丈夫?
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とある国の城の謁見の間では、なんとも楽しそうな話し合い?が繰り広げられていた
「リリアーヌ…頼む…離してくれ……」
「そのおかしなことしか言えない口がきけなくなったら、命だけは助けるかもしれないわね」
遡ること10分前…
謁見の間には、美しい容姿の青年と女性が集められていた
「よく集まってくれた、愛しい子供たちよ」
よく通る声を発したのは、この国の王である
「父上、このように全員我々をここに集めるとは……何か問題があったのですか?」
「しかも、平民の血が混ざる者まで呼び出すなんて…一体何を考えていらっしゃるの、お父様?」
単刀直入に王に質問したのは第1王子と第5王女
この国の王の子供は王子が3人、王女が6人いる
そのうち8人の母親は、名のある有名な一族の娘だ
たった1人を除いて………
「この場に集まってもらったのは、隣国へ留学する者を決めるためだ」
「なっ!!」
一同は、ざわつく
隣国と言ったら、あの国しかない
「何故、あのハテサルに行かせようとするのですか?!」
大国ハテサルは、戦争がとにかく好きな、好戦国である
歴史は浅いがかなりの勢いがあり、王族が熱血な者が多いことで有名な国
それでも国には多くの留学生がいた
しかし、かつて1人の小国の王族が殺される事件が起こりそれ以来、留学する者は現れなくなった
「殺されてしまうわ、お父様!!」
数名の王女達は身体を震わせ、王子達も顔色が悪い
「お前達は、私の大切な我が子だ。危険な場所に行かせたくない。だから……」
王は1人の王女に目を向ける
「リリアーヌ、お前が行きなさい」
多くの視線が1人の王女に向けられる
「……頭大丈夫?」
「なっ、リリアーヌ。お前父上になんていうことを言うのだ!!」
「そうよ、謝りなさいっ!」
行くのが自分ではないことが分かり、あからさまに安心した表情で声を上げるのは第2王子と第1王女
「だって考えてもみなさいよ。あいつは、さっき我が子が大切だから行かせたくないって言ったのよ?なのに王女である私を留学生として送るって言ってるのよ?馬鹿なの?よく国王が務まっているわね」
「そんなの決まってるじゃない、お姉様」
笑いかけるのは、第4王女……
「貴女が、平民の血が入った紛い物だからよ。ここで生活出来るだけでも幸せなのに、王族の務めすら果たせないの?」
「フィオナには平民と貴族の血液を見分ける力でもあるの?凄いわね」
「…っ!!」
「リリアーヌ!!妹も大切にできないようでどうするのだ!……………お前を送るのは決定事項。だからといって、守ってやらないとは言っていない」
「どういうこと?お父様?」
質問するのは第2王女
「お前には、王子として…男装して留学してもらう」
「頭大丈夫?」
本日2度目の言葉である
「リリアーヌ…頼む…離してくれ……」
「そのおかしなことしか言えない口がきけなくなったら、命だけは助けるかもしれないわね」
遡ること10分前…
謁見の間には、美しい容姿の青年と女性が集められていた
「よく集まってくれた、愛しい子供たちよ」
よく通る声を発したのは、この国の王である
「父上、このように全員我々をここに集めるとは……何か問題があったのですか?」
「しかも、平民の血が混ざる者まで呼び出すなんて…一体何を考えていらっしゃるの、お父様?」
単刀直入に王に質問したのは第1王子と第5王女
この国の王の子供は王子が3人、王女が6人いる
そのうち8人の母親は、名のある有名な一族の娘だ
たった1人を除いて………
「この場に集まってもらったのは、隣国へ留学する者を決めるためだ」
「なっ!!」
一同は、ざわつく
隣国と言ったら、あの国しかない
「何故、あのハテサルに行かせようとするのですか?!」
大国ハテサルは、戦争がとにかく好きな、好戦国である
歴史は浅いがかなりの勢いがあり、王族が熱血な者が多いことで有名な国
それでも国には多くの留学生がいた
しかし、かつて1人の小国の王族が殺される事件が起こりそれ以来、留学する者は現れなくなった
「殺されてしまうわ、お父様!!」
数名の王女達は身体を震わせ、王子達も顔色が悪い
「お前達は、私の大切な我が子だ。危険な場所に行かせたくない。だから……」
王は1人の王女に目を向ける
「リリアーヌ、お前が行きなさい」
多くの視線が1人の王女に向けられる
「……頭大丈夫?」
「なっ、リリアーヌ。お前父上になんていうことを言うのだ!!」
「そうよ、謝りなさいっ!」
行くのが自分ではないことが分かり、あからさまに安心した表情で声を上げるのは第2王子と第1王女
「だって考えてもみなさいよ。あいつは、さっき我が子が大切だから行かせたくないって言ったのよ?なのに王女である私を留学生として送るって言ってるのよ?馬鹿なの?よく国王が務まっているわね」
「そんなの決まってるじゃない、お姉様」
笑いかけるのは、第4王女……
「貴女が、平民の血が入った紛い物だからよ。ここで生活出来るだけでも幸せなのに、王族の務めすら果たせないの?」
「フィオナには平民と貴族の血液を見分ける力でもあるの?凄いわね」
「…っ!!」
「リリアーヌ!!妹も大切にできないようでどうするのだ!……………お前を送るのは決定事項。だからといって、守ってやらないとは言っていない」
「どういうこと?お父様?」
質問するのは第2王女
「お前には、王子として…男装して留学してもらう」
「頭大丈夫?」
本日2度目の言葉である
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