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【6】そのあと
63. (本当に戻ってこれて良かった)
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その後、結局日付が変わるまで飲み会は続いた。
「そろそろお開きですかね。後片付けは我々が手伝うので、隊長はお帰りください。鈴原、しっかり家まで送れよー」
幸と佳世を藤宮家まで送って戻ってきた波左間は、そう言って彰吾の肩を叩いた。
「皆さん、今日は本当にありがとうございました」
綾子はふかぶかと頭を下げた。
「もぉ、主役が頭なんか下げないで! あなたの好きなお饅頭たくさんお土産に作ったから持って帰ってね」
桜が大きな風呂敷を綾子に押し付ける。
「わぁ。ありがとう」
「綾子さんお饅頭大好きですもんね! 良かったですね! 俺も作り方、教えてもらおうかなあ」
彰吾が手をたたいた。
「――ちょっと――彰吾くん」
赤面する綾子を見て、桜はくすりと笑って囁いた。
「佳世ちゃんのぶん残しておいてあげてね」
「ちょっと、私そんなに食べないわよ」
言い返した綾子の様子に、彰吾は「あ」という顔をして、言葉を足した。
「みんなで食べると、美味しいですよね! お饅頭……」
「休み明けまで残ってたら詰め所に持ってきてくださいね」
波左間が間を補うように言うと、桜が腕を組んで言った。
「私が宅配で持って行ってあげるわよ」
「え! 本当ですか! 無料?」
「経費でツケにしてもらうわよ」
桜と波左間がわいわいと話す。その様子を見ながら綾子は胸に手を置いて思った。
(本当に戻ってこれて良かったわ……)
自分を受け入れてくれる人がこんなにいる。そう実感し、綾子は胸に手を置いた。
(私はもう鬼になることは、ない)
今日の光景を心に描けば、戻れる。
そんな自信を感じることができた。
***
「気持ち良い……ですねえ」
外に出ると、夜風が酒を飲んで火照った顔に気持ちよくそよいでいた。
「綾子さんかなり飲んでましたね」
「彰吾くんもでしょう~」
思わず足取りが軽くなった。伸びてきた彰吾の手が綾子の手のひらを握った。
空気の冷たさの中、つないだ彰吾の手の温かさが心地よい。
修介に婚約破棄をされた後、「さくら」で彰吾に声をかけられたあの日の帰り道を思い出す。
(あの時は、いきなり『婚約しませんか』なんて言われて――驚いてしまったけれど)
あの日の帰り道では、彰吾の存在が自分の中でこんなにも大きくなるとは思っていなかったと綾子は思う。
ぎゅっと握る手に力をこめると、立ち止まって彰吾を見た。
「――彰吾くん、ありがとうね」
「え――――」
彰吾はぽかんとした顔をすると、両手をぱっと離して両方の頬を押さえた。
顔が赤くなっている。
「こちらこそ! ありがとうございます!」
「可愛いですね、それ」
綾子は頬を手で押さえる真似をした。
「――綾子さんがいつもやるから――うつっちゃいましたかね」
彰吾ははっとしたように手を頬から離すとじっと見つめた。
「私、そんなことしてるかしら?」
「……はい。今も」
彰吾はじっと綾子を見つめる。
綾子は自分の手が先ほどの彰吾と同じように頬にあることに気付いて、余計に赤面した。
「――とても、可愛いです」
「彰吾くんは、すぐそういう――」
綾子は顔全体を手の平で隠した。
彰吾はそれをどけると、顔を近づけて唇を重ねた。
「あの、もう少し、ゆっくり帰りませんか?」
彰吾は綾子の頭に頬を置くとそう言った。
「そうですね。――ちょっと、酔ってますし」
綾子も頷くと、周囲を見回した。
ちょうど、ベンチが目に入るったので、二人でそこに腰掛けた。
手を重ねて、しばらく無言で冷たい夜の空気を感じていた。
「――彰吾くん、先日、総代室に呼ばれてましたよね?」
綾子は気になっていたことを聞いた。
数日前、彰吾は『総代室』――中央詰め所ではなく、和国帝が住む帝居にある管轄部署へ来るように指令があったのだ。
なぜ呼ばれたかは、彰吾の所属する部隊の綾子にも知らされなかった。
「……はい」
彰吾は頷いた。
「――【超越家紋】のことですよね」
彰吾が【超越家紋】に目覚めたことは、九十九の事後報告の際防衛隊本部へ報告された。
事実は第参部隊の隊員及び本部幹部だけの間に留められていたが。
【超越家紋】を発現する彰吾の父親「菊門家」の家紋使いは、防衛隊ではなく帝居直轄の部隊に配属されている。彼らは帝居を妖から護衛する特殊な任務をこなしていると聞くが、詳しい仕事内容は綾子も知らない。
「もしかしたら、転属になるかもしれないですよね」
綾子は彰吾を見上げた。
――実は彰吾が帝居に呼び出されている間、綾子には人事部から第参部隊に必要な【家紋】使いの属性があれば教えてくれという連絡があった。
(彰吾くんの代わりに、誰か新しい人を入れるということ……?)
綾子はそんなことを想った。
(――仕方はないけれど、寂しいわね)
綾子は少し目を伏せた。
「断りますよ。俺が防衛隊に入った一番の理由は、綾子さんの傍にいたかったからですし」
「もちろん」と付け加える。
「妖から人を守りたい気持ちはありますよ! でもそれは綾子さんと一緒にやりたいし、帝居を守るのではなく、普通の人たちを守りたいんです」
「でも――異動命令が出たらどうするの?」
「辞めて、自主的に綾子さんと一緒に妖退治をしますね」
「――」
綾子はぽかんと口を開けて彰吾を見つめた。
(彰吾くんは、本当にやりかねないかも)
「仕事じゃなくて、奉仕活動としてということ? ――お給料、出ないでしょう」
「構いませんよ。別に稼ぐ手段はいくらでも持ってますし」
彰吾は両手を握ると「うん!」と強く頷いた。
綾子は「ふっ」と噴出した。
「彰吾くんってば……」
「なんですか?」
「……可愛いわ」
「綾子さんには、格好良いって言われたいんですけどね……」
綾子は彰吾を見つめて微笑んだ。
「格好良いし、可愛いわ」
「綾子さんも格好良くて、綺麗で、かわいいです」
彰吾は綾子をぎゅっと抱き寄せた。
夜風の冷たさが、彰吾から伝わる温もりを際立たせた。
綾子は心地よさを感じて瞳を閉じると、胸元に頬を寄せた。
(終わり)
「そろそろお開きですかね。後片付けは我々が手伝うので、隊長はお帰りください。鈴原、しっかり家まで送れよー」
幸と佳世を藤宮家まで送って戻ってきた波左間は、そう言って彰吾の肩を叩いた。
「皆さん、今日は本当にありがとうございました」
綾子はふかぶかと頭を下げた。
「もぉ、主役が頭なんか下げないで! あなたの好きなお饅頭たくさんお土産に作ったから持って帰ってね」
桜が大きな風呂敷を綾子に押し付ける。
「わぁ。ありがとう」
「綾子さんお饅頭大好きですもんね! 良かったですね! 俺も作り方、教えてもらおうかなあ」
彰吾が手をたたいた。
「――ちょっと――彰吾くん」
赤面する綾子を見て、桜はくすりと笑って囁いた。
「佳世ちゃんのぶん残しておいてあげてね」
「ちょっと、私そんなに食べないわよ」
言い返した綾子の様子に、彰吾は「あ」という顔をして、言葉を足した。
「みんなで食べると、美味しいですよね! お饅頭……」
「休み明けまで残ってたら詰め所に持ってきてくださいね」
波左間が間を補うように言うと、桜が腕を組んで言った。
「私が宅配で持って行ってあげるわよ」
「え! 本当ですか! 無料?」
「経費でツケにしてもらうわよ」
桜と波左間がわいわいと話す。その様子を見ながら綾子は胸に手を置いて思った。
(本当に戻ってこれて良かったわ……)
自分を受け入れてくれる人がこんなにいる。そう実感し、綾子は胸に手を置いた。
(私はもう鬼になることは、ない)
今日の光景を心に描けば、戻れる。
そんな自信を感じることができた。
***
「気持ち良い……ですねえ」
外に出ると、夜風が酒を飲んで火照った顔に気持ちよくそよいでいた。
「綾子さんかなり飲んでましたね」
「彰吾くんもでしょう~」
思わず足取りが軽くなった。伸びてきた彰吾の手が綾子の手のひらを握った。
空気の冷たさの中、つないだ彰吾の手の温かさが心地よい。
修介に婚約破棄をされた後、「さくら」で彰吾に声をかけられたあの日の帰り道を思い出す。
(あの時は、いきなり『婚約しませんか』なんて言われて――驚いてしまったけれど)
あの日の帰り道では、彰吾の存在が自分の中でこんなにも大きくなるとは思っていなかったと綾子は思う。
ぎゅっと握る手に力をこめると、立ち止まって彰吾を見た。
「――彰吾くん、ありがとうね」
「え――――」
彰吾はぽかんとした顔をすると、両手をぱっと離して両方の頬を押さえた。
顔が赤くなっている。
「こちらこそ! ありがとうございます!」
「可愛いですね、それ」
綾子は頬を手で押さえる真似をした。
「――綾子さんがいつもやるから――うつっちゃいましたかね」
彰吾ははっとしたように手を頬から離すとじっと見つめた。
「私、そんなことしてるかしら?」
「……はい。今も」
彰吾はじっと綾子を見つめる。
綾子は自分の手が先ほどの彰吾と同じように頬にあることに気付いて、余計に赤面した。
「――とても、可愛いです」
「彰吾くんは、すぐそういう――」
綾子は顔全体を手の平で隠した。
彰吾はそれをどけると、顔を近づけて唇を重ねた。
「あの、もう少し、ゆっくり帰りませんか?」
彰吾は綾子の頭に頬を置くとそう言った。
「そうですね。――ちょっと、酔ってますし」
綾子も頷くと、周囲を見回した。
ちょうど、ベンチが目に入るったので、二人でそこに腰掛けた。
手を重ねて、しばらく無言で冷たい夜の空気を感じていた。
「――彰吾くん、先日、総代室に呼ばれてましたよね?」
綾子は気になっていたことを聞いた。
数日前、彰吾は『総代室』――中央詰め所ではなく、和国帝が住む帝居にある管轄部署へ来るように指令があったのだ。
なぜ呼ばれたかは、彰吾の所属する部隊の綾子にも知らされなかった。
「……はい」
彰吾は頷いた。
「――【超越家紋】のことですよね」
彰吾が【超越家紋】に目覚めたことは、九十九の事後報告の際防衛隊本部へ報告された。
事実は第参部隊の隊員及び本部幹部だけの間に留められていたが。
【超越家紋】を発現する彰吾の父親「菊門家」の家紋使いは、防衛隊ではなく帝居直轄の部隊に配属されている。彼らは帝居を妖から護衛する特殊な任務をこなしていると聞くが、詳しい仕事内容は綾子も知らない。
「もしかしたら、転属になるかもしれないですよね」
綾子は彰吾を見上げた。
――実は彰吾が帝居に呼び出されている間、綾子には人事部から第参部隊に必要な【家紋】使いの属性があれば教えてくれという連絡があった。
(彰吾くんの代わりに、誰か新しい人を入れるということ……?)
綾子はそんなことを想った。
(――仕方はないけれど、寂しいわね)
綾子は少し目を伏せた。
「断りますよ。俺が防衛隊に入った一番の理由は、綾子さんの傍にいたかったからですし」
「もちろん」と付け加える。
「妖から人を守りたい気持ちはありますよ! でもそれは綾子さんと一緒にやりたいし、帝居を守るのではなく、普通の人たちを守りたいんです」
「でも――異動命令が出たらどうするの?」
「辞めて、自主的に綾子さんと一緒に妖退治をしますね」
「――」
綾子はぽかんと口を開けて彰吾を見つめた。
(彰吾くんは、本当にやりかねないかも)
「仕事じゃなくて、奉仕活動としてということ? ――お給料、出ないでしょう」
「構いませんよ。別に稼ぐ手段はいくらでも持ってますし」
彰吾は両手を握ると「うん!」と強く頷いた。
綾子は「ふっ」と噴出した。
「彰吾くんってば……」
「なんですか?」
「……可愛いわ」
「綾子さんには、格好良いって言われたいんですけどね……」
綾子は彰吾を見つめて微笑んだ。
「格好良いし、可愛いわ」
「綾子さんも格好良くて、綺麗で、かわいいです」
彰吾は綾子をぎゅっと抱き寄せた。
夜風の冷たさが、彰吾から伝わる温もりを際立たせた。
綾子は心地よさを感じて瞳を閉じると、胸元に頬を寄せた。
(終わり)
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