4 / 64
【1】婚約破棄とおためし交際
3. 「俺を頼ってください」
しおりを挟む
それから数日後。綾子は任務で参番隊の隊員 鈴原 彰吾と共に東都の北部、田園地帯が広がる一角にそびえる屋敷に赴いていた。周辺で学生の行方不明が発生したという警察部からの依頼を受け、妖の仕業ではないかということの調査に来たのだった。
修介との婚約破棄騒動の件で、家庭内はばたばたしていたが、妖絡みの事件はそんな事情などお構いなく発生する。
同行の彰吾は半年前に部隊に入ったばかりの新入隊員だ。彰吾は最高学府である帝都大学を卒業したにも関わらず、官僚になるわけでなく、妖防衛隊に入ることを選んだため、入隊時に「変わり者」と評判になった。
ただ、その身に宿す風を操る家紋【疾風】の力は強力で、入隊時の試験を最高位で突破し、入隊の初めから精鋭部隊である綾子が隊長を務める参番隊に直接加入した。
本来ならば、このような聞き取り調査のような業務は隊員に任せたいところだったが。綾子には今回の学生行方不明事件について気にかかるところがあり、自ら赴くことにしたのだった。
「こんにちは。妖防衛部隊の方ですか……」
出迎えたのは年齢は17、18くらいだろうか、黒い綺麗な黒髪を左右にお下げで編み込んだ華麗な少女だった。
「――お父上と、お母上は?」
「申し訳ございません。父は仕事で母は病気のため普段は寝ておりまして。お話なら私がおうかがいいたします」
綾子の問いに、少女は目を伏せて申し訳無さそうに答えた。
「お母様がご病気とは、大変ですね。ご対応いただき、ありがたいです」
綾子に続いて彰吾が少女に笑いかけた。
彰吾は女性としては背が高い綾子が見上げるくらいの身長であるが、それを感じさせる圧迫感がなく柔和な印象を人に与える。涼し気な目元の精悍な顔立ちは整っているが、それに加え笑うと人好きのする印象になる。誰が見ても好青年という印象を持つ彼は、肉体派で威圧感のある強面の隊員が多い中では目立つ存在だ。彰吾が話しかければ、老若男女問わず――特にたいていの女性は好意的な反応を示してくれるので、こういった聞き取り調査の際にはとても有難い存在だと綾子は思う。
――それは置いておいて。
(――この娘――)
綾子は少女をじっと見つめた。違和感を感じる。
黙りこんだ綾子に変わって、彰吾が彼女に問いかける。
「周辺で何か怪しいできごとはありませんでしたか?」
「『怪しい』、と言いますと……どのようなことでしょうか」
「『普段と違う』何かです。例えば、近所のどなたか、いつもと様子が違う……、例えば――いつも好きなお菓子を食べないだとか、そんなささいなことで良いのですが」
「うーん」と彼女は困ったように微笑んだ。
「……特にないですねえ」
「そうですか。それなら良いのですが」
「お役に立てず、申し訳ありません」
「いえいえ、念のため、あなたも外が暗くなったら外出しないでくださいね」
彰吾は朗らかに微笑んだ。少女は笑顔――どこか作ったような笑顔で微笑み返す。
(――これは)
先ほど感じた違和感が確信に変わった。綾子は右手を掲げて呟いた。
「赤き焔よ」
綾子の腕に、藤宮家の持つ【焔】の家紋が赤く浮かび上がり、光った。
と同時に、真っ赤な炎の渦が腕を包むように発生する。
「隊長……!?」
彰吾が驚いた声を出すのとまた同時。
「怪異を灰燼に帰しなさい」
その言葉と同時に、炎は渦巻くと、目の前の娘に向かって渦巻いた。
――これは、家紋による紋章術が生みだした妖を滅する炎。
「ぎゃあああああああ!」
明らかに、若い少女の声ではない、しゃがれた金切声の悲鳴が上がる。
「うわ」
彰吾が唸った。
目の前で赤い焔に包まれてもがき苦しんでいるそれは、先ほどまでの美しい少女の姿ではなかった。白い長い髪が床につくほどの長さになり、口は耳元まで裂けている。目は瞳だけでなく全体が赤く染まり、体中に盛り上がった血管の青筋が浮かび上がっていた。
「――鬼!?」
「鈴原くん、退がって! 火力を強めます!!」
綾子が拳を握りしめると、白髪の鬼を包んでいた炎が、ごぉぉと音を上げて火柱になる。耳をつんざくような鬼の悲鳴が響き渡り、彰吾は思わず耳を塞いだ。
ぷしゅ。
空気が抜けるような音と共に、鬼は黒い煙になって炎に吞み込まれた。
炎が消え去ると、そこには白い人骨がカラカラと転がった。
「――すごい! 消滅しました……?」
「――いえ! ――まだです!」
黒い消し墨がふわっと舞い上がると、廊下の奥の方へ吸い込まれるように流れて行った。
「――分化しているわ!」
綾子は唇を噛んだ。
分化とは、鬼が他の人間を鬼に変え、自分の分身とすることだ。
恐らく行方不明の男子学生とこの家の家人を喰らって自分の分身に変えたのだろう。
(最低でも3人に分化しているかしら)
「追いかけましょう!」
綾子と彰吾は駆け足で消えて行った黒い墨の後を追った。
障子を開けるとそこにあったのは――部屋中に広がる黒い塊。
そして白い髪が生えた頭が3つ、上下左右の壁に生えていた。
「――頭3つ、同時に滅さないといけないですね」
彰吾が呟いた。
分化した鬼たちはつながっている。
同時に倒さねば、またどこかに逃げてしまうだろう。
確実に消滅させるには、それぞれの頭を潰す必要があった。
「一気に3つ……、部屋全体を燃やせば、何とかなると思います」
綾子は拳を握って、また腕に炎をまとわせる。
(鬼を完全に消滅させるほどの火力で部屋全体を燃やすのは――少し骨が折れるわね)
家紋の力を使うときは、精神力と体力を消耗する。
気合を入れねば、と大きく息を吸う。
「隊長」
そんな綾子に彰吾が声をかけた。
「俺を頼ってください」
「――え?」
「入隊時の家紋術の成績、最上位ですよ、俺」
彰吾は得意げに笑うと、拳を上に上げた。
腕に【疾風】の家紋が赤く浮かび上がる。
「風よ」
その言葉と共に、部屋の中に無数の風の刃が降り注いだ。
部屋中に広がった黒い塊が細切れになる。
そして、風は鬼を切り裂いたあと、部屋の中央へ集まって竜巻となって渦巻いた。
「……すごい」
「隊長、とどめを」
そう声をかけられて、思わず感心して状況を見つめていた綾子ははっとして、自分の家紋に力を込めた。赤い炎が渦巻の中心に生まれると、あっという間に風に巻き上げられ炎の渦巻となり、鬼を焼き尽くした。
「――片付きましたね」
焦げた部屋の中央部に、カランと音がして人の骨が落ちた。
「――おかげで、消耗せずに討伐できました。ありがとうございます」
綾子は床を見つめてうつむいた。
「少なくとも4人――犠牲が出ましたが」
妖から住人を守り切れなかった悔悟の念で、綾子は唇を噛んだ。
修介との婚約破棄騒動の件で、家庭内はばたばたしていたが、妖絡みの事件はそんな事情などお構いなく発生する。
同行の彰吾は半年前に部隊に入ったばかりの新入隊員だ。彰吾は最高学府である帝都大学を卒業したにも関わらず、官僚になるわけでなく、妖防衛隊に入ることを選んだため、入隊時に「変わり者」と評判になった。
ただ、その身に宿す風を操る家紋【疾風】の力は強力で、入隊時の試験を最高位で突破し、入隊の初めから精鋭部隊である綾子が隊長を務める参番隊に直接加入した。
本来ならば、このような聞き取り調査のような業務は隊員に任せたいところだったが。綾子には今回の学生行方不明事件について気にかかるところがあり、自ら赴くことにしたのだった。
「こんにちは。妖防衛部隊の方ですか……」
出迎えたのは年齢は17、18くらいだろうか、黒い綺麗な黒髪を左右にお下げで編み込んだ華麗な少女だった。
「――お父上と、お母上は?」
「申し訳ございません。父は仕事で母は病気のため普段は寝ておりまして。お話なら私がおうかがいいたします」
綾子の問いに、少女は目を伏せて申し訳無さそうに答えた。
「お母様がご病気とは、大変ですね。ご対応いただき、ありがたいです」
綾子に続いて彰吾が少女に笑いかけた。
彰吾は女性としては背が高い綾子が見上げるくらいの身長であるが、それを感じさせる圧迫感がなく柔和な印象を人に与える。涼し気な目元の精悍な顔立ちは整っているが、それに加え笑うと人好きのする印象になる。誰が見ても好青年という印象を持つ彼は、肉体派で威圧感のある強面の隊員が多い中では目立つ存在だ。彰吾が話しかければ、老若男女問わず――特にたいていの女性は好意的な反応を示してくれるので、こういった聞き取り調査の際にはとても有難い存在だと綾子は思う。
――それは置いておいて。
(――この娘――)
綾子は少女をじっと見つめた。違和感を感じる。
黙りこんだ綾子に変わって、彰吾が彼女に問いかける。
「周辺で何か怪しいできごとはありませんでしたか?」
「『怪しい』、と言いますと……どのようなことでしょうか」
「『普段と違う』何かです。例えば、近所のどなたか、いつもと様子が違う……、例えば――いつも好きなお菓子を食べないだとか、そんなささいなことで良いのですが」
「うーん」と彼女は困ったように微笑んだ。
「……特にないですねえ」
「そうですか。それなら良いのですが」
「お役に立てず、申し訳ありません」
「いえいえ、念のため、あなたも外が暗くなったら外出しないでくださいね」
彰吾は朗らかに微笑んだ。少女は笑顔――どこか作ったような笑顔で微笑み返す。
(――これは)
先ほど感じた違和感が確信に変わった。綾子は右手を掲げて呟いた。
「赤き焔よ」
綾子の腕に、藤宮家の持つ【焔】の家紋が赤く浮かび上がり、光った。
と同時に、真っ赤な炎の渦が腕を包むように発生する。
「隊長……!?」
彰吾が驚いた声を出すのとまた同時。
「怪異を灰燼に帰しなさい」
その言葉と同時に、炎は渦巻くと、目の前の娘に向かって渦巻いた。
――これは、家紋による紋章術が生みだした妖を滅する炎。
「ぎゃあああああああ!」
明らかに、若い少女の声ではない、しゃがれた金切声の悲鳴が上がる。
「うわ」
彰吾が唸った。
目の前で赤い焔に包まれてもがき苦しんでいるそれは、先ほどまでの美しい少女の姿ではなかった。白い長い髪が床につくほどの長さになり、口は耳元まで裂けている。目は瞳だけでなく全体が赤く染まり、体中に盛り上がった血管の青筋が浮かび上がっていた。
「――鬼!?」
「鈴原くん、退がって! 火力を強めます!!」
綾子が拳を握りしめると、白髪の鬼を包んでいた炎が、ごぉぉと音を上げて火柱になる。耳をつんざくような鬼の悲鳴が響き渡り、彰吾は思わず耳を塞いだ。
ぷしゅ。
空気が抜けるような音と共に、鬼は黒い煙になって炎に吞み込まれた。
炎が消え去ると、そこには白い人骨がカラカラと転がった。
「――すごい! 消滅しました……?」
「――いえ! ――まだです!」
黒い消し墨がふわっと舞い上がると、廊下の奥の方へ吸い込まれるように流れて行った。
「――分化しているわ!」
綾子は唇を噛んだ。
分化とは、鬼が他の人間を鬼に変え、自分の分身とすることだ。
恐らく行方不明の男子学生とこの家の家人を喰らって自分の分身に変えたのだろう。
(最低でも3人に分化しているかしら)
「追いかけましょう!」
綾子と彰吾は駆け足で消えて行った黒い墨の後を追った。
障子を開けるとそこにあったのは――部屋中に広がる黒い塊。
そして白い髪が生えた頭が3つ、上下左右の壁に生えていた。
「――頭3つ、同時に滅さないといけないですね」
彰吾が呟いた。
分化した鬼たちはつながっている。
同時に倒さねば、またどこかに逃げてしまうだろう。
確実に消滅させるには、それぞれの頭を潰す必要があった。
「一気に3つ……、部屋全体を燃やせば、何とかなると思います」
綾子は拳を握って、また腕に炎をまとわせる。
(鬼を完全に消滅させるほどの火力で部屋全体を燃やすのは――少し骨が折れるわね)
家紋の力を使うときは、精神力と体力を消耗する。
気合を入れねば、と大きく息を吸う。
「隊長」
そんな綾子に彰吾が声をかけた。
「俺を頼ってください」
「――え?」
「入隊時の家紋術の成績、最上位ですよ、俺」
彰吾は得意げに笑うと、拳を上に上げた。
腕に【疾風】の家紋が赤く浮かび上がる。
「風よ」
その言葉と共に、部屋の中に無数の風の刃が降り注いだ。
部屋中に広がった黒い塊が細切れになる。
そして、風は鬼を切り裂いたあと、部屋の中央へ集まって竜巻となって渦巻いた。
「……すごい」
「隊長、とどめを」
そう声をかけられて、思わず感心して状況を見つめていた綾子ははっとして、自分の家紋に力を込めた。赤い炎が渦巻の中心に生まれると、あっという間に風に巻き上げられ炎の渦巻となり、鬼を焼き尽くした。
「――片付きましたね」
焦げた部屋の中央部に、カランと音がして人の骨が落ちた。
「――おかげで、消耗せずに討伐できました。ありがとうございます」
綾子は床を見つめてうつむいた。
「少なくとも4人――犠牲が出ましたが」
妖から住人を守り切れなかった悔悟の念で、綾子は唇を噛んだ。
23
お気に入りに追加
166
あなたにおすすめの小説
出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。
宮廷画家令嬢は契約結婚より肖像画にご執心です!~次期伯爵公の溺愛戦略~
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
ファンタジー
男爵令嬢、アマリア・エヴァーレは絵を描くのが趣味の16歳。
あるとき次期伯爵公、フレイディ・レノスブルの飼い犬、レオンに大事なアトリエを荒らされてしまった。
平謝りしたフレイディにより、お詫びにレノスブル家に招かれたアマリアはそこで、フレイディが肖像画を求めていると知る。
フレイディはアマリアに肖像画を描いてくれないかと打診してきて、アマリアはそれを請けることに。
だが絵を描く利便性から、肖像画のために契約結婚をしようとフレイディが提案してきて……。
●アマリア・エヴァーレ
男爵令嬢、16歳
絵画が趣味の、少々ドライな性格
●フレイディ・レノスブル
次期伯爵公、25歳
穏やかで丁寧な性格……だが、時々大胆な思考を垣間見せることがある
年頃なのに、なぜか浮いた噂もないようで……?
●レオン
フレイディの飼い犬
白い毛並みの大型犬
*****
ファンタジー小説大賞にエントリー中です
完結しました!
スラムに堕ちた追放聖女は、無自覚に異世界無双する~もふもふもイケメンも丸っとまとめて面倒みます~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
どうやら異世界転移したらしいJK田崎 唯は、気がついたら異世界のスラムにどこかから堕ちていた。そこにいたる記憶が喪失している唯を助けてくれたのは、無能だからと王都を追放された元王太子。今は、治癒師としてスラムで人々のために働く彼の助手となった唯は、その規格外の能力で活躍する。
エブリスタにも掲載しています。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる