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一夜限りの
12P
しおりを挟む「骨が折れるな。桜鬼だけじゃねぇ、他の奴らも皆、今までよりもずっと強くなってるんだ」
「小紅ちゃんが来てからだよな、あいつらが良い意味で変わったのは。間者だったのに裏切って、そのうえ向こうの勢力を上げるなんてさ」
「俺達だって強くなれる。今からだって、少しでも強くなれる。よし左之助、帰って手合わせするぞ!」
「えぇ、今からっ!?えらく急すぎるだろ。俺はともかく、新八さんは隊長で1、2を争うほどの剣豪なんだから手合わせするなら同じくらい強い総司か、もっと強い土方さんにしろよ」
「総司は俺より弱い。土方さんは、今の状態じゃあ話し相手にもなってくれねぇだろ。ピリピリして、近寄りがたい。というか、声をかけただけでキレるだろ」
「だからって、俺と手合わせするといつも容赦なくボッコボコにするんじゃねぇか!」
「そんなの、左之助を鍛えてやってんだよ。お前は槍ばっかだから剣の腕はイマイチだろ?ほらほら、文句言わねぇで屯所まで競走するぜ。いーち、にーの、さんっ!」
「い、イマイチってなぁ。あっ、おい!いきなり卑怯だろ!待てって!!」
元気だな。永倉は勝手に先に走り出してしまい、原田が慌てて後を追って走って行く。仕方ないなと笑いながら。
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