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一夜限りの
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しおりを挟む「――なぁ、左之助。鷹の翼は大人しく捕まってくれると思うか?」
「いやぜんっぜん。正々堂々と真正面からぶつかってくるでしょ。そんなに難しい顔して、どうしたんだよ?」
「ゆでた枝豆さ、あいつがいつも食うから俺達はほとんど食ったことなかったよな。でも久々に食ったらビックリするくらい美味くてさ」
「枝豆ぇ?まぁ確かに、枝豆に限らず酒もいつもより美味かったよなぁ。でもまぁ、悲しみは食い物を美味くするって言うしさ?」
「そんな話、初めて聞いたぜ。むしろ逆だろうが。適当なこと言ってんじゃねぇぞ」
「うわ、怖い怖い。美味かったけどさ、枝豆を殻ごと突っ込まれるとは思わなかったぜ。半分くらい殻も食っちまったし」
「あぁそうだな、あれには俺もビックリした。あー……今度あの店行ったらさ、つまみに枝豆を注文しようぜ。あいつがいなくても、さ」
「…………そうだな。正義である俺達が負けるわけないんだし、あいつらがどうなるかなんてわからねぇけど」
「けど俺達は新選組だ。あいつら鷹の翼を捕まえて牢にぶち込むか、命を奪わないといけねぇ。何にせよあいつはもう、あの店で酒を飲むことも枝豆を食うこともできねぇからな」
「うん。鷹の翼に襲撃に行くとなったらやっぱ、隊長の俺達が行くんだろうなぁ」
「今まで散々、何度も襲撃し合ってきたからな。慣れてるっていやぁおかしいけどさ。でも、きつい戦いになりそうだな」
「なんだかんだ言って強いもんなぁ。俺、桜鬼の相手になったら負けそう」
「何弱気になってんだよ、お前らしくもねぇ。相手が誰だろうと、命令に従い容赦なくかかっていくのが俺達新選組だろうが。っていうけど正直、俺でも今の桜鬼の実力はわかんねぇ」
「強くなったってわかるよなぁ。桜樹と合体、したんだっけ?武器が鉤爪ってだけでも厄介なのに、鬼面団時代の桜樹の暴力並みの強さと桜鬼の冷静さが合わさった今なら」
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