鷹の翼

那月

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最強を求めて

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「腹が減ったから俺様も何か食うか。わかってるだろうが、俺様がいなくなったからってここから出ようなんて真似すんなよ?すぐに戻ってきてやっからな!」

「クスクス、そんなことしませんよ。休んでいますから、ゆっくり食べてください」

 急に元気になった。というか、いつもよりもうるさくなった。再び小紅に背を向けて扉へと歩いていく。

「いいや、すぐに来てやる。それから――話、聞いてくれてありがとう、なんて言わねぇからな!姉貴と妹が来て頭ん中グチャグチャで暴れちまいそうだったけどさ、俺様達を見守ってるてめぇの姿見たら冷静になれたんだ。だから、俺様はもう大丈夫だっ!」

 扉の前でそう叫ぶと、逃げるように扉から飛び出してバッタバタと走って行ってしまった。その口元には笑みが浮かんでおり、吹っ切れた表情。

 実に高遠らしい。「ふふっ」と、つい笑みをこぼす小紅は息を吐き、腰を下ろして壁にもたれかかった。

 さて。高遠の家族に何も起こらないことを願いながら、戻ってくるまでの数を数えてみようかな。いーち、にーい、さーん、よーん、ごーお、ろーく……


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