鷹の翼

那月

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そばとうどんと油揚げ

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「私は、ここで終わるわけにはいかないのです」

 それでも、小紅には自分が生き延びている未来が見えていた。新選組の屯所に突撃して金を奪い、戦闘になっても誰1人欠けることなく屋敷に帰ってくる。そんな未来がしっかり見えていた。

 どこからそんな自信が湧いてくるのか?何の確証があるのか?

 奇襲は怖い、恐ろしい。けれど、怯えてばかりもいられない。最初からできないことをやろうとはしない。失敗の元となる。

 だから小紅は、小紅にできることに精一杯取り組む。たとえそれが、黒鷹の盾になることだとしても。

「………………よし」
 パチッと目を開き立ち上がると、ヒュンッと短刀を一振りし小紅は深呼吸をして自室を後にする。覚悟を決めた。

 向かうのは黒鷹の部屋。そして、新選組の屯所。様子がおかしい和鷹が少々気がかりだが、今は気にしていられない。

 護身用の担当を握り締める。黒鷹の部屋に向かう小紅の足音は、無音だった。


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