鷹の翼

那月

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 外を警戒しながら小紅は考えていた。鳶はなぜ、頭である黒鷹には報告だけで和鷹に指示を仰いだのか?

 桜鬼はそんな鳶の判断に異を唱えることなく付き従っていたし、小紅からの報告を聞いた黒鷹もそのことに関しては何も言わなかった。

 鷹の翼ではそれが普通なのか?小紅はてっきり、鷹の翼の頭脳である黒鷹が全ての判断、指示をしていたのだと思っていたが。

 どうやら一旦は補佐である和鷹に指示を仰いで、和鷹でも判断できなければ長である黒鷹に、という仕組みらしい。

 だがそれも状況による。非常事態に遭遇した者が和鷹では判断できないと早々に判断すれば直接黒鷹のところへと向かう。

 それほどに和鷹は黒鷹に信頼されている。食事の席で和鷹にあんな酷いことを言われても、黒鷹は和鷹を高く評価しているのだ。

 小紅が鷹の翼にやってきてからというもの歓迎はされず、夜鷹の実子であることを明かし桜樹に殺されそうになったり山崎を捕まえたりと連日寝不足の彼女は……

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