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つながり
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しおりを挟む一瞬で見つけた、彼女が普通の町娘ではないという証拠。無邪気に、不意にそれを確認する黒鷹は「もう触れないから」と両手をバンザイ。
彼女の素性に気付いたか?いや、手の平と反応だけではまだ大丈夫か。さあっと青くなった顔がすぐに戻る。
彼の行動と笑顔につられて小紅も「クスッ」っと笑みがこぼれ、同じくいくつもマメができている彼の手に触れ下ろさせる。
宣言通り触れることなく話しかけていく黒鷹。町での桜鬼の様子や他の人達は小紅に対してどんな感じかなど、小紅に肩を揉んでもらいながら聞いていた。
それも、あっという間に夕餉の時間になって和鷹が呼びに来たので四半刻くらいで中断。
小紅は夕餉の席で、今の時点で打ち明けられること全てを打ち明けると申し出、2人の後をついて良い匂いの漂う広間へ。
「し、し、失礼しますっ……」
「んお?小紅ちゃんも一緒か、よかったらこっちに来て一緒に食わへんか?」
和鷹、黒鷹、小紅の順に広間に入ると、すかさず雪が笑顔でブンブン手を振る。しかし小紅が「ありがとうございます」と1歩踏み出したところでガクンッと止まった。
「紅ちゃんは僕の隣だよ」
黒鷹が、腕をつかんだまま座ったので小紅も引っ張られるようにしてチョコンと隣に正座。そのまま硬直。
隣に黒鷹、その隣に和鷹、3人と向かい合うように桜鬼、高遠、猫丸、雪、鳶が座っている。皆、小紅を見つめている。
小紅がここに来ることを知っていた桜鬼が用意したのか、小紅の前にも夕餉の膳が1つ。味噌漬けにされた魚を焼いた香ばしい香りが、小紅の腹を切なく鳴かせた。
「さっ、先に私のお話をさせ……桜鬼さん黒鷹様、お腹を抱えて笑わないでくださいっ!」
沈黙の中、ぐぅーきゅるるるっと可愛らしい音にたまらず桜鬼と黒鷹が吹き出し、肩を震わせて笑っている。
高遠は鼻で笑うし雪は苦笑、鳶は無表情だが鋭い目の力が少し抜け、猫丸は足元の猫を撫でながら微笑んでいる。和鷹は、呆れかえって「何なんだこいつは」とでも言いたげだ。
笑いのツボにはまってしまっている2人をよそに、冷めきった和鷹が手をパンパンッ!と叩いた。
「時間が惜しい。話をするならさっさとしろ、せっかくの飯が冷える」
ごもっともです。笑いすぎてにじんだ涙を指で拭い、桜鬼は落ち着いて深呼吸。黒鷹はまだ「ヒィヒィ」笑っているので、和鷹にド突かれて悶絶。
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