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心
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しおりを挟む「……今度はもう俺を頼らねぇんだな。式は返してもらうぜ」
急に、和比呂が手を伸ばしてきた。伸ばされた手はずーっと俺の肩に留まっていた鷲に触れ、触れた瞬間に鷲は元の式札に戻った。
和比呂は、この鷲を通して昨日の俺と歌磨呂のやりとりを見ていたのだという。プライバシーの侵害だ。
ずっと見ていたわけではないが、必然的に俺の過去をも知ってしまったわけだ。盗み聞きとは、最低がすることだな。
何か言いたげに俺を見つめていたが、「なんだ?」と声をかけると「いや、何でもない。俺が口を挟むこともないだろ」と、苦笑。
和比呂としては複雑だろう。陰陽の血を引く秋月家当主としては、酒呑童子の復活は何としてでも阻止しなければならない。けれど、和比呂個人としては……
手を貸してくれるつもりだったのか?忙しいと怒っていたくせに。だが、今晩のことは俺1人で何とかする。
これは俺の問題だ、俺が1人で決着をつけなければならぬことなのだ。それを、和比呂は悟った。
感謝しているぞ小娘、朝霧神那。お前の命を守ることはできなかった、交わした約束を破ることになってしまったが。俺はこうして、やっと酒呑童子の生まれ変わりと出会うことができた。
因果なものよ。お前が死神憑きで、あの日、あの場所で生涯に幕を閉じたおかげで不和歌磨呂と出会えたなんて。終わりが始まりに、不幸が幸せになった。
「ん、何の話じゃ?」
あぁ、ここに1人、何も知らないアホキツネがいたんだった。説明するのが面倒くさい。省略。知りたければ和比呂にでも聞け。俺は説明している間に寝るぞ。
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小説家になろうにも上げています。
一気に更新させて頂きました。
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