惰眠童子と呼ばれた鬼

繋がる生

４P

　よく頑張った。小娘は、よく頑張って生きた。だからこの俺が褒めてやる。これくらいなら、特別に許してやる。


　抱きしめ返すことも、自分の体を支える力もない小娘。合わせた胸にかすかに感じる、弱々しい鼓動。なぜ、こんなにも一生懸命なこの子が、こんなにも早く終わりを迎えるのか。


　もどかしい、な。この１週間を、小娘をずっと見てきたからこそ、もうどうにもできない歯痒さがたまらない。


「なっ……酷い。ゴホッゴホッ！でも、安心した。あんたは変わらない。死ぬのはとても、怖いけど、生まれ変わったらきっと……あんたを探し出してみせる、から。だから……その、時、は……」


「……小娘？」


「スゥ……スゥ……」


　ここで寝るのか。声のかぼそさと流れ的に、あと１日を残して力尽き逝ってしまったかと思ったぞ。焦った。


　そっと布団に寝かせ、寝顔を見つめてみる。吐血した時用に置いてあるティッシュで涙を拭いてやると、このまま目を覚まさないかもしれないと考えてしまう。


　期限は明日だ。明日、必ずもう１度目を目を覚ませ。


　俺も程よく眠くなってきたな。小娘を胸に抱いた温もりが消えぬうちに目を閉じ、座ったまま眠りに落ちる。


　今度こそ、俺が決めた時間に起きたいものだ。次に目を覚ましたら昼だったとか、最悪の場合夜だったとかなれば、笑えぬ。