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偶然は必然
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しおりを挟む「ひ、あ、がっ……何なん、だよ、この……バケモノ……っ!」
「バケ、モノ……あ……が、あぁぁぁあぁぁぁっ!!」
あぁ、奴に“バケモノ”は禁句だ。今ので完全にキレた奴は男子生徒の首にかけた手に力を入れ、骨を砕こうとする。させるか。
「何をしている、バカモノ」
奴の尻から生えているフサフサの白い尾をつかみ、一気に横へ引っ張る。勢いよく壁に激突した奴の目の前へ瞬時に移動し、腹に膝蹴りを入れながら顎をつかむ。
「がぁっ!!ぐ、うぅぅぅぅぅ…………あ……だ、旦那……」
「ここがどこで、今お前が殺そうとしていた者が誰かわかっているのか?そんなこともわからなくなるほど、学生生活にうつつを抜かしているのか、キツネ?」
禍々しい雰囲気をまとったキツネの赤い瞳が右に左に泳ぎ、再び俺の顔を映し出すとガタガタと震えだす。
さっきの男子生徒にくだらぬことでからかわれでもしたのか?だが、そんなことでキレてここまで暴れるほどキツネも短気ではない。
何があった?このまま問いただしてやろうとキツネの顎をつかむ手に力を込めたその瞬間、ドンッ!と体が響いた。
「な、に……っ?」
「うっぐ、くそっ……間に合わなかったか。そのまま押さえてろ、近くの森まで飛ばすっ!」
先に来ているはずなのに姿がないと思ったら。意識を失っていたのか、頭から血を流す和比呂が小娘に支えてもらいながら叫び、俺達4人を瞬間移動させた。
暴走したキツネにやられて弱っているうえに4人も瞬間移動させ、和比呂は森に着いた途端に大量の血を吐き崩れ落ちる。
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