花喰みアソラ

那月

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大好きなんだ

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 1歩下がる。もう1歩下がる。皆を見渡して、あたしをまっすぐ見つめて。アソラさんは「またね」と笑顔で去っていった。

 あーあ、行っちゃった。しっかりした足取りで突き進んでいく、立ち止まらない。

 寂しいけど、信じて待ってるの。彼もあたしのことを信じてくれるから。

 まさか恋人になるなんて。まさか恋人になってすぐ離れ離れになるなんて。本部への報告、あたしも応援してるから頑張って。

 帰ってきたら、いっぱいいっぱい、ギューッて抱きしめてあげるから。

「ナライちゃん、ハーブティー淹れてあげるからお花の水やり手伝ってくれる?」

 あたしは大好きなアソラさんの残り香を胸に抱いて、ニコッとジョウロをナライちゃんの手に握らせた。



 ――おわり――



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