花喰みアソラ

那月

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本日は閉店なり

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 帰り道、話題はやっぱりハリオ君とハリー君の話。定休日が楽しみになるあたしの気持ちがよくわかったとか、次の定休日が待ち遠しいだとか。


「帰ったらまずアソラさんは花がら摘みをしてくれますか?あたしは買ってきたものを片付けてから、晩御飯の準備に取り掛かりますから」


「お昼もまだなのにもう晩御飯の準備?」


「根菜の煮物を、早くに作っておくと味が染み込んで美味しくなるから。あとはお味噌汁と、ほうれん草のお浸しね」


「へぇ、美味しそう。ミサキさんは何でも作れるんだね。いいお嫁さんになれるよ」


 って言ってもアソラさんは食べないでしょ。今日こそ食べさせてあげるんだから、覚悟なさい。なんて密かに闘志を燃やしながら微笑んでみる。


 帰りつくと早速アソラさんが花がら摘みに取り掛かって、時々摘んだのを食べてる。お腹すいてたのかも。


 今思えば。生きるための食事が花と水分だけって、人間の体的に大丈夫なのかしら?栄養とか絶対に足りないわよね、普通に考えたら。


 でも、それでも普通に生きているということは彼の体が普通じゃないってこと。もう人間じゃないって言っていたのはあながち、間違っていないのかも。


 現実的に考えたら本当にあり得ない。花妖の存在も、アソラさん達花喰みの存在も。


 だけど、なんでかしらね?あたしはすんなり受け入れられるの。最初は純粋に怖かったけど、慣れたって言ったらよくない表現だけど。これが現実なんだなぁって。


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